北朝鮮は28日も弾道ミサイルを発射していて、防衛省によりますと、2日連続で弾道ミサイルを発射するのは初めてだとしています。
いずれも落下したのは北朝鮮東岸付近で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。
▽1発目は午後8時47分ごろ、
▽2発目は午後8時53分ごろ、
いずれも北朝鮮西岸付近から東方向に向けて発射し、最高高度50キロ程度で、300キロ程度飛行したと推定されるということです。
これまでのところ、航空機や船舶などの被害の情報は確認されていないとしています。
浜田大臣は、今回の発射について「きのうも弾道ミサイルを発射したばかりだ。挑発を一方的にエスカレートさせるような、立て続けの発射も含め、一連の北朝鮮の行動はわが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり断じて容認できない」と述べ、北朝鮮側に対し、北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしました。
▽情報の収集と分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、 ▽航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、 それに、 ▽不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。
韓国軍は、アメリカ軍とともに詳しい分析を急いでいます。 米韓両国は、4年ぶりに本格的な野外機動訓練を含む合同軍事演習を実施したのに続き、29日までの4日間、アメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」も参加して日本海で共同訓練を行いました。 また、アメリカのハリス副大統領が29日に韓国を訪問し、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領と会談したあと、南北を隔てる非武装地帯を視察し、米韓同盟の結束を示すことで北朝鮮をけん制したばかりで、2日連続での発射の背景には北朝鮮側の強い反発があるとみられます。
発射は28日に続き、2日連続です。 これまでに、1月に7回、2月に1回、3月に3回、4月に1回、5月に4回、6月は1回、先月に1回、今月に2回、それぞれ弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。 今月は25日と28日に相次いで発射していて、2日連続となります。 これまでの20回のうち、17回は弾道ミサイルと推定されもう1回も弾道ミサイルの可能性が指摘されています。 残りの2回は長距離巡航ミサイルなどと推定されています。 このうち、28日に発射された弾道ミサイルについて防衛省は、北朝鮮西岸付近から2発を東方向に向けて発射したことを明らかにしています。 いずれも変則軌道で飛行した可能性があり、落下したのは日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。
28日午後6時すぎには首都ピョンヤン(平壌)郊外のスナン(順安)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射しました。 韓国軍によりますと飛行距離は360キロ余りで、高度は30キロ余りで、音速の6倍にあたるマッハ6で飛行したということです。 また今月25日には北西部ピョンアン(平安)北道のテチョン(泰川)付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射しています。 韓国の通信社、連合ニュースは、2回のいずれも低い高度で飛行し、変則的な軌道で落下するロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の改良型が発射された可能性に重きを置いて軍が分析を進めていると伝えています「イスカンデル」の改良型は、探知や迎撃が難しいとされていて北朝鮮としては、韓国側のミサイル防衛網を突破する能力の向上をねらっているとみられています。
韓国軍は、飛行距離はおよそ370キロ、高度は90キロに達したと発表していました。 一方、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は翌日、「超大型ロケット砲」の発射実験に成功したとし、実験の成功について、「連続射撃体系の完璧性が検証された」と伝えていました。
北朝鮮は、弾道ミサイルの発射後、空中で爆発するなど明確に失敗したケースを除き、多くの場合、国営メディアを通じて翌日までに発表し、技術の向上をアピールするとともに、アメリカなどをけん制するメッセージを発信してきました。 例えば、ことし3月に発射実験に初めて成功したと発表した、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星17型」の発射の際は、サングラス姿のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が立ち会う中、ミサイルを格納庫から搬出し、発射するまでの過程を国営テレビが大々的に放送していました。 北朝鮮が、弾道ミサイルの発射を発表しないねらいについて韓国の通信社、連合ニュースは「ミサイルの性能を具体的に公開しないほうが、対外的な注目度を高め、圧力を与えられると判断している可能性もある」という見方を伝えています。 一方、先月に発射した巡航ミサイルについてはキム総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏が談話を通じて発射地点は、韓国軍の発表とは異なると指摘したうえで、「軌道が明らかになれば、南はおじけづくだろう」と強調していました。
岸田首相 情報の収集と分析などを指示
政府 官邸に緊急参集チームを招集
韓国軍 “北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発発射”
ことし21回目 2日連続の発射
最近の発射【詳細】
北朝鮮 3年前にもスンチョン(順川)付近から発射
北朝鮮 ミサイル発射を7回連続で発表せず 沈黙続ける
水産庁 “今のところ漁船被害は確認されず”