※一※
(1)近称の指示代名詞。 話し手にとって近い物事をさし示す言葉。 (ア)物の場合。
「~にサインして下さい」「~は私の帽子だ」(イ)事柄の場合。 「~がうまく行けば万事解決だ」「~はひどい」(ウ)時間の場合。 「~からうかがいます」「~までの事をお話ししましょう」(エ)場所の場合。 古風な言い方。 「~にてお待ち申します」「~へどうぞ」
(2)人代名詞的に自分の身内をさす, 他称の謙譲語。
「~が大変お世話になりました」「~が私の母です」
(3)話や文章の中で, 直前に取り上げられた人物や事物をさす言葉。
「そこへ一人の男が現れた。 ~がとんでもない男だった」「組織を変えようとしたが, ~は失敗に終わった」
(4)〔漢文における「是」「之」「惟」などの訓読みから生じた, 文語的な言い方〕
提示された主題について, それを改めて主語や目的語として指定する言葉。 主題を強調し, また言葉の調子を整える。
「人間は, ~本来無一物である」「思想および良心の自由は, ~を侵してはならない」
※二※
(1)一人称。 私。
「殿上人なども, なほ~一人は, などのたまふを/枕草子 92」「~は此のあたりに住居致す者でござる/狂言・二人袴」
(2)二人称。 お前。
「山のあるじ大きに驚きて, ~は何ぞの人ぞ/宇津保(俊蔭)」「~は誰(タ)そ, と問ひ給へば/今昔22」
<i>~あるかな</i>
〔漢文訓読から生じた語〕
これこのとおり。 なるほどなあ。
<i>~幸いと</i>
偶然, あることをするのに都合のよい状況になったことをいう語。
<i>~ぞこの</i>
これがすなわち。 これが例の。
「大方は月をもめでじ~つもれば人の老いとなるもの/古今(雑上)」
<i>~と言う</i>
とりたてて言う。 多く下に打ち消しの語を伴い, 「たいしたことはない」の意を表す。
「~変わったことはなかった」
<i>~と言って</i>
(下に打ち消しの語を伴って)とりたてて。 特に。 これと言った。
「~話すこともない」
<i>~に懲(コ)りよ道才棒(ドウサイボウ)</i>
「これにこりて二度と繰り返すな」の意を調子よくいうもの。 近世のいろはガルタの文句。
〔道才棒は当て字。 「どう」はののしりの意の接頭語。 → 撮棒〕
<i>~やこの</i>
これがまあ, あの。 なんとこれが例の。
「~名に負ふ鳴門の渦潮に/万葉 3638」
<i>~を以(モツ)て</i>
「これで」の意の改まった言い方。
「~閉会といたします」
<i>~を要するに</i>
要するに。 要約すれば。 つまり。
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