Actualités japonaises: 国の残業の上限超える教員中学校77.1％小学校64.5％現場は

文部もんぶ科学かがく省しょうが6年ねんぶりに教員きょういんの勤務きんむ実態じったいを調査ちょうさしたところ、国くにが残業ざんぎょうの上限じょうげんとして示しめしている月つき45時間じかんを超こえるとみられる教員きょういんが、中学校ちゅうがっこうで77.1％、小学校しょうがっこうでは64.5％に上のぼることが分わかりました。

文部もんぶ科学かがく省しょうは、勤務きんむ時間じかんは減少げんしょうしたものの依然いぜん、長時間ちょうじかん勤務きんむが続つづいているとして、教員きょういんの処遇しょぐうの改善かいぜんや働はたらき方かた改革かいかくを進すすめることにしています。

働はたらく時間じかん減少げんしょうも依然いぜんとして長時間ちょうじかん勤務きんむ

この調査ちょうさは、文部もんぶ科学かがく省しょうが昨年度さくねんど、小中こなか学校がっこうの教員きょういんおよそ3万まん5000人にんを対象たいしょうに6年ねんぶりに行いったもので、28日にち、速報そくほう値ちを公表こうひょうしました。

10月つきと11月つきのそれぞれ1週間しゅうかんについて、

学校がっこうでの勤務きんむ時間じかんを調しらべたところ、

一いち日にち当あたりの平均へいきんは

平日へいじつで、

▽中学校ちゅうがっこうでは11時間じかん1分ふん、

▽小学校しょうがっこうでは10時間じかん45分ふんと

前回ぜんかいに比くらべていずれも30分ふん程度ていど減へりました。

土日どにちは、

▽中学校ちゅうがっこうは2時間じかん18分ふんと前回ぜんかいより1時間じかん余あまり減少げんしょうし、

▽小学校しょうがっこうでは36分ふんで、30分ふん余あまり減少げんしょうしました。

一方いっぽう、国くにが残業ざんぎょうの上限じょうげんとして示しめしている月つき45時間じかんを超こえるとみられる教員きょういんが、中学校ちゅうがっこうの77.1％、小学校しょうがっこうの64.5％に上のぼることが分わかりました。

また、今回こんかい行おこなわれた調査ちょうさで「過労かろう死しライン」と言いわれる

月つき80時間じかんの残業ざんぎょうに相当そうとうする可能かのう性せいがある教員きょういんは、

▽中学校ちゅうがっこうで36.6％、

▽小学校しょうがっこうで14.2％でした。

6年ねん前まえの前回ぜんかいは

▽中学校ちゅうがっこうで57.7％、

▽小学校しょうがっこうで33.4％でした。

文部もんぶ科学かがく省しょうは、ICTを活用かつようした負担ふたん軽減けいげん策さくやコロナ禍かでの学校がっこう行事ぎょうじの縮小しゅくしょうなどで勤務きんむ時間じかんは減少げんしょうしたものの、依然いぜんとして長時間ちょうじかん勤務きんむが課題かだいだとしています。

このため、今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかを分析ぶんせきし、教員きょういんの月給げっきゅうの4％を上乗うわのせする代かわりに、残業ざんぎょう代だいを出ださないことを定さだめた「給きゅう特とく法ほう」の見直みなおしや、働はたらき方かた改革かいかくなどについて検討けんとうを進すすめていくとしています。

文部もんぶ科学かがく省しょうの村尾むらお崇たかし財務ざいむ課長かちょうは、「働はたらき方かた改革かいかくの一定いっていの進捗しんちょく（しんちょく）は見みられたと思おもうが、依然いぜんとして長時間ちょうじかん勤務きんむの教職きょうしょく員いんが多おおいということも改あらためて浮き彫うきぼりになった。教員きょういん定数ていすうの改善かいぜんや支援しえんスタッフの充実じゅうじつなどについても議論ぎろんを進すすめたい」と話はなしていました。

永岡ながおか文科ぶんか相しょう「結果けっかを重おもく受け止うけとめている」

永岡ながおか文部もんぶ科学かがく大臣だいじんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、「依然いぜんとして長時間ちょうじかん勤務きんむの教師きょうしが多おおいという結果けっかを重おもく受け止うけとめている。働はたらき方かた改革かいかくは何なにか1つやれば解決かいけつできるといったものではない。国くにと学校がっこう、教育きょういく委員いいん会かいが連携れんけいして、教師きょうしでなければできないことに全力ぜんりょく投球とうきゅうができるよう環境かんきょうを整備せいびすることが重要じゅうようだ」と述のべました。

そのうえで、「給与きゅうよをはじめ、教職きょうしょく員いんの定数ていすうや支援しえんスタッフ、勤務きんむ制度せいど、校こう務つとむの効率こうりつ化かの在り方ありかたなど、さまざまな論点ろんてんが総合そうごう的てき、複合ふくごう的てきにかかわる課題かだいだ。スピード感かんを持もって検討けんとうを進すすめ、教育きょういくの質しつの向上こうじょうに向むけて、働はたらき方かた改革かいかくや処遇しょぐうの改善かいぜん、運営うんえい体制たいせいの充実じゅうじつなどを一体いったい的てきに進すすめていく」と述のべました。

調査ちょうさ結果けっかの詳細しょうさいは…

今回こんかいの調査ちょうさで明あきらかになった教員きょういんの働はたらき方かたの詳細しょうさいです。

”持ち帰もちかえり残業ざんぎょう”は？平日へいじつは増加ぞうかも土日どにちは減少げんしょう

勤務きんむ時間じかん外がいに自宅じたくなどで仕事しごとを行おこなう「持ち帰もちかえり残業ざんぎょう」については、平日へいじつで、中学校ちゅうがっこうでは32分ふんで前回ぜんかいより12分ふん、小学校しょうがっこうでは37分ふんと6年ねん前まえの前回ぜんかいより8分ふん長ながくなりました。

一方いっぽう、土日どにちでは、前回ぜんかいは小中こなか学校がっこうともに1時間じかんを超こえていましたが、今回こんかいは中学校ちゅうがっこうが49分ふん、小学校しょうがっこうでは36分ふんとなり、いずれも減少げんしょうしました。

コロナ影響えいきょうで ”朝あさの業務ぎょうむ”増ぞう ”学校がっこう行事ぎょうじ”減げん

教員きょういんの勤務きんむ時間じかんを業務ぎょうむごとに分析ぶんせきすると、前回ぜんかいからの増減ぞうげんが見みられました。

増ふえたのは「朝あさの業務ぎょうむ」で、小中こなか学校がっこうともに6分ふんから7分ふん増ふえ、40分ふん余あまりとなりました。

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、健康けんこう観察かんさつが行おこなわれたことなどが影響えいきょうしたということです。

また「授業じゅぎょう」は、中学校ちゅうがっこうが3時間じかん16分ふん、小学校しょうがっこうが4時間じかん13分ふんと7分ふんから11分ふん増ふえました。

一方いっぽう、減へったのは「学校がっこう行事ぎょうじ」で、こちらも新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、平日へいじつ・土日どにちともに小中しょうちゅう学校がっこうで減少げんしょうしたほか、土日どにちの「部ぶ活動かつどう」は中学校ちゅうがっこうで40分ふん減少げんしょうしました。

部ぶ活動かつどうの活動かつどう日数にっすうは減少げんしょう

教員きょういんの長時間ちょうじかん勤務きんむにも関係かんけいする「部ぶ活動かつどう」について、

中学校ちゅうがっこうで顧問こもんを担当たんとうしている教諭きょうゆに

1週間しゅうかんに平均へいきんで何なん日にち活動かつどうをしているか尋たずねたところ、

▽5日にちが最もっとも多おおく56.1％、

▽4日にちが19.5％、

▽6日にちが6.4％でした。

前回ぜんかいの調査ちょうさでは、

▽6日にちが最もっとも多おおく49.2％、

▽5日にちが19.4％、

▽7日にちが15.1％で、

教員きょういんの働はたらき方かた改革かいかくと関連かんれんした部ぶ活動かつどうの見直みなおしが進すすむ中なか、

活動かつどうの日数にっすうが減へっていることが分わかりました。

部ぶ活動かつどうをめぐっては、2018年ねんにスポーツ庁ちょうが、ガイドラインを策定さくていし、学期がっき中ちゅうは、週しゅうに2日にち以上いじょう休やすむことなどが盛り込もりこまれます。

”教師きょうしのやりがい”初はじめての意識いしき調査ちょうさ

今回こんかいの調査ちょうさでは、教員きょういんの業務ぎょうむごとに「やりがい」を感かんじるか、「負担ふたん」を感かんじるかなどの意識いしき調査ちょうさを初はじめて行おこないました。

小中こなか学校がっこうともに「授業じゅぎょう」や「授業じゅぎょう準備じゅんび」、「生徒せいと指導しどう」についてやりがいがある、または重要じゅうようだと感かんじているという回答かいとうが多おおく見みられました。

一方いっぽうで、「調査ちょうさへの回答かいとうに関にかんする事務じむ」や「地域ちいき対応たいおう」などについては負担ふたんを強つよく感かんじていることが分わかりました。

最もっとも長時間ちょうじかん労働ろうどうは「副ふく校長こうちょうと教頭きょうとう」

今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかで、職種しょくしゅ別べつで見みて校内こうないでの勤務きんむ時間じかんが最もっとも長ながかったのが「副ふく校長こうちょうと教頭きょうとう」で、平日へいじつは一いち日にち当あたり小中しょうちゅういずれも11時間じかん40分ふん余あまりに上のぼりました。

教頭きょうとうを務つとめる1人にんは、「自分じぶんでないとできない業務ぎょうむが多おおすぎる」などと話はなしています。

山梨やまなし県けんにある甲州こうしゅう市立しりつ塩しお山南さんなん小学校しょうがっこうの山縣やまがた重人しげと教頭きょうとうの一いち日にちを取材しゅざいしました。

朝あさ7時じ10分ふんに出勤しゅっきんすると、全すべての教室きょうしつの窓まどを開あけて回まわり、保護ほご者しゃとともに遅おくれて登校とうこうしてきた子こどもへの対応たいおうにあたっていました。

山縣やまがた教頭きょうとうは、保護ほご者しゃの対応たいおうや一部いちぶのお金おかねの管理かんりも担になっているため、学校がっこうの安全あんぜん対策たいさくについての保護ほご者しゃ向むけの資料しりょうの作成さくせい、銀行ぎんこうに行いっての学校がっこうの預金よきんの引き出ひきだし、郵便ゆうびん物ぶつの発送はっそうなどさまざまな業務ぎょうむに対応たいおうしていました。

急きゅうな事案じあんも、教頭きょうとうが対応たいおうすることが多おおく、校庭こうていに落おちていたサッカーボールの持ち主もちぬしを探さがし歩あるく一幕ひとまくもありました。

また現場げんばの教員きょういんたちに少すこしでも余裕よゆうを持もたせようと、山縣やまがた教頭きょうとうも週しゅうに3時間じかん、授業じゅぎょうを受け持うけもっていて、この日ひは4年生ねんせいに理科りかを教おしえていました。

午後ごごは車くるまで市しの施設しせつに移動いどうし、新聞しんぶん紙しや段ボールだんぼ-るなどの回収かいしゅうへの協力きょうりょくを呼よびかけるチラシを市しの広報こうほう誌しに折り込おりこむ作業さぎょうに1時間じかんほど励はげみました。

回収かいしゅうで得えた収益しゅうえきが、学校がっこうの備品びひんの購入こうにゅうなどに充あてられるため参加さんかしたといいます。

学校がっこうに戻もどった後のちも事務じむ作業さぎょうに追おわれ、この日ひ、退勤たいきんしたのは午後ごご8時半じはんでした。

山縣やまがた教頭きょうとうは昨年度さくねんど、残業ざんぎょう時間じかんが月つき80時間じかんを超こえた月つきは5か月かげつに上のぼるといいます。

山縣やまがた教頭きょうとうは「外部がいぶとの対応たいおうなど自分じぶんの立場たちばでないとできない業務ぎょうむが多おおいと感かんじます。ほかの先生せんせい方かたもいっぱいいっぱいで、早はやく帰かえってもらいたいため、子こどもに関かかわる仕事しごと以外いがいの余計よけいな業務ぎょうむを振ふるわけにもいきません。自分じぶんの勤務きんむ時間じかんを減へらすのは難むずかしいと思おもいます」と話はなしていました。

教員きょういんの働はたらき方かたに詳くわしい立教りっきょう大学だいがくの中原なかはら淳あつし教授きょうじゅは「民間みんかん企業きぎょうでも、社員しゃいんの勤務きんむ時間じかんを減へらそうとすると中間ちゅうかん管理かんり職しょくにしわ寄しわよせが来くることが多おおい。教頭きょうとうや副ふく校長こうちょうは学校がっこうごとに1人にんしかいないことが多おおいため、サポートする支援しえん員いんを付つけるなどの対策たいさくも必要ひつようだ。教頭きょうとうの疲弊ひへいする姿すがたを見みている教員きょういんたちは昇進しょうしんを避さけるようになり、このままではなり手なりてがいなくなってしまう」と話はなしていました。

ICT活用かつようで業務ぎょうむを効率こうりつ化かするも“限界げんかい”

教員きょういんたちからは、現場げんばの努力どりょくや工夫くふうでこれ以上いじょう、勤務きんむ時間じかんを短みじかくするのは限界げんかいだという声こえも出でています。

山梨やまなし県けんの甲州こうしゅう市立しりつ塩しお山南さんなん小学校しょうがっこうで5年生ねんせいの担任たんにんを務つとめる池田いけだ理恵子りえこ教諭きょうゆは、上司じょうしや同僚どうりょうとともにICTを活用かつようして業務ぎょうむの効率こうりつ化かに努つとめてきたといいます。

これまでは、翌日よくじつに準備じゅんびするものを黒板こくばんに書かいて連絡れんらく帳ちょうに書き写かきうつさせていましたが、今いまは子こどもたちが持もつパソコンに送信そうしんすることで、その手間てまを省略しょうりゃくしました。

また、週しゅうに2日にちは子こどもがパソコンの自動じどう採点さいてんで解とき進すすめられる宿題しゅくだいを出だすことで、最大さいだいで一いち日にち20分ふんかかっていた丸まる付づけの時間じかんを削減さくげんしました。

さらに、研究けんきゅう主任しゅにんとして周まわりの教員きょういんたちの授業じゅぎょうの準備じゅんびにかかる時間じかんを減へらそうと、甲州こうしゅう市し教育きょういく委員いいん会かいが整備せいびした市内しないの教員きょういんたちが作成さくせいした教材きょうざいをウェブで共有きょうゆうできるシステムを活用かつようするよう若手わかてを中心ちゅうしんに促うながしています。

こうした努力どりょくや工夫くふうを重かさねても、近年きんねんは子こどもたちのパソコンを活用かつようした授業じゅぎょうづくりを教員きょういんたちに浸透しんとうさせるために、月つきに2回かいほど資料しりょうを作成さくせいして研修けんしゅう会かいを開ひらいているほか、英語えいごやプログラミング教育きょういくといった新あらたに増ふえた授業じゅぎょうの教材きょうざい研究けんきゅうなどにかける時間じかんも増ふえているということです。

昨年度さくねんどは8か月かげつにわたり、月つき当あたりの残業ざんぎょう時間じかんが70時間じかんを超こえたということです。

取材しゅざいした4月つきの平日へいじつも学校がっこうを出でたのは午後ごご9時じ過すぎで、勤務きんむ時間じかんを減へらすことに難むずかしさを感かんじているということです。

池田いけだ教諭きょうゆは「年々ねんねんやるべきことが増ふえていて、授業じゅぎょうの準備じゅんびを始はじめるのが午後ごご7時じからという時ときもあります。放課ほうか後ごに、同僚どうりょうとお菓子おかしを食たべながら指導しどう法ほうを議論ぎろんしていた10数すう年ねん前まえの職員しょくいん室しつが懐なつかしいです。自分じぶんの業務ぎょうむはこれ以上いじょう、何なにをどう減へらせばいいか分わからず、限界げんかいも感かんじています」と話はなしていました。

子こどもの保育園ほいくえん送迎そうげいのため“持ち帰もちかえり残業ざんぎょう”の教員きょういんも

家いえに持ち帰もちかえって残業ざんぎょうする時間じかんが増ふえ、授業じゅぎょうの内容ないようや子こどもたちとのコミュニケーションに影響えいきょうが出でていないか不安ふあんがあるという教員きょういんもいます。

山梨やまなし県けんの甲州こうしゅう市立しりつ塩しお山南さんなん小学校しょうがっこうで2年生ねんせいのクラスを受け持うけもつ古屋こや卓たく教諭きょうゆ（33）は、1歳さいと3歳さいの子こどもを保育ほいく園えんに送り迎おくりむかえするため、学校がっこうで働はたらく時間じかんを9時間じかんほどに抑おさえていて、休憩きゅうけいを惜おしんで仕事しごとに励はげんでいます。

30分間ふんかんの休やすみ時間じかんでは、最初さいしょは子こどもたちと校庭こうていで過すごしていましたが、途中とちゅうで職員しょくいん室しつへ向むかい、子こどもが割わってしまったパソコンの画面がめんの修理しゅうりについて、教育きょういく委員いいん会かいに電話でんわで問い合といあわせていました。

給食きゅうしょくは5分ふんほどで平たいらげ、まだ子こどもたちが食たべ続つづける中なか、宿題しゅくだいの丸まる付づけや連絡れんらく帳ちょうのチェックに追おわれていました。

放課ほうか後ごに同おなじ学年がくねんの担任たんにん教諭きょうゆとの打ち合うちあわせなどを行おこない、午後ごご5時じに仕事しごとを切り上きりあげて3歳さいの長女ちょうじょを迎むかえるため保育ほいく園えんに行いきました。

前日ぜんじつに1歳さいの長男ちょうなんが体調たいちょうを崩くずして妻つまと共とともに入院にゅういんしたため、この日ひは、夕食ゆうしょくや洗濯せんたくなどすべて1人にんで家事かじをこなしていました。

子こどもが寝付ねついた午後ごご9時じごろ、ようやく明日あしたの授業じゅぎょうの準備じゅんびに取とりかかり、指導しどう書しょを参考さんこうにしながら黒板こくばんに書かく内容ないようを確認かくにんしていました。

古屋こや教諭きょうゆは「男性だんせいの私わたしでも家庭かていの事情じじょうで当たり前あたりまえに帰かえることが許ゆるされ、子育こそだて世代せだいへの理解りかいが高たかまっていると感かんじます」と同僚どうりょうや上司じょうしの配慮はいりょに感謝かんしゃしていました。

その一方いっぽうで、「担任たんにんとしての業務ぎょうむが減へるわけではないので、日にち中ちゅうは学校がっこうでしかできない校こう務つとむに集中しゅうちゅうし、持ち帰もちかえることができるものはすべて家かでやるパターンが当たり前あたりまえになっています。授業じゅぎょうの準備じゅんびが足たりているか、児童じどうのふとした変化へんかに気きづけているかなど、不安ふあんになることもあります」と話はなしていました。

専門せんもん家か「国くにが法律ほうりつや仕組しくみ整ととのえることが大事だいじ」

今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかについて、教員きょういんの働はたらき方かたに詳くわしい立教りっきょう大学だいがくの中原なかはら淳あつし教授きょうじゅは「教員きょういんの勤務きんむ時間じかんの長ながさはまだまだ異常いじょうで、現場げんばでできる取り組とりくみは限界げんかいに来きていると強つよく思おもう。ここから先さきは、国くにが法律ほうりつや仕組しくみを整ととのえることが大事だいじだ」と話はなしています。

中原なかはら教授きょうじゅは国くにに期待きたいすることとして、給きゅう特とく法ほうの廃止はいしも含ふくめた見直みなおしや教員きょういん定数ていすうの増員ぞういん、業務ぎょうむのIT化かを挙あげていて、「抜本ばっぽん的てきな改善かいぜんを行おこなわないかぎり、長時間ちょうじかん労働ろうどうの問題もんだいは解決かいけつしない」と指摘してきしています。

今後こんごについて、「コロナ禍かで止とめていたイベントの復活ふっかつなど、保護ほご者しゃからの要望ようぼうが増ふえる可能かのう性せいがあるが、教員きょういんはそこで働はたらき方かたの問題もんだいを言い出いいだしにくい。このため、再ふたたび勤務きんむ時間じかんが増ふえる“リバウンド”が起おきることが怖こわい。また、長時間ちょうじかん労働ろうどうの職場しょくばに喜よろこんで入はいる若者わかものは少すくないため、教員きょういん不足ふそくの問題もんだいなどの困難こんなんが生しょうじてきている」と指摘してきしています。