安倍総理大臣は、
衆議院本会議で
行われた
2日目の
代表質問で、
共謀罪の
構成要件を
厳しくして、テロ
等準備罪を
新設する
法案について、
東京オリンピック・パラリンピックを
控え、テロ
対策は
喫緊の
課題だとして、
法整備への
国民の
理解が
得られるように
努めていく
考えを
強調しました。
公明党の
井上幹事長は、
働き
方改革をめぐり、「
長時間労働の
是正にあたって、
罰則付きの
時間外労働の
限度を
定める
法改正を
急ぐとともに、
退社から
出社まで
一定時間をあける『
勤務間インターバル』の
導入や、
同一労働同一賃金を
実現すべきだ」と
指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「時間外労働の限度は何時間なのか具体的に定め、罰則つきの時間外労働の限度を定める法改正に向けて作業を加速し早期に法案を提出する。『勤務間インターバル』を導入する中小企業への助成金の創設など自主的な取り組みを推進し、制度導入の環境整備を進める」と述べました。
また、安倍総理大臣は、同一労働同一賃金の実現に向け、正社員と非正規の労働者の不合理な待遇差を是正するための法案を早期に国会に提出することを目指す考えを示しました。
共産党の志位委員長は、共謀罪の構成要件を厳しくして、テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法の改正案について、「法案のレッテルを貼りかえても、相談、計画しただけで犯罪に問える本質は変わらない。国民の思想や内心まで取り締まろうという共謀罪の法案提出は断念すべきだ」と求めました。
これに対し、安倍総理大臣は「東京オリンピック・パラリンピックの開催を3年後に控える中、テロ対策は喫緊の課題であり、国際組織犯罪防止条約の締結は、国際社会と緊密に連携するうえで必要不可欠だ」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、「犯罪の主体を、一定の犯罪を犯すことを目的とする集団に限定し、準備行為があって初めて処罰の対象にするなど、一般の方々が対象になるのがありえないことがより明確になるよう検討しているところであり、国民の理解を得られるような法整備に努めていく。これを『共謀罪』と呼ぶのは全くの誤りだ」と述べました。
日本維新の会の馬場幹事長は、「憲法改正は主権者である国民が抱えている課題の解決のために行うべきだ。教育の無償化を憲法に位置づければ、子どもたちが国の未来を背負う責任感を持ち国の発展につながる」と主張しました。
これに対し、安倍総理大臣は、「子どもたちこそ日本の未来であり、次の70年を見据えた時に教育が重要であることは論をまたない。新しい時代にどのような憲法がふさわしいのか、各党・各会派がそれぞれの意見を持ち寄り、国会の憲法審査会において議論が深められ、具体的な姿が現れていくことを期待したい」と述べました。
一方、安倍総理大臣は、「衆議院の解散・総選挙の大義を憲法改正とする『憲法改正解散』をどう考えるか」と問われたのに対し、「衆議院の解散については現在、一切考えていない」と述べました。
このほか、安倍総理大臣は、先の臨時国会で、カジノを含むIR・統合型リゾート施設の整備推進法が成立したことを受けて、「IRは、観光や地域振興、雇用創出といった効果が非常に大きいと期待される一方で、さまざまな懸念もあると認識しており、ギャンブル等依存対策も含め、さまざまな懸念事項への対策について検討を進めていく」と述べました。