尋問は、2時間半にわたって、告発文書や県庁職員へのアンケートなどに記載されていた知事のパワハラの疑いを中心に質疑が行われました。
この中で斎藤知事は、委員から「出張先で玄関の20メートルほど手前で公用車を降りて歩かされ、出迎えた職員らをどなり散らした」という記載が事実か問われたのに対し、「歩かされたことを怒ったのではなく、円滑な車の進入経路を確保していなかったことを注意した」などと説明しました。
また、「夜間、休日など時間おかまいなしの指示が矢のようにやってくる」という記載については「案件によっては遅い時間や休日に連絡したことはある。知事として報告、連絡、相談をしっかりしてほしいという思いが強かった」と述べました。
その上で、「必要な指導だと思っていたが、不快に思った人がいれば、心からおわびしたい。パワハラかどうかは私が判定するというより、百条委員会などが判定するものだ」と述べました。
さらに、告発文書を作成した元局長を懲戒処分としたことについては、「事実ではないことが多く含まれ、ひぼう中傷性の高い文書だと県として認識したので、調査をして処分した」として、適切だったという認識を重ねて示しました。
一方、30日は知事の尋問に先立って県職員ら4人の証人尋問も行われ、この中では、「知事から非常に強い調子で叱責された。社会通念上必要な指導の範囲とは思わない」などといった証言が出されました。
委員会では、来週6日にも知事に出席を求めて証人尋問を行い、出張先で贈答品を受け取った疑いになどについて質疑を行うことにしています。
【斎藤知事の発言】
「襟をただしていきたい」
斎藤知事は県庁職員へのアンケートで指摘されたみずからの言動について「想定以上に、ぽろっと言ったことがどんどん伝わっていくところがすごくあると思った。言いすぎたという面があったと思うので、ちゃんと反省して、これから襟をただしていきたい」と述べました。
「仕事は厳しくするのが私のスタイル」
斎藤知事は職員からどのような評価をされていると考えるか問われたのに対し、「厳しい上司だと思われていると思う。仕事は厳しくするというのが私のこれまでのスタイルなので職員にどう思われているかは、いろいろあると思う」と述べました。
「元局長の処分は適切」
斎藤知事は告発文書を作成し、公益通報した元局長を懲戒処分としたことについて、「処分は適切だったと思う。事実ではないことが多く含まれ、ひぼう中傷性の高い文書だと県として認識したので、調査をして処分した」と述べました。
「遅い時間や休日に連絡したことはある」
斎藤知事は「夜間、休日など時間おかまいなしの指示が矢のようにやってくる」などという告発文書の記載が事実か問われたのに対し、「案件によっては遅い時間や休日に連絡したことはある。主に、私への報告漏れや相談がなかったものについての指摘が多かったと思う。知事として報告、連絡、相談をしっかりしてほしいという思いが強かった。ただ、休日や深夜に連絡をしたのは適切ではなかった面もあるかもしれない」と述べました。
「記憶にない 1つひとつ覚えていないこともある 」
斎藤知事は「自分が知らないことがテレビで取り上げられ、評判になったら『聞いていない』と担当者を呼んで執ように責めたてる」という告発文書の記載が事実か問われたのに対し、「記憶にない。なんらかの指摘をしたとしても、いろいろなレクを受けているので、1つひとつ覚えていないこともある」と述べました。
「当時の判断は適切」
斎藤知事は「出張先で玄関の20メートルほど手前で公用車を降りて歩かされ、出迎えた職員らをどなり散らした」という告発文書の記載が事実か問われたのに対し、「歩かされたことを怒ったのではなく、円滑な車の進入経路を確保していなかったことについて注意した。当時は車の進入禁止のエリアだと認識しておらず、当時の判断としては適切だったと思っている」と答えました。
維新の対応は
3年前の選挙で、斎藤知事を推薦した日本維新の会は、31日、藤田幹事長が神戸市で、党の兵庫県の地方組織や県議団の幹部と会談し、30日の斎藤知事の発言を受けた今後の対応を協議することにしています。