菊池投手は20日、相手の本拠地アナハイムでエンジェルス戦に登板し、1回はフォアボールとヒットでランナーを背負いましたが、4番のプーホールズ選手をスライダーで、レフトフライに打ち取るなどして得点を与えませんでした。
しかし、2点リードの3回は2アウト一塁の場面で4番のプーホールズ選手にファウルで粘られたあと、10球目のカーブを打たれて1点を失いました。
菊池投手は4回にも1点を失い、5回は2本のタイムリーヒットでさらに2点を奪われました。
菊池投手は5回を投げてヒット10本で4失点、フォアボール2つ、三振3つの内容で、チームが1点リードしているところで、勝ち投手の権利を得て交代しました。
試合はマリナーズが6対5でエンジェルスに勝ち、菊池投手は大リーグで初勝利を挙げました。
菊池投手はこれまでの登板で勝ち投手の権利を3回得ていましたが、リリーフ陣が失点して勝ち星がつかず、6試合目の登板で初勝利を手にしました。
「父親にいい報告できる」
大リーグ初勝利をあげた菊池雄星投手は「ほっとしているのがいちばんです。きょうは本当に苦しいピッチングで、アウトを取るのが難しかったが、味方が点を取ってくれたので、粘り強く投げることに徹した。6試合の登板でいちばん苦しい内容だったが、1勝できたことを次につなげていきたい」と振り返りました。
菊池投手は先月、父親の雄治さんが闘病の末に亡くなったあとも、雄治さんの野球に専念してほしいという生前の思いを受けて日本には帰らずにプレーを続けてきました。
菊池投手は「アメリカに来ることをいちばん喜んでくれたのが父だった。お墓にも行けていないなかで、まだ実感がないし、また会えるのではないかという気持ちがどこかにある。ただ、最高の父親だったのでいい報告ができるかなと思います」と話していました。
大谷「勝ちがついたことは大事」
菊池投手の高校の後輩にあたるエンジェルスの大谷翔平選手は、菊池投手のピッチングを途中までベンチで見ていました。
大谷選手は「ご本人が納得されているかどうかはわからないですけど、勝ちがついたことは大事なことだと思う」と話しました。また、今シーズン、バッターとして対戦する可能性があることについては、「ピッチングにあまり大きな変化はないのかなと思って見ていた。まずは自分の知っている雄星さんのイメージで打席に立って、そこで違うことも感じるのかなと思う」と話していました。