鹿児島県と宮崎県で計39人がけが 鹿児島で1人行方不明
NHKが九州各地の放送局を通じてまとめたところ、台風10号の接近に伴ってこれまでに▽鹿児島県で9人、▽宮崎県で30人のあわせて39人がけがをしました。
また、鹿児島市では28日夜、鹿児島港の岸壁で、小型の船に乗っていた60代の男性1人が海に転落し、行方不明になっています。
宮崎市には160件余りの被害情報寄せられる
宮崎市によりますと、28日昼ごろから29日午前6時過ぎまでに台風10号に伴う被害の情報が160件余り寄せられているということです。
内訳は▽住宅の被害が69件、▽事務所や倉庫などの建物被害が35件、▽けがをするなど人的な被害が22件などとなっています。
このうち住宅被害の7割ほどが「突風で飛んできた物で窓ガラスが割れた」といった内容だということです。
また、人的被害も割れた窓ガラスによるけががほとんどを占め、程度は分からないもののいずれも命に別状はないということです。
宮崎市では引き続き情報の収集を進めています。
宮崎市 路上に物が散乱
28日夜、突風の通報が相次いだ宮崎市のJR南宮崎駅に近い地域で29日午前6時40分ごろNHKのカメラマンが撮影した映像では、窓ガラスが割れたり、外壁がはがれたりして、路上に物が散乱している様子が確認できます。
また、同じ地域で29日午前7時ごろNHKのカメラマンが撮影した映像では、風で飛ばされたとみられる数メートルの大きさの物が電柱にぶら下がっている様子が確認できます。
こちらの動画でも被害状況をお伝えしています
このほか、屋根瓦が剥がれ、道路に破片が散乱している様子も確認できます。
建物の外壁も剥がれ落ち、骨組みがむき出しになっています。
また、信号機は点灯しておらず、電線や信号機に、風で飛ばされたとみられるものがひっかかっているのがわかります。
突風被害の宮崎 恒久 室外機が倒れて壊れる
29日午前0時半ごろ、突風の被害が起きた宮崎市恒久で住民が自宅の様子を撮影した画像です。
画像には、住宅の周りに設置されていた門やフェンスが吹き飛ばされて周囲に散乱したり、エアコンの室外機が倒れて壊れたりしている様子が写っています。
また、住宅の1階にあるシャッターが大きくへこんでいる様子や、周りの電線に何かが引っかかっている様子も確認できます。
画像をSNSに投稿した20代の女性によりますと、28日夜、母親と2人で自宅のリビングにいたところ、午後10時50分ごろから急に風が強まって断続的に停電が発生し、午後11時ごろからキーという音が聞こえたあと、ドンという物音とともに突然、室内の窓ガラスが割れたということです。
女性は「家が飛ばされてしまうのではないかと思うぐらい揺れたので、命の危機だと感じました。あちこちから車のブザーの音が聞こえて本当に怖かったです」と話していました。
宮崎 城ケ崎 突風で窓が割れ天井落ちる
29日午前0時ごろ突風の被害が起きた宮崎市城ケ崎で、住民が自宅の中の様子を撮影した画像です。
7階建てのマンションの6階にある部屋で窓ガラスが割れ、破片が室内に散乱しています。
また部屋の天井が落下し、配線がぶら下がった状態になっているほか、マンションのエントランスの天井もはがれ落ち、コンクリートがむき出しになっています。
画像をSNSに投稿した30代の女性によりますと、28日夜10時50分ごろから一気に風が強まって断続的に停電し、午後11時ごろにはゴーという音が聞こえたあと、ベランダ側の窓ガラスが割れたということです。
同じマンションの住民の中にはけがをして病院に運ばれた人もいたということで、投稿した女性は現在、10代の娘とともに自宅マンションから避難しているということです。
宮崎 4人けがの突風 気象台「竜巻と推定」
28日午後2時ごろ、宮崎市佐土原町石崎で住民から突風の被害の通報が相次ぎました。
市によりますと、10代の女性が割れた窓ガラスで足を切ったほか、70代の男性の腕に飛んできた瓦が当たるなどして10代から80代の男女4人がいずれも軽いけがをしたということです。
現場では屋根瓦が飛ばされたり、窓ガラスが割れたりした住宅が相次ぎ、宮崎市の佐土原総合支所によりますと70件以上の被害の通報が寄せられ、その範囲は直線状に数キロに及んでいるということです。
宮崎地方気象台が、現地に職員を派遣して調査した結果、当時は活発な積乱雲が通過中で竜巻が発生しやすい気象条件だったうえ、被害が帯状に分布していることや「ゴーという音が移動していた」という証言があったことなどから、突風は竜巻だと推定したということです。
気象台は、今後も大気の状態が非常に不安定で竜巻が発生しやすい気象条件が続くとして、引き続き注意を呼びかけています。