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Journal japonais
あやしい牛うし
2025-01-03 16:00:04
Traduction
日光 09:01 03/01/2025
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あやしい牛うし
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昔むかし、福井ふくいは夜よるになっても大勢たいせいの人ひとが行いき交かう、とても栄さかえた町まちだった

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ところがある夜よるから、金色きんいろの二ふたつの光ひかりを持もった化かけ物ものが現あらわれ、町まちの八百屋やおやを荒あらして回まわるようになった

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怖こわがった人ひとびと々は夜よるに出歩であるかなくなり、町まちはだんだんとさびれていった
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困こまった若者わかものたちが、夜よるの八百屋やおやを見張みはっていると、化かけ物ものの正体しょうたいはどうやら牛うしである事ことが分わかった

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すると牛飼うしかいと名乗なのる不思議ふしぎな老人ろうじんが現あらわれ、怪あやしい牛うしは「どこかの看板かんばんから抜ぬけ出でた牛うしではないか」と言いう
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そこで、町まちの薬屋くすりやの木彫きぼりの牛うしの看板かんばんを確認かくにんすると、牛うしの蹄ひずめ（ひづめ）にはまだ湿しめった土つちが付ついていた
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彫ほり物ものの名人めいじんである「左甚五郎ひだりじんごろう」作さくの立派りっぱな木彫きぼりの牛うしが、夜よるな夜よるな看板かんばんから抜ぬけ出だして福井ふくいの町まちを荒あらしまわっていたのだった

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牛飼うしかいの老人ろうじんが、看板かんばんの牛うしの両目りょうめと前足まえあしにノミで傷きずを入いれると、二度にどと町中まちなかに怪あやしい牛うしが出没しゅつぼつする事ことも無むくなった
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それ以来いらい、福井ふくいの町まちは再ふたたびにぎわいを取とり戻もどした

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その後ごしばらくして、八幡神社やはたじんじゃの境内けいだいに小ちいさなお堂どうが建たてられ、この牛うしの看板かんばんを大切たいせつに奉たてまつった
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