【NHKプラスで配信】大相撲九州場所 琴櫻と豊昇龍の取組 ↓↓↓こちらで見られます↓↓↓
大相撲九州場所は14日目を終えて、優勝争いはともに13勝1敗の大関の2人、琴櫻と豊昇龍に絞られ、千秋楽の24日、大関どうしでは平成15年の名古屋場所以来となる相星決戦が組まれました。
琴櫻は「はたき込み」で豊昇龍に勝ち、14勝1敗の成績で、初優勝を果たしました。
「琴櫻」のしこ名の力士が優勝するのは、祖父の元横綱・琴櫻が、昭和48年名古屋場所で優勝して以来51年ぶり。また千葉県出身力士の優勝は平成3年名古屋場所の琴富士以来33年ぶりです。
今場所3人の大関の中で唯一優勝経験がなかった琴櫻は3日目に平幕の王鵬に敗れて大関陣の中で最初に黒星を喫しましたが、その後は得意の四つ相撲に加えて磨いてきた突き押しなど落ち着いた取り口で白星を重ねました。
12日目にはここまで3連敗中だった関脇・大栄翔、14日目には新大関・大の里を破るなど、今場所は最後まで崩れず大関在位5場所目にして初めての賜杯を手にしました。
琴櫻は3代続けての幕内力士 祖父は元横綱・琴櫻
琴櫻は千葉県松戸市出身の27歳。
祖父は元横綱・琴櫻、父は師匠である元関脇・琴ノ若の佐渡ヶ嶽親方と、3代続けての幕内力士です。
埼玉栄高校を卒業後、佐渡ヶ嶽部屋に入門し、平成27年の九州場所で初土俵を踏みました。
恵まれた体格を生かした四つ相撲を持ち味に令和元年の名古屋場所で新十両に昇進して師匠の父からしこ名の「琴ノ若」を譲り受け、次の年には新入幕を果たしました。
そして去年の初場所で新三役となる小結に昇進し、名古屋場所では11勝4敗の成績を残して続く秋場所では関脇に番付を上げて、父の最高位に並びました。
「猛牛」と呼ばれた祖父を参考に押し相撲も磨いて三役昇進後は一度も負け越すことない安定感を見せ、ことしの初場所では優勝争いに加わり、13勝2敗の好成績を挙げて場所後に大関に昇進しました。
子どものころに元横綱の祖父から「大関に昇進したらしこ名を継いでいい」と約束していたことを受けて、ことしの夏場所から「琴櫻」を襲名していました。
十両優勝は金峰山
大相撲九州場所の十両はカザフスタン出身で幕内経験者の金峰山が初めての優勝を決めました。
九州場所の十両は14日目を終えて、木瀬部屋の金峰山が3敗でトップ、4敗で今場所十両に昇進した安治川部屋でウクライナ出身の安青錦など3人が追う展開となっていました。
千秋楽の24日、金峰山は勝てば優勝が決まる一番で安青錦を相手に立ち合いから突っ張って「突き出し」で勝ち、12勝3敗で初めての十両優勝を決めました。
金峰山はカザフスタン出身の27歳。
令和3年の九州場所で三段目、100枚目格付け出しで初土俵を踏み、順調に番付を上げていき、去年の春場所で新入幕を果たしました。
この場所で11勝4敗の成績を残して敢闘賞を受賞しましたが、西前頭12枚目で臨んだ先場所は4勝11敗で負け越して十両に陥落しました。
西の十両筆頭の今場所は身長1メートル95センチ、体重178キロの体格を生かした持ち味の力強い突き押しで初日から4連勝したほか連敗はせず、安定した相撲で白星を重ねました。
金峰山は「落ち着いて自分の相撲を取ることができた。木瀬親方から『金峰山の強いところは突っ張りだよ』と言われて稽古をしていたので、意識して使っていた。来場所もたくさん勝てるように続けていきたい」と話していました。
序二段は錦国が優勝
大相撲九州場所の序二段は山口県出身の錦国が7戦全勝どうしの優勝決定戦を制して優勝しました。
九州場所の序二段は芝田山部屋の錦国と武蔵川部屋の中島が7戦全勝で並び、千秋楽の24日、優勝決定戦が行われました。
決定戦では、錦国が左を差してから右の上手を引いて「寄り切り」で勝って優勝しました。
錦国は山口県岩国市出身の24歳。高校時代は野球部と柔道部に所属し、卒業後に芝田山部屋に入門しました。
平成31年春場所の前相撲で初土俵を踏み、ことしは左ひざのけがの影響で、初場所から2場所続けて休場するなどしましたが、今場所は西の序二段9枚目で、持ち味の前に出る相撲で白星を重ねました。
錦国は「最後の一番なので楽しむ気持ちで土俵に上がった。師匠には『落ち着いて、慌てずにやれ』と言われたので落ち着いて取れてよかった」と振り返りました。
その上で、「これを自信に変えてけがをしない体を作って上を目指していきたい」と今後の意気込みを示しました。
幕内の懸賞合計本数 九州場所で最多の1667本
28年ぶりに15日間の全日程で入場券が完売となった大相撲九州場所で、幕内の取組にかけられた懸賞の合計本数も九州場所では最多の1667本となりました。
大相撲九州場所は場所前に入場券が平成8年以来、28年ぶりに15日間の全日程で完売するなど盛況となっています。
日本相撲協会によりますと九州場所の幕内の取組にかけられた懸賞の15日間の合計本数は1667本で、平成27年の1579本を上回り、九州場所としては過去最多となりました。
今場所は横綱・照ノ富士が不在のなか、琴櫻と豊昇龍の二大関が千秋楽まで優勝争いをしているほか、新大関・大の里にも注目が集まり、盛況な場所になったことが数字の上でも示されました。
阿炎が殊勲賞 技能賞は若隆景 隆の勝が敢闘賞
大相撲九州場所の三賞選考委員会が開かれ、ここまで11勝をあげている前頭3枚目の阿炎が殊勲賞に選ばれました。
九州場所の三賞選考委員会は千秋楽の24日、福岡市の福岡国際センターで開かれ、23日、14日目までに11勝をあげている前頭3枚目の阿炎が殊勲賞に選ばれました。
阿炎は今場所、7日目に大関・豊昇龍を破るなど、殊勲の星をあげていることが評価されました。
阿炎は2回目の殊勲賞受賞です。
技能賞は前頭2枚目の若隆景が5回目の受賞となりました。
若隆景は今場所、ここまで10勝をあげ左の「おっつけ」の技術の高さが評価されました。
また、前頭6枚目の隆の勝は、今場所11勝をあげて終盤まで優勝争いに絡んだ活躍が評価され、4回目の敢闘賞を受賞しました。