※一※ (名)
(1)光による視神経の刺激が脳の視覚中枢に伝えられて生ずる感覚。 色相(色あい)・明度(明るさ)・彩度(あざやかさ)の三属性によって表される。 また, 特に白や黒を除いていう場合もある。 色彩。
「海の~」「明るい~」「いい~に上がる」
(2)物の表面に表れている, そのものの状態。 (ア)顔色。 また, 表情。
「~に出る」「~をなす」「~を変えて怒る」(イ)様子。 情趣。 「~を添える」「秋の~が深まる」(ウ)(声などの)調子・響き。 「声(コワ)~」「音(ネ)~」(エ)きざし。 「あせりの~が見える」「敗戦の~が濃い」(オ)心のやさしさ。 情愛。 「心の~なく, 情おくれ/徒然 141」(カ)容姿。 姿。 「傍への~異なる人を御覧じても/太平記 18」
(3)男女の情愛に関する物事。 (ア)男女間の情事・恋愛。 「英雄~を好む」「~の道に通ずる」「~を売る」(イ)情人。 恋人。 (ウ)遊女。 (エ)遊里。
(4)特定の色彩に関するもの。 (ア)禁色(キンジキ)。
「女の~許されたるありけり/伊勢 65」(イ)白色の喪服。 「葬礼に~を着て供して見せ/浄瑠璃・博多小女郎(中)」
(5)種類。
「~とりどり」「目に見ゆる鳥けだ物, ~をもきらはず殺し食へば/宇津保(俊蔭)」
※二※ (形動ナリ)
(1)(女性の髪などが)美しく艶(ツヤ)のあるさま。
「御髪~にて/源氏(竹河)」
(2)好色なさま。
「いと~なる御心ぐせにて/大鏡(師輔)」
(3)風流なさま。
「~なる御心には, をかしくおぼしなさる/源氏(総角)」
<i>~改ま・る</i>
喪が明けて喪服を平常の衣服に着替える。
「宮の御はても過ぎぬれば, 世の中 ~・りて/源氏(乙女)」
<i>~に出(イ)・ず</i>
(1)思いが表面に表れる。 様子に出る。
「忍ぶれど~・でにけり我が恋はものや思ふと人の問ふまで/拾遺(恋一)」
(2)色づく。 色に表れる。
「鼻の~・でて, いと寒しと見えつる御おもかげ/源氏(末摘花)」
<i>~の白いは七難隠す</i>
色白の女性は多少顔立ちが悪くとも美しく見える。
<i>~は思案の外(ホカ)</i>
「恋は思案の外」に同じ。
<i>~も香(カ)もあ・る</i>
外見・内面がともに備わっている。 名実兼ね備わる。 花も実もある。
<i>~を失・う</i>
恐れ・驚きなどのため, 顔色が青ざめる。
<i>~を変・える</i>
(怒り・喜びなどで)顔色を変える。
<i>~を正・す</i>
まじめな顔つきになる。
<i>~を作・る</i>
(1)女性が男性の気を引く様子をする。 しなを作る。
(2)化粧する。 美しく装う。
<i>~を付・ける</i>
(1)商いなどで, おまけをつけたり, 値を引いたりする。
(2)事に際して融通をきかす。
<i>~を直(ナオ)・す</i>
(1)元気を取りもどす。
「~・して方々より馳せ参りける間/太平記 15」
(2)(怒っていた)顔色をやわらげる。
「おさんも~・し/浄瑠璃・天の網島(中)」
<i>~を作(ナ)・す</i>
怒りのため顔色を変える。
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