阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさい30年ねん 経験けいけん者しゃの6割わり余あまりが“記憶きおくや教訓きょうくんが風化ふうか”

NHKは、震災しんさいから30年ねんとなるのに合あわせて、被害ひがいが大おおきかった神戸こうべ市しや西宮にしのみや市しなど兵庫ひょうご県内けんないの12の市しに住すむ人ひとを対象たいしょうにインターネットでアンケートを行おこない、2038人にんから回答かいとうを得えました。

この中なかで、震災しんさいを経験けいけんした1269人にんに震災しんさいの記憶きおくや教訓きょうくんが風化ふうかしていると思おもうか尋たずねたところ、

「そう思おもう」が21％

「ややそう思おもう」が43％

と合あわせて6割わり余あまりに上のぼりました。

「あまりそう思おもわない」は11％

「そう思おもわない」は3％でした。

また、自分じぶんの体験たいけんを次つぎの世代せだいに伝つたえていきたいと思おもうか尋たずねた質問しつもんでは、「そう思おもう」が21％

「ややそう思おもう」が36％

と合あわせて57％にのぼりました。

一方いっぽう、震災しんさいを直接ちょくせつ経験けいけんしていない769人にんに、震災しんさいの経験けいけん者しゃから当時とうじの体験たいけんを聞きく機会きかいがあるか尋たずねた質問しつもんでは67％が「ない」と答こたえました。

自由じゆう記述きじゅつでは

▽「月日つきひがたって関心かんしんがなくなっていると感かんじていて、誰だれにどうやって伝つたえたらいいのか分わからない」とか

▽「リアルなつながりを避さける人ひとも増ふえていて、直接ちょくせつ語り合かたりあう機会きかいが減へっている」

などの声こえが寄よせられ、体験たいけんを伝つたえる機会きかいが十分じゅうぶんに確保かくほできていないことが浮き彫うきぼりになりました。

このほか、記憶きおくの継承けいしょうに有効ゆうこうだと思おもう手段しゅだんについても尋たずねたところ、10代だいと20代だいでは「学校がっこうの防災ぼうさい教育きょういく」が31％と最もっとも多おおくなり、若わかい世代せだいが防災ぼうさい教育きょういくの有効ゆうこう性せいを実感じっかんしていることがうかがえます。

防災ぼうさい心理しんり学がくが専門せんもんでアンケートを監修かんしゅうした兵庫ひょうご県立けんりつ大学だいがくの木村きむら玲れい欧おう教授きょうじゅは「新あらたな災害さいがいが起おきると過去かこの災害さいがいは忘れ去わすれさられがちになるがそれぞれの教訓きょうくんを丁寧ていねいに拾ひろい、未来みらいの防災ぼうさいへつなげていくことが重要じゅうようだ。震災しんさいの記憶きおくは気軽きがるに話はなせるものではないため、行政ぎょうせいや教育きょういく現場げんば、それにメディアなどには記憶きおくを次つぎの世代せだいにつなぐための仕組しくみ作づくりが求もとめられる」と指摘してきしています。