ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、SNSへの投稿で、ウクライナ軍が越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州で北朝鮮の兵士2人を捕虜にしたと明らかにしました。
2人はけがをしているものの、必要な治療を受けていて、首都キーウへ移送されたあと、ウクライナ保安庁の取り調べを受けているとしています。
保安庁は2人の映像とともに、取り調べの内容を一部公表しました。
それによりますと、1人は1999年生まれ、もう1人は2005年生まれで、このうち1人はウクライナ軍との戦闘ではなく、訓練に参加するつもりだったと話しているということです。
また、2人のうち1人は、別の人物の名前が記載されたロシア軍の本人確認の証明書を持っていたということです。
保安庁が捕虜にした北朝鮮兵の取り調べの内容を公表するのは初めてで、「北朝鮮がロシアとともにウクライナ侵攻に参加していることを示す議論の余地のない証拠だ」として厳しく非難しています。
ウクライナ側は、ロシアのクルスク州には北朝鮮の兵士およそ1万1000人が派遣されロシア軍とともに戦闘に参加し、これまでに4000人が死傷したと主張しています。
ウクライナとしては、ロシアが戦争を拡大させている揺るぎない証拠だとして、国際社会に対し、断固とした対応をとるよう求めるものとみられます。