(1)液体が自然に下に移動するようにする。
「溝に水を~・す」「風呂の残り湯を~・す」
(2)汗・涙・血などが自分の体内から流れ出るようにする。
「涙を~・す」「汗を~・す」
(3)水で汚れを洗い落とす。
「風呂で汗を~・す」「背中を~・す」
(4)水などの流れによって物が動かされるようにする。 (ア)流れによって物を移動させる。
「切り出した材木を川に~・す」「気球が風に~・される」(イ)水の流れによって破壊し, 移動させる。 また, 水の流れや土砂によって失わせる。 「大雨で橋が~・される」「洪水で家も田畑も~・されてしまう」「舟~・したる心地してよらむ方なく/古今(雑体)」
(5)音そのほか, 形のないものを移動させる。 (ア)電気が電線の中を伝わるようにする。 通す。
「電流を~・す」(イ)音響装置から出た音や声が, いつもそこで聞こえているようにする。 「あの店ではいつもバロック音楽を~・している」(ウ)情報・うわさが伝わるよう, 広まるようにする。 流布させる。 「うわさを~・す」「浮き名を~・す」(エ)(比喩的に)悪いものを広める。 「青少年に害毒を~・す雑誌」
(6)流罪にする。
「京より~・されたる俊寛よ/平家 3」
(7)芸人・按摩(アンマ)やタクシーなどが客を求めてあちこち移動する。
「ギターをかかえて盛り場を~・して歩く」
(8)実現の前にだめにする。 (ア)流産させる。 また, 流産する。
「転んでおなかの子を~・してしまう」(イ)質に入れた品物を期日までに受け戻すことをせず, 所有権を放棄する。 「時計を~・す」(ウ)計画・予定が, 実現・達成しなくなるようにする。 不成立にする。 「欠席戦術で会議を~・す」
(9)野球で, 流し打ちをする。
「アウトコースの球をライトに~・す」
(10)ある動作を力まずに行う。 (ア)ある動作を, 力まずに軽い気持ちで行う。
「軽く~・しても大会新記録」(イ)(動詞の連用形の下に付いて)その動作を, あまり身を入れずに気楽に行う。 「軽く書き~・した文章」「読み~・す」(ウ)(動詞の連用形の下に付いて)相手のはたらきかけを真正面から受けとめずにそらす。 「受け~・す」「聞き~・す」「受けつ~・しつ切結ぶ/浄瑠璃・出世景清」
(11)心に留めないでおく。
「親の名残りも身の憂さも何のままよと~・せども/浄瑠璃・源氏冷泉節」
(12)そこに立ち寄らないですます。
「伯父病気ならば, ぐつと~・したいわい/洒落本・遊子方言」
(13)遊里で, 居続けをする。 流連する。
「それにかう~・して居るなぞとは, ほんによく罰(バチ)も当らぬものだ/洒落本・傾城買四十八手」
〔「流れる」に対する他動詞〕
‖可能‖ ながせる
︱慣用︱ 汗水~・車軸を~・水に~/油を流したよう
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