香港で、
容疑者の
身柄を
中国本土にも
引き渡せるようにする
条例の
改正案をめぐって
抗議活動が
続くなか、
1日夜、
若者らが
議会にあたる
立法会に
突入しました。
警察は
催涙弾を
放つなどして、
強制的に
排除しましたが、
改正案に対する
市民の
反発は
強く
混乱の
収束は
見通せない
状況です。
香港ではイギリスから
中国に
返還された
記念日に
合わせて、
1日、
容疑者の
身柄を
中国本土にも
引き渡せるようにする
条例の
改正案に
反対する
大規模な
抗議活動が
行われました。
このうち一部の若者らが、1日夜、議会にあたる立法会の本会議場に突入し、監視カメラを壊したり「行政長官は辞めろ」などと壁に黒いスプレーで書いたりしました。
条例の改正案をめぐる一連の抗議活動で、立法会が占拠される事態に至ったのは今回が初めてです。
また立法会周辺では、大勢の若者たちがバリケードを作って道路を占拠したことから、日本時間の2日午前1時すぎ、大勢の警官隊が出動して催涙弾を放つなどして強制排除に乗り出しました。
立法会やその周辺にいた若者たちはおよそ1時間後に、ほとんど排除されました。
香港政府によりますと、1日の一連の抗議活動で市民や警察官ら合わせて54人がけがをして病院で手当てを受け、このうち3人はけがの程度が重いということです。
一方、香港政府のトップ、林鄭月娥行政長官は、日本時間の午前5時から記者会見を行い、立法会に突入するなどし若者たちについて、「暴力的であり、厳しく非難する」などと述べました。
条例の改正案をめぐって、香港政府は事実上廃案になるという認識を示していますが、市民の間では「完全な撤回」などを求める声が強まっていて、混乱が収束する見通しはたっていません。
トランプ大統領「解決されればいいと思う」
香港の状況についてアメリカのトランプ大統領は1日、ホワイトハウスで記者団に対し「解決されればいいと思う」と述べました。
また「中国の習近平国家主席との重要な会談で香港についても短く話した。このような抗議活動を見たことはほとんどなく、非常に悲しい」と述べて、G20大阪サミットに合わせて日本で行った米中首脳会談で香港の問題に言及したことを明らかにしましたが、具体的な内容には触れませんでした。
菅官房長官「香港の安定確保を強く期待」
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「邦人保護の観点も含めて、大きな関心をもって情勢を注視してきている。日中首脳会談の際にも、安倍総理大臣から、引き続き1国2制度のもとで、自由で開かれた香港が繁栄していくことの重要性を指摘している。政府としては香港の安定が保たれることを強く期待している」と述べました。