神戸こうべ 児童じどう連続れんぞく殺傷さっしょう事件じけん25年ねん 山下やました彩花あやかさん遺族いぞく “区切くぎりない”

大おおきく育そだった桜さくらのそばには「ずっとそばにいるよ姿すがたは見みえなくても」ということばが記しるされたプレートがあります。

5年ねん前まえに病気びょうきで亡なくなった母親ははおやの京子きょうこさんが、彩花あやかさんの気持きもちを想像そうぞうしたことばです。

山下やましたさんは「山下やました彩花あやかという女の子おんなのこが元気げんきに生いきていたことを忘わすれないでという思おもいが込こめられています。妻つまは、彩花あやかと一緒いっしょに桜さくらから見守みまもってくれているんじゃないかな」と述のべました。

事件じけんからの月日つきひについては「長ながく重おもい25年ねんでした。重おもい十字架じゅうじかを背負せおってきた気持きもちで、これからも同おなじだと思おもいます。遺族いぞくに区切くぎりはありません」と振り返ふりかえりました。

山下やましたさんは、地域ちいきの少年しょうねん野球やきゅうのコーチを務つとめていて、今いまの子こどもたちとも交流こうりゅうがあるということで「彩花あやかが喜よろこんでくれると思おもって、これからも自分じぶんのできることを自分じぶんなりのペースで頑張がんばって生いきていきたいです」と語かたりました。

最愛さいあいの娘むすめ彩花あやかが10歳さいでこの世このよを去さって25年ねん。

彩花あやかが生いきた時間じかんの倍ばいの歳月さいげつが流ながれようとも彩花あやかの存在そんざいが薄うすれることはなく、私わたしたちの心こころにしっかりと根ねを下おろしています。

事件じけん後ご、想像そうぞうを絶ぜっする絶望ぜつぼう感かんに陥おちいりながらも、歩あゆみ続つづけることができたのは、妻つま京子きょうこの存在そんざいが大おおきかったのですが、闘病とうびょうの末すえ、5年ねん前まえに亡なくなってからは、周囲しゅういの皆様みなさまからたくさん支ささえていただき、ここまで歩あゆんでくることができました。

妻つま・京子きょうこが事件じけんから丸まる20年ねんの時ときに綴つづった手記しゅきの言葉ことばは、今いまも私わたしの胸むねに刻きざまれております。

私わたしたち家族かぞくが20年ねんをかけて学まなんだのは、「試練しれんの中なかでこそ魂たましいが磨みがかれ、人ひとの幸しあわせを願ねがう深ふかみのある優やさしさと、倒たおれても立ち上たちあがろうとする真しんの強つよさが育はぐくまれる」ということです。

家族かぞくの絆きずなもさらに強つよくなりました。

それらは決けっしてお金おかねで買かうことができない宝物ほうもつであり、彩花あやかが命いのちをかけて教おしえてくれたことに他たなりません。

これからも、体験たいけんし学まなんだことを丁寧ていねいに社会しゃかいにお返おかえししていくことが、私わたしの役目やくめだとおもっております。

加害かがい者しゃの男性だんせいからの手紙てがみは2018年ねんからは届とどいておりませんが被害ひがい者しゃ家族かぞくに対にたいして償つぐなう気持きもち無ないのでしょうか？私わたしなりの方法ほうほうで、今後こんごも「償つぐないと謝罪しゃざい」を求もとめていきたいと思おもっております。

2022年ねん3月つき　山下やました賢治けんじ