マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツが、米大統領選でカマラ・ハリス副大統領を支持する非営利団体に約5000万ドル(約75億円)を献金したと米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた。ハリス副大統領を支援するビリオネアの数は、ドナルド・トランプの支援者の数を上回っている。
NYTが3人の関係筋の話を引用して報じたところによると、ゲイツは、この5000万ドルの献金をプライベートな場で仲間に伝えたという。この献金は、元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグなど、ゲイツの仲間の間で具体的に話し合われたもので、内密にされるべきものだったという。
ゲイツは、プライベートな会話の中で、自身がどちらの大統領候補とも協力できることを強調したが、トランプの2期目の政権に懸念を示したとNYTは報じた。
ゲイツは、NYTの取材に対し、この献金やハリスへの支持については言及しなかったが、「ヘルスケアや気候変動、貧困に対する取り組み行う候補者を支持する」と語った。彼は、自身のキャリアを通じて政界の幅広いリーダーと仕事をしてきたが、「今回の選挙は、これまでとは異なる」と付け加えた。
今回の献金は、資金提供者の身元を公表しないスーパーPAC(特別政治活動委員会)のFuture Forward USA Actionに対して行われた。
フォーブスの分析によれば、ハリスを支援するビリオネアの数は81人で、そこにはブルームバーグや、リンクトイン共同創業者のリード・ホフマン、アトランタ・ファルコンズのオーナーであるアーサー・ブランクらが含まれている。
一方、トランプは50人のビリオネアの支持を受けており、その中には世界一の富豪のイーロン・マスクや、ヘッジファンドの富豪のビル・アックマン、カジノ王のミリアム・アデルソン、NFLのニューヨーク・ジェッツのオーナーであるウッディ・ジョンソンらが含まれている。
フォーブスは、世界で13番目に裕福な人物であるゲイツの保有資産を1056億ドル(約15兆9800億円)と推定している。
ゲイツは、政治的な発言をあまり行わないが、ハリスを前向きに評価しており、「今よりも若いリーダーが、人工知能(AI)などの物事を正しい方向に導いていくとしたらすばらしい」とフランスの国際ニュース専門チャンネルFrance 24に語っていた。しかし、ゲイツは、自身の慈善団体の仕事に注力していると述べ、選挙について他の人々に意見することはないと語っている。
ゲイツの元妻メリンダは、民主党の大口献金者となり、ハリス副大統領を支援する団体に1300万ドル以上を献金している。