その後も体に感じる地震が続き、21日が103回、22日は69回、23日も午後6時までに20回観測され、震度1以上の揺れを観測した地震は192回に上っています。
被災地では、21日の地震以降、初めての雨が降り、被災した人たちは壊れた屋根にブルーシートをかけて土のうで固定するなど対応に追われました。24日は晴れ間が広がるものの、風が強まる見込みで、地元の気象台は住宅を補修したシートが飛ばされないよう注意を呼びかけています。
気象庁は、今後も1週間程度は、最大で震度6弱程度の地震が起きるおそれがあるとして、揺れが強かった地域では、危険な場所に立ち入らないなど、十分注意するよう呼びかけています。
避難所では炊き出し
21日に震度6弱の揺れを観測した鳥取県倉吉市の避難所で、避難している人たちに温かい夕食を楽しんでもらおうと炊き出しが行われ、特産の牛肉を使ったステーキ丼やきのこ汁などが提供されました。
鳥取県では、地震から3日目の夜を迎えた今も、およそ600人が避難所での生活を送っています。このうち、およそ50人が避難している倉吉市国分寺の社小学校では、23日午後6時から、鳥取市で飲食店を営む会社が用意した、特産の牛肉を使ったステーキ丼やきのこ汁など100食分が提供されました。
23日の倉吉市は時折、雨が降るなど陽が落ちると肌寒く感じる1日となり、避難所の周辺では、焼きたてのステーキなどを味わう家族や、息を吹きかけながらほおばる子どもたちの姿がみられました。小学6年生の女の子は、「久しぶりに温かいお肉を食べることができました。とてもおいしかったです」と話していました。
福祉避難所も設置
多くの住民が避難生活を送っている鳥取県倉吉市で、小さな子どもがいる母親や高齢者に対応した福祉避難所が開設されました。
震度6弱の激しい揺れを観測した倉吉市は、小さな子どもがいる母親や介護が必要な高齢者に、できるだけ快適な環境で避難生活を送ってもらおうと、福祉避難所を1か所ずつ開設しました。
倉吉市関金町に設けられた高齢者用の福祉避難所は、市の福祉施設の中にあり、電動ベッドや障害者用のトイレなどが完備されています。高齢者だけでなく、体に障害がある人も利用できるということです。
一方、「子育て総合支援センター」に設けられた福祉避難所には、空気清浄機が設置された部屋や柔らかいマットが敷かれた部屋があり、妊娠中の女性や小さな子どもがいる母親などが利用できます。倉吉市は、スペースに限りがあるため、利用したい場合は市の福祉課に相談してほしいとしています。倉吉市保健センターの大羽みゆき主任保健師は、「安心して避難生活を送ってもらえるように、できるかぎり対応したい」と話していました。
国の文化財の銭湯 再開の見通し立たず
明治時代から営業を続け、地元の人に親しまれてきた鳥取県倉吉市の銭湯が地震で被害を受け、営業再開の見通しが立たなくなっています。
倉吉市の中心部にある「大社湯」は、明治40年ごろに建てられた木造2階建ての銭湯で、当時の公衆浴場の特徴をほぼそのまま残し、国の登録有形文化財になってます。今回の地震で、男湯と女湯の一面に貼られていたタイルが合わせて50枚ほど剥がれ落ちてしまい、休業せざるをえなくなりました。ほかにも落ちそうなタイルがありますが、修理を依頼した業者が地震で被害を受けた住宅の屋根の修理に
追われているため、営業再開の見通しが立たないということです。
大社湯の牧田智子さんは、「営業を再開してほしいという声もありますが、79歳になる自分の年齢の問題もあり、銭湯を存続させられるか不安です。家族に相談して今後のことを考えたいです」と、涙をこらえながら話していました。
支援物資のシートで屋根を覆う作業
21日の地震で震度6弱の揺れを観測した鳥取県倉吉市では、支援物資として届いた青いシートの配布が始まり、受け取った住民が壊れた屋根を覆う作業に追われていました。
倉吉市葵町では、住民や屋根の修理業者などが住宅の屋根に上って、はがれかけた瓦を片づけ、雨漏りなどがしないよう屋根をシートでしっかりと覆う作業を行っていました。
修復を依頼した田中和子さん(75)は、「けさ、市役所でシートを受け取りました。今後、雨が降ると言われているので、早く屋根を覆いたいのですが、高齢の夫が屋根に上るのは危ないため、業者に依頼しました。壁にも亀裂が入っているので、家で過ごすのは不安です」と話していました。
崩れた石垣にもシート
鳥取県倉吉市では、斜面に沿って建てられた住宅で石垣が崩れる被害が相次ぎ、住民がシートで覆う対策を進めています。
倉吉市鴨河内地区では、斜面に沿って建てられた住宅で石垣が崩れたり、隙間ができたりする被害が相次ぎました。内田英子さん(69)の住宅では、石垣が幅4メートル高さ2メートル余りにわたって崩れ、一部が別の住宅の壁に当たりました。
23日の倉吉市内は断続的に雨が降り、内田さんは石垣がさらに崩れないようにシートで覆う対策を進めていました。また、鳥取県の担当者が調査に訪れ、崩れた石垣の幅を測ったり、写真を撮ったりしていました。鳥取県は、崩れた石垣で住宅に被害が出るおそれれがある人には、避難所に避難するよう呼びかけています。
内田さんは「石垣が崩れるとは思っていなかったので驚きました。これ以上、崩れないか心配です」と話していました。