ことしも全国ぜんこくで過去かこ最多さいたのペースで感染かんせん者しゃ数すうが増ふえている中なか、尾上おのえ医師いしのクリニックでも梅毒ばいどくの患者かんじゃが1.5倍ばいほどに増ふえていると言いいます。

梅毒ばいどくに感染かんせんすると、通常つうじょう、3週間しゅうかんから6週間しゅうかん程度ていどの潜伏せんぷく期間きかんを経へてから最初さいしょの症状しょうじょうが出でてきます。ただ、症状しょうじょうが出でない人ひともいるほか、症状しょうじょうが出でてもすぐに消きえてしまう人ひともいます。

このため、感染かんせんしていることに気付きづかないうちに、病気びょうきが進行しんこうすることがあります。症状しょうじょうは、段階だんかいを経へて進行しんこうしていきます。

梅毒ばいどくは「梅毒ばいどくトレポネーマ」という細菌さいきんが原因げんいんで、主おもに性行為せいこういで感染かんせんが広ひろがります。

コンドームをつけずに性行為せいこういをするとリスクが高たかまりますが、オーラルセックスやキスで感染かんせんすることもあります。

また、コンドームをつけていても、感染かんせん者しゃの粘膜ねんまくや傷きずのある皮膚ひふに直接ちょくせつ触ふれると感染かんせんすることがあるので、注意ちゅういが必要ひつようです。

性せい風俗ふうぞく産業さんぎょうを介かいして感染かんせんすると思おもいがちですが、自分じぶん自身じしんに思い当おもいあたる節ふしがなくても、パートナーから感染かんせんしてしまうケースもあるので、他た人事じんじと思おもわず注意ちゅういすることが大事だいじです。

また、最近さいきんの診療しんりょう経験けいけんからは、マッチングアプリやSNSを介かいした出会であいを通をつうじて、不ふ特定とくてい多数たすうの人ひとと性行為せいこういして感染かんせんする人ひともいます。

▽年代ねんだい別べつに見みると、女性じょせいは20代だいと30代だいが75％を占しめる。特とくに多おおいのが20代だい前半ぜんはん。

▽男性だんせいは20代だいから50代だいまで幅広はばひろい年齢ねんれい層そうで患者かんじゃが増ふえている。

▽男性だんせいでは性せい風俗ふうぞく産業さんぎょうの利用りよう歴れきがある人ひとが、女性じょせいでは従事じゅうじ歴れきのある人ひとが、それぞれ感染かんせん者しゃの3割わりから4割わりほどを占しめる。

▽一方いっぽうで、性せい風俗ふうぞく産業さんぎょうの利用りよう歴れきのない男性だんせい、従事じゅうじ歴れきのない女性じょせいもそれぞれ3割わり程度ていどいる。

パートナー以外いがいの人ひとと性的せいてきな接触せっしょくをするなど、感染かんせんの心配しんぱいがある行為こういをしたのであれば、検査けんさを受うけに行いきましょう。

ただ、注意ちゅういしなくてはいけないのは、感染かんせんした直後ちょくごだと、検査けんさでわからないケースがあることです。感染かんせんから6週間しゅうかんたっているとほぼ確実かくじつに感染かんせんの有無うむが判定はんていできるようになるので、リスクのある性行為せいこういがいつだったのか、確認かくにんしておくとよいでしょう。

検査けんさ方法ほうほうは血液けつえき検査けんさが一般いっぱん的てきです。医療いりょう機関きかんを受診じゅしんするほか、自治体じちたいの保健所ほけんじょなどで検査けんさを受うけることもできます。

例たとえば東京とうきょう都とでは、新宿しんじゅくなどにある検査けんさ・相談そうだん室しつや保健所ほけんじょで、匿名とくめいかつ無料むりょうで検査けんさを受うけることができます。通常つうじょうの検査けんさでは次つぎの日ひに、即日そくじつ検査けんさの場合ばあいは20分ふんから30分ふんで結果けっかが分わかります。感染かんせんがわかればすぐに治療ちりょうに移うつることができるので、まずは検査けんさをすることが一番いちばん重要じゅうようです。