長年急減し続けている日本の出生率が、このほど過去最低を更新した。現状を受け、政府は若年層に結婚を促す取り組みを強化。東京都も独自のマッチングアプリを立ち上げて対策に乗り出した。
人口1億2390万人の日本で、昨年記録した出生数は72万7277人のみだった。厚生労働省が発表したデータで明らかになった。女性が一生の間に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.26から1.20に低下した。
安定的な人口を維持するには出生率2.1が必要とされる。
厚労省が発表した昨年の死者数は157万人で、出生数の2倍以上となっている。
婚姻数も昨年は3万件減少。一方で離婚件数は増加した。
専門家は今後少なくとも数十年は人口減少が続くと予想する。若者に比べ高齢者が多い現行の人口構造が変わらない限り、一時的に出生率が上がっても人口が増加に転じることはないとみられるからだ。
政府はこの問題に特化した新たな機関を複数設立。保育施設の拡充や子育て世帯に向けた住宅取得の補助といった取り組みも立ち上げた。
また東京都は独自のマッチングアプリの開発を進めている。現在は初期テストの段階で、年内にも本格稼働させる予定だ。
アプリのウェブサイトには「婚活を始める『最初の一歩』としてご利用ください」との記述がある。
東京都が提供するこの「AIマッチングシステム」で、ユーザーは「価値観診断テスト」を受けるよう求められる。ただ未来のパートナーに求める特徴を入力するオプションもある。
当該のアプリには米起業家のイーロン・マスク氏も注目。X(旧ツイッター)に「日本政府がこの問題の重要性を認識してくれているのは喜ばしい。抜本的な対策を取らなければ、日本(並びに他の多くの国々)は消滅してしまうだろう!」と書き込んだ。