(1)人や動物の体内に備わっていて, 自ら動いたりほかの物を動かしたりする作用のもととなるもの。 具体的には, 筋肉の収縮によって現れる。
「拳(コブシ)に~を込める」「~を出す」「子熊でも~は強い」
(2)そのものに本来備わっていて, 発揮されることが期待できる働き。 また, その程度。 効力。
「風の~を利用する」「運命の不思議な~」「この車のエンジンは~がある」「薬の~で助かる」
(3)ほかに働きかけて影響を与えるもの。 (ア)ほかの人を支配し, 自分の思うとおりに動かすことのできる勢い。 権力。 勢力。
「君主の強大な~を物語る遺跡」「大国間の~の均衡」(イ)ほかの人が目的を達成しようとするのを助ける働き。 骨折り。 尽力。 「彼の~で八方まるく納まった」「会の発展のために皆様のお~を拝借したい」(ウ)人の心を動かす力強い勢い。 迫力。 「~のある文体」
(4)何かをしようとする時に役に立つもの。 (ア)行動のもとになる心身の勢い。 気力・体力。 精気。
「目的達成に向けて~をふるいおこす」「さぞお~を落とされたことでしょう」(イ)修得・取得した, 物事をなしとげるのに役立つ働きをするもの。 能力。 「国語の~が弱い」「対戦相手の~を分析する」(ウ)支え。 よりどころ。 「子供の成長を~にして生きる」「不幸な子供たちの~になる」
(5)〔物〕 物体を変形させたり, 動いている物体の速度を変化させる原因となる作用。 巨視的な力としては, 物体表面に働く圧力や物体内部に生ずる応力などのほか, 力の場を形成する重力と電磁気力がある。 微視的には, 原子核の核子間に働く核力と, 原子核・電子間および電子相互間の電磁気力が基本的な力である。 さらに, 一般的には素粒子の相互作用のことを力とよぶこともある。
→ 素粒子の相互作用
<i>~及ばず</i>
力が足りない。
「~一敗地にまみれる」
<i>~尽・きる</i>
持っている力をすべて出し尽くし, それ以上の力が出なくなる。
「~・きて倒れる」
<i>~に余・る</i>
与えられた問題や仕事が自分の能力以上で, 処理できない。
<i>~にな・る</i>
(1)助力する。 助ける。
「困った時はいつでも~・りましょう」
(2)頼りにできる。 頼れる。
「もうあの子が~・るので楽になります」
<i>~の限り</i>
最大限の努力をするさま。 できることはすべて。 可能な限り。
<i>~山を抜き気は世(ヨ)を蓋(オオ)う</i>
〔「史記(項羽本紀)」から出た語。 項羽が垓下(ガイカ)で漢軍に包囲され, 四面楚歌(シメンソカ)の声を聞いてうたった詩の一節〕
力は山を引き抜くほど強く, 意気は世をおおい尽くすほど盛んである。 英雄の勇壮な気概をいったもの。 抜山蓋世(バツザンガイセイ)。
<i>~を合わ・せる</i>
助け合って物事をする。 協力する。 力を合わす。
<i>~を入・れる</i>
(1)力を込める。
(2)骨を折る。 努力する。
「自然環境の保護に~・れる」
(3)後援する。 ひいきにする。 肩入れする。
<i>~を得る</i>
助けを得て活気づく。 何かに励まされて力づく。
「声援に~得てがんばる」
<i>~を落と・す</i>
がっかりする。 元気をなくす。 落胆する。
「落選の通知に~・す」
<i>~を貸・す</i>
助力する。 手伝う。
<i>~を付・ける</i>
(1)実力をつける。
「この一年でだいぶ~・けてきた」
(2)力づける。
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