(1)口の中の物を腹の中へ入れる。 (ア)水・酒その他の飲み物を口から腹へ入れる。
「水を~・む」「ビールを~・む」「今日は一日中~・まず食わずだった」(イ)酒を飲む。 また, 酒のために金銭を消費する。 「今晩~・みに行かないか」「家屋敷を~・んでしまう」(ウ)固形物をかみくだかずに腹に入れる。 「スイカの種を~・んでしまう」「オブラートに包んで~・む」「八岐(ヤマタ)の大蛇の為に~・まれき/日本書紀(神代上訓)」(エ)薬を口から腹に入れる。 服用する。 《飲》「薬を~・む」(オ)タバコを吸う。 喫煙する。 「タバコを一日に四〇本も~・む」
(2)流れなどが, 中に取り込む。 包み込む。 受け身の形で使うことが多い。
「海岸の民家が津波に~・まれた」「闇に~・まれる」
(3)比喩的に, 門や入り口が人などを入れる。
「五万の観衆を~・んだ国立競技場」
(4)闘志や気魄(キハク)で相手を圧倒する。
「初めから相手を~・んでかかる」「会場の雰囲気に~・まれてしまう」「気を~・まれる」「勢ひ京洛を~・めり/太平記 11」
(5)出そうになるものを押しとどめる。 (ア)(「息をのむ」などの形で)驚くような場面に出くわして, 大きく息を吸ったままでいる。
「むごたらしさに思わず息を~・む」「固唾(カタズ)を~・んで見守る」(イ)(「声をのむ」の形で)びっくりして思わず声が出そうになったのをこらえる。 「その光景を見て一瞬声を~・んだ」(ウ)(「涙をのむ」「うらみをのむ」などの形で)不満・怨念(オンネン)・無念などを表面には表さない。 残念だ, 恨めしいという思いをする。 「九回裏で逆転されて無念の涙を~・んだ」「うらみを~・んで異境に散った人々」
(6)相手の要求を, 不満をもちながらも受け入れる。 受諾する。
「賃上げ要求を~・む」「条件を~・む」
(7)刃物などを隠し持つ。
「ふところに匕首(アイクチ)を~・んでいる」「どすを~・む」
(8)ごまかして自分のものにする。
「さてその跡へ乗り込んで, 糸屋の身代~・んだ上/歌舞伎・心謎解色糸」
‖可能‖ のめる
︱慣用︱ 清濁併せ~・爪の垢(アカ)を煎じて~/煮え湯を飲まされる
飲む打つ買う
大酒を飲み, 博打(バクチ)を打ち, 女郎を買う。 男の悪行の代表的なもの。
「~の三拍子」
飲めや歌え
宴会などで, にぎやかに酒盛りをするさまにいう。
「~の大騒ぎ」
Angie Ymnk commented