日本時間の28日午後発生した、ミャンマー中部を震源とするマグニチュード7.7の大地震では、激しい揺れに見舞われた第2の都市マンダレーや首都ネピドーなどで大きな被害が出ています。
ミャンマーで実権を握る軍は、29日夜、この地震でミャンマー国内で1644人が死亡し、3408人がけがをしたと明らかにしました。
現地では、いまも各地で倒壊した住宅などの下に取り残されている人たちが多数いるとみられ、被害が広範囲にわたるため救援活動は難航しているということです。
国際的な支援が求められる中、28日、ロシア非常事態省は、救助隊や災害救助犬などを派遣したと発表しました。
また、中国も相次いで救援チームを派遣しています。インド政府も29日、医薬品や支援物資とともに軍の医療チームを輸送機で派遣したことを発表しました。
隣国タイでもこれまでに9人死亡
一方、この地震で、隣国タイの首都バンコクでも建設中の高層ビルが倒壊し、地元当局によりますと、これまでに9人が死亡し、70人以上と連絡がとれなくなっているということです。
現場では、夜通し軍や救助隊などによるがれきを取り除くなどの捜索活動が進められています。
また地元当局によりますと、このほかバンコクでは2000棟以上の建物にひびが入っていると報告があったということです。
その上で今回の地震を受け、建物の安全性についても今後、調査を続けていくことにしています。
【動画】国際空港で大きな被害か(13秒)
大地震で、首都ネピドーにある国際空港では大きな被害が出ているとみられます。
去年5月に空港周辺を撮影した衛星画像では、滑走路の東側に管制塔が立っていることが確認できます。
ところが、NHKが入手した、地震発生から1日以上たった日本時間の29日午後4時すぎに撮影された画像では、管制塔が根もとから南東方向に倒れ、周辺にがれきのようなものが散乱している様子がわかります。
ロイター通信は、29日、消息筋などの情報として、この空港が一時的に閉鎖されているとした上で、管制塔は倒壊して運用できなくなっていると伝えていました。
【動画】女性救出の瞬間 地震発生から約30時間(22秒)
AFP通信が29日に配信したミャンマー中部のマンダレーの映像では、倒壊した建物から女性1人が救出される様子が確認できます。
女性が救出されたのは地震の発生からおよそ30時間後だったということで、救助隊員ががれきの中から女性の体を引きあげたあと、担架に乗せて救急車に運び込んでいきました。
救助活動は数時間におよんだということで、現場で見守っていた夫は担架で運ばれてきた女性と抱きあって再会を喜んでいました。
インド 軍の医療チームをミャンマーに派遣
今回の大地震を受けて、インド政府は29日、軍の医療チームをミャンマーに派遣したことを発表しました。
医療チームは118人で構成され、医薬品を積んで軍の輸送機で出発し、ミャンマーの被災地で医療支援にあたることになっています。
また、あわせて50トンの食料やテントなど、緊急支援物資も送り、ミャンマーの最大都市ヤンゴンの空港に現地時間の29日午前、支援物資を積んだインド軍の輸送機が到着しました。
インドのモディ首相はSNSへの投稿で、ミャンマー軍のトップミン・アウン・フライン司令官に電話で、犠牲者に哀悼の意を表したとした上で、「インドは親しい友人であり、この困難な時にミャンマーの人々に寄り添う」として支援を続ける姿勢を強調しました。
ユニセフ支援責任者「電気止まり通信回線も遮断」
ミャンマー中部で起きた大地震について、ユニセフ=国連児童基金の東アジア・太平洋地域事務所で緊急支援責任者を務めるトレバー・クラークさんが29日夜、オンラインでNHKのインタビューに応じました。
このなかでクラークさんは、震源地に近いマンダレーの状況について「多くの人々が被害を受けている。具体的な人数は分からないが、亡くなったり、けがをしたりした子どもは、かなり多いとみられる」と述べました。
そのうえで「インフラへの被害は大規模で、電気が止まり通信回線も遮断されている。現地にいるスタッフと連絡を取り合うことも難しい」と述べ、情報収集が難しくなっているとしています。
また、首都ネピドーで主要な病院が倒壊したという情報があることから、マンダレーなどでも医療機関や水道設備が被害を受けているおそれがあると指摘しています。
そして「まずはテントや防水シート、衛生キットなどを届けようとしている」として、30日朝にはさらに多くのスタッフがマンダレーに向けて出発すると明らかにしました。
一方、ミャンマーでは軍と民主派勢力などとの戦闘が続いていることや、サイクロンや大規模な洪水に見舞われてきたことを踏まえ「ミャンマーの子どもたちは暴力的な紛争や自然災害を経験してきた。今回の地震により壊滅的で悲痛な状況がさらに重なった」として、国際社会が長期的に支援していく必要性を訴えました。