高齢者が持つ資産を若い世代に移し、経済の活性化を図るためにどのような税制にすべきか本格的に議論することにしています。
総務省が3年前に行った調査によりますと、2人以上の世帯が持つ金融資産のうち、世帯主が60歳以上の世帯が保有する資産は、全体のおよそ65%を占めています。
こうした状況について与党などからは、高齢者から若い世代への資産の移転を税制面から促すことで、経済を活性化させるべきだという指摘も出ています。
このため政府税制調査会は、専門家による会合を設置し、来月から相続税や贈与税の見直しについて議論を始めることになりました。
若い世代への資産の移転を促す目的で導入された税制として贈与する際には、一定額までを非課税とし、相続が発生したときに非課税にした分を含めて精算して課税する「相続時精算課税制度」があります。
しかし、相続時の手続きが煩雑なこともあって利用件数は伸びておらず、専門家の会合では、手続きの簡素化などが議論される見通しです。
専門家会合の結果は、政府税調がとりまとめる答申に盛り込むとともに、具体的な税制改正を検討する与党の税制調査会の議論に反映させたい考えです。