〔梵 moha(愚の意)の転か。 もと僧侶の隠語。 「馬鹿」は当て字〕
※一※ (名・形動)
(1)知能の働きがにぶい・こと(さま)。 そのような人をもいう。
⇔ 利口
「~な奴(ヤツ)」
(2)道理・常識からはずれていること。 常軌を逸していること。 また, そのさま。
「そんな~な話はない」「~を言うな」
(3)程度が並はずれているさま。 度はずれているさま。
→ 馬鹿に
(4)役に立たないさま。 機能を果たさないさま。
「スイッチが~になる」
(5)特定の物事に熱中するあまり, 社会常識などに欠けること。
「学者~」「専門~」「親~」
(6)名詞・形容動詞・形容詞の上に付いて, 接頭語的に用い, 度はずれているさまの意を表す。
「~ていねい」「~正直」「~騒ぎ」「~笑い」「~でかい」
※二※ (感)
相手をののしったり, 制止したりするとき発する言葉。
「~, やめろ」
<i>~と鋏(ハサミ)は使いよう</i>
切れない鋏でも, 使い方によっては切れるように, 愚かな者でも, 仕事の与え方によっては役に立つ。
<i>~にする</i>
相手を自分よりも劣ったものとみなす。 軽視して油断する。
<i>~に付ける薬はない</i>
ばかを治す方法はない。
<i>~にならない</i>
軽くみることはできない。 いいかげんに扱うことはできない。
「交通費も~ない」
<i>~にな・る</i>
(1)本来の機能が失われる。 感覚がなくなる。
「ねじが~・る」「鼻が~・る」
(2)ばかを装ってその場を耐えたり切り抜けたりする。
(3)理性的な態度をやめる。 無邪気になる。
「~・って遊ぶ」
<i>~の一つ覚え</i>
愚か者が一つのことだけを覚え, どんな場面にも得意になって持ち出す。 何度も同じ事を言う人をあざける言葉。
<i>~も休み休み言え</i>
つまらないことを言うのはいいかげんにやめろ。
<i>~を言え</i>
「ばかなことを言うな」の意で, 相手の言ったことを強く否定し非難するときにいう語。
<i>~を見る</i>
つまらない目にあう。 不利益をこうむる。
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