デンマーク首相しゅしょうトランプ氏しと会談かいだん意向いこう グリーンランド発はつ言いうけ

アメリカのトランプ次期じき大統領だいとうりょうはデンマークの自治領じちりょうグリーンランドについて「国家こっかの安全あんぜん保障ほしょう上じょう、必要ひつようだ」と述のべるなど、アメリカが所有しょゆうすべきだと主張しゅちょうしています。

これを受うけ、デンマークのフレデリクセン首相しゅしょうは9日にち、首都しゅとコペンハーゲンの首相しゅしょう官邸かんていで与野党よやとうの党首とうしゅを集あつめた緊急きんきゅうの会合かいごうを開ひらきました。

地元じもとメディアによりますと、会合かいごうは非ひ公開こうかいで2時間じかん近ちかくに及およんだということで、首相しゅしょうはグリーンランドの買収ばいしゅうには応おうじないとする方針ほうしんなどを改あらためて説明せつめいしたものとみられています。

会合かいごうのあとフレデリクセン首相しゅしょうは報道陣ほうどうじんに、トランプ氏しに去年きょねんから会談かいだんを申し入もうしいれていることを明あきらかにした上うえで、1月つき20日にちの大統領だいとうりょう就任しゅうにん後ごに実現じつげんさせたいとし、「いい対話たいわができると信しんじている」と述のべました。

一方いっぽう、グリーンランドの独立どくりつを目指めざすとしている自治じち政府せいふのエーエデ首相しゅしょうはコペンハーゲン市内しないで開ひらかれたグリーンランド出身しゅっしん者しゃの集あつまりに出席しゅっせきし、「グリーンランドが世界せかいの注目ちゅうもくの的まととなる年としを迎むかえようとしている。新あらたな未来みらいに備そなえるため、団結だんけつしなければならない」と呼よびかけました。

ロシア 報道ほうどう官かん「北極ほっきょく圏けんは国益こくえきの一部いちぶ」

一方いっぽう、ロシア大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは9日にち、「北極ほっきょく圏けんはわれわれの国益こくえきの一部いちぶだ。ロシアは北極ほっきょく圏けんにも位置いちし、今後こんごもそこにあり続つづけるだろう」と述のべ、グリーンランドが位置いちする北極ほっきょく圏けんはロシアの国益こくえきの観点かんてんから重要じゅうようだと指摘してきしました。

その上うえで「幸さいわいにして、まだ声明せいめいの段階だんかいでしかないが、われわれは、この劇的げきてきな事態じたいの進展しんてんを注意深ちゅういぶかく見守みまもっている」と述のべ、今後こんごの推移すいいを注視ちゅうししていく考かんがえを示しめしました。

伊いメローニ首相しゅしょう「強制きょうせい的てきに併合へいごうの可能かのう性せいない」

グリーンランドや中米ちゅうべいのパナマ運河うんがをめぐるアメリカのトランプ次期じき大統領だいとうりょうの発言はつげんについてイタリアのメローニ首相しゅしょうは9日にち、記者きしゃ会見かいけんで「アメリカが今後こんご数すう年ねん以内いないに自国じこくの関心かんしんのある領土りょうどを強制きょうせい的てきに併合へいごうする可能かのう性せいはないだろう」と述のべ、アメリカが具体ぐたい的てきな措置そちに出でることはないという考かんがえを述のべました。

その上うえで「トランプ氏しの発言はつげんはむしろ、他たの大国たいこくに向むけたメッセージだろう。グリーンランドやパナマ運河うんがは近年きんねん、中国ちゅうごくの存在そんざい感かんが高たかまっている場所ばしょだ」と述のべ、トランプ氏しの一連いちれんの発言はつげんは、中国ちゅうごくなどをけん制けんせいするねらいがあるという見方みかたを示しめしました。

メローニ首相しゅしょうは今月こんげつ4日にちにトランプ氏しの南部なんぶフロリダ州しゅうの自宅じたくを訪おとずれて会談かいだんを行おこなったほか、20日にちに行おこなわれる大統領だいとうりょう就任しゅうにん式しきにも参加さんかを検討けんとうしていて、関係かんけいの強化きょうかを図はかっています。

また、トランプ氏しに近ちかい実業じつぎょう家かのイーロン・マスク氏しとも親したしく、トランプ次期じき政権せいけんとヨーロッパの橋渡はしわたし役やくになるのではないかとも伝つたえられています。