※一※ (動ラ五[四])
※一※《知》
(1)それについての知識を有する。 わきまえる。
「~・らない土地で~・った人に会う」
(2)その存在を認めている。 認識する。
「事件の発生を~・る」「昔から~・っていたことだ」
(3)その内容・意味などを理解する。 悟る。
「一を聞いて十を~・る」
(4)体験して覚える。
「雪を~・らない」「柔道を~・っている」
(5)忘れずに覚えている。 記憶する。
「戦前の東京を~・っている人」
(6)それと感知する。 気がつく。 わかる。
「来ると~・っていたら, 家で待っていたのに」
(7)かかわりあいをもつ。 関知する。
「そんなことは私の~・ったことでない」
(8)人を世話する。 特に妻・愛人などとして世話をする。
「御位のまさるままにも万を~・り給ひ/落窪 4」
※二※《領》
(1)主人として支配する。 治める。
「汝が御子やつひに~・らむと雁は卵生(コム)らし/古事記(下)」
(2)我が物として占める。 領有する。
「ならの京, 春日の里に~・るよしして, 狩にいにけり/伊勢 1」
※二※ (動ラ下二)
⇒ しれる
︱慣用︱ 推して~べし・天命を~・恥を~/親の心子知らず
知っての通り
知っている通り。 ご存じの通り。
知らざるを知らずとせよ是(コレ)知れるなり
〔論語(為政)〕
知らないことは正直に知らないとはっきりさせるのが, 真に知ることである。
知らしむべからず
⇒ 由(ヨ)らしむべし知らしむべからず(「由る」の句項目)
知らぬが仏(ホトケ)
知っているからこそ腹も立つが, 知らなければ, 仏様のようにすました顔でいられる。 見ぬが仏。 転じて, 当人だけが知らないですましているさまをあざけっていう語。
知らぬは亭主(テイシユ)ばかりなり
妻の不貞を知らないのは亭主だけである。 転じて, 当事者だけが知らずに平気でいるさまをいう語。
知らぬ仏(ホトケ)より馴染(ナジ)みの鬼
仏のようなよい人でも, よく知らない人ならば, 鬼のような人でもよく知っている人に及ばない。
知らんがために我は信ず
〔(ラテン) credo ut intelligam〕
神学者アンセルムスの言葉。 信仰が認識の前提をなすとする彼の考えを表す。
知る権利(ケンリ)
国民が公的な種々の情報について知ることができる権利。 また, 情報を保持する機関に, その提出・公開を求めることができる権利。
知る人ぞ知る
だれもが知っているというわけではないが, 一部の人にはその存在や価値が認められている。
知る者は言わず、言う者は知らず
〔老子(五六章)〕
真によく知っている人はあまり多くを語らないが, よく知らないものは, かえって口に出して言うものである。
知るや知らずや
気がついているのかいないのか。
知る由(ヨシ)もな・い
知るための手段がない。 全く知らない。
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