「日本にっぽん海溝かいこう」沿ぞい Ｍえむ７ななクラス大だい地震じしん “30年ねん以内いないに90％以上いじょう”

政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは、この「日本にっぽん海溝かいこう」沿ぞいで今後こんご30年ねん以内いないに地震じしんが発生はっせいする確率かくりつについて新あらたな評価ひょうかを公表こうひょうしました。

それによりますと、８はち年ねん前まえと同おなじマグニチュード９きゅうクラスの巨大きょだい地震じしんが発生はっせいする確率かくりつはほぼ０ぜろ％とされている一方いっぽうで、マグニチュード７ななから7.5程度ていどの大だい地震じしんが発生はっせいする確率かくりつは、いずれも高たかくなっています。

領域りょういき別べつに見みると、

▽青森あおもり県けん東方とうほう沖おきおよび岩手いわて県けん沖おき北部ほくぶで90％程度ていど以上いじょう

▽宮城みやぎ県けん沖おきで90％程度ていど

▽茨城いばらき県けん沖おきで80％程度ていど

▽福島ふくしま県けん沖おきで50％程度ていど

▽岩手いわて県けん沖おき南部なんぶで30％程度ていどなどとされています。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいの委員いいん長ちょうで東京とうきょう大学だいがく地震じしん研究所けんきゅうじょの平田ひらた直ただし教授きょうじゅは「東北とうほくではもう大おおきな地震じしんは起おきないと考かんがえがちだが、マグニチュード７ななクラスの地震じしんはいつ起おきてもおかしくなく、備そなえを進すすめてほしい」と話はなしています。

岩手いわて県けん沖おき南部なんぶから茨城いばらき県けん沖おき

政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは、プレートの境目さかいめがある「日本にっぽん海溝かいこう」沿ぞいを領域りょういきごとに分類ぶんるいし、過去かこに確認かくにんできた地震じしんの時期じきや規模きぼなどを基もとに、今後こんご30年ねん以内いないに発生はっせいしうる地震じしんの確率かくりつを推計すいけいしました。

８はち年ねん前まえに東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいをもたらしたような、岩手いわて県けん沖おき南部なんぶから茨城いばらき県けん沖おきの領域りょういき全体ぜんたいが一気いっきにずれ動うごくマグニチュード９きゅう程度ていどの巨大きょだい地震じしんです。

平均へいきんで550年ねんから600年ねんに一いち度どの間隔かんかくで発生はっせいし、前回ぜんかいの地震じしんから時間じかんがあまり経過けいかしていないため確率かくりつは「ほぼ０ぜろ％」とされました。

青森あおもり県けん東方とうほう沖おきおよび岩手いわて県けん沖おき北部ほくぶ

青森あおもり県けん東方とうほう沖おきおよび岩手いわて県けん沖おき北部ほくぶの領域りょういきで起おきる大だい地震じしんです。

マグニチュード7.9程度ていどの地震じしんは平均へいきんで97年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「５ご％から30％」とされました。

マグニチュード７ななから7.5程度ていどの地震じしんは、平均へいきんで９きゅう年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「90％程度ていど以上いじょう」とされました。

岩手いわて県けん沖おき南部なんぶ

岩手いわて県けん沖おき南部なんぶで起おきる大だい地震じしんです。

マグニチュード７ななから7.5程度ていどの地震じしんは平均へいきんで88年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「30％程度ていど」とされました。

宮城みやぎ県けん沖おき

宮城みやぎ県けん沖おきで起おきる大だい地震じしんです。

マグニチュード7.9程度ていどの地震じしんは平均へいきんで109年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「20％程度ていど」とされました。

ひとまわり小ちいさいマグニチュード７ななから7.5程度ていどの地震じしんは平均へいきんで13年ねんから15年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「90％程度ていど」とされました。

福島ふくしま県けん沖おき

福島ふくしま県けん沖おきで起おきる大だい地震じしんです。

マグニチュード７ななから7.5程度ていどの地震じしんは平均へいきんで44年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「50％程度ていど」とされました。

茨城いばらき県けん沖おき

茨城いばらき県けん沖おきで起おきる大だい地震じしんです。

マグニチュード７ななから7.5程度ていどの地震じしんは、平均へいきんで18年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「80％程度ていど」とされました。

日本にっぽん海溝かいこう寄よりの地震じしん

青森あおもり県けん東方とうほう沖おきから房総ぼうそう沖おきにかけての海溝かいこう寄よりの領域りょういきだけが一気いっきにずれ動うごく巨大きょだい地震じしんです。

陸地りくちでは激はげしい揺ゆれを感かんじなくても大だい津波つなみが襲おそうため「津波つなみ地震じしん」などと言いわれています。

マグニチュード8.6から９きゅうの地震じしんは、平均へいきんで103年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「30％程度ていど」とされました。

プレート内部ないぶの地震じしん

青森あおもり県けん東方とうほう沖おきおよび岩手いわて県けん沖おき北部ほくぶから、茨城いばらき県けん沖おきにかけての領域りょういきのうち、陸りく側がわのプレートに沈しずみ込こんだ海うみ側がわのプレートの内部ないぶで起おきる大だい地震じしんです。

マグニチュード７ななから7.5程度ていどの地震じしんは、平均へいきんで22年ねんから29年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「60％から70％」とされています。

日本にっぽん海溝かいこう外側そとがわの地震じしん

日本にっぽん海溝かいこうよりも東ひがし、外側そとがわで起おきる巨大きょだい地震じしんです。

この地震じしんも激はげしい揺ゆれを伴ともなわず津波つなみを引き起ひきおこすことがあります。

マグニチュード8.2前後ぜんごの地震じしんは411年ねんに一度いちど発生はっせいしているとして、確率かくりつは「７なな％」とされました。

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいと今回こんかいの評価ひょうか

「日本にっぽん海溝かいこう」沿ぞいの地震じしんの発生はっせい確率かくりつの評価ひょうかは、８はち年ねん前まえ、平成へいせい23年ねんの東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいをもたらした巨大きょだい地震じしんの発生はっせい直後ちょくごにも行おこなわれていました。

しかし、当時とうじはメカニズムなどが十分じゅうぶんに分わかっておらず、宮城みやぎ県けん沖おきでの確率かくりつが「不明ふめい」とされるなど暫定ざんてい的てきな内容ないようにとどまっていました。

最新さいしんの研究けんきゅうで再さい評価ひょうか

今回こんかいの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいの評価ひょうかは、巨大きょだい地震じしんのあとに得えられた地殻ちかく変動へんどうのデータや過去かこの地震じしんによる堆積たいせき物ぶつの調査ちょうさ結果けっかなど、この８はち年間ねんかんの研究けんきゅう成果せいかを基もとに行おこなわれました。

確率かくりつが「不明ふめい」とされていた宮城みやぎ県けん沖おきでは、地震じしんが発生はっせいする可能かのう性せいがある領域りょういきを拡大かくだいしたうえで、今後こんご30年ねん以内いないに発生はっせいするマグニチュード７ななから7.5程度ていどの大だい地震じしんの確率かくりつを90％程度ていどとしました。

この領域りょういきの一部いちぶでは、地殻ちかく変動へんどうのデータからすでに次つぎの地震じしんの発生はっせいサイクルに入はいったとみられ、震災しんさい前まえと比くらべて、地震じしん活動かつどうが活発かっぱつな状態じょうたいが続つづいているということです。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは「平成へいせい23年ねんの地震じしんから８はち年ねんしかたっていないが、ここで大おおきな地震じしんが起おきる可能かのう性せいは非常ひじょうに高たかい」としています。

確率かくりつさらに高たかまる領域りょういきも

東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいをもたらした巨大きょだい地震じしんの影響えいきょうで、地震じしんの発生はっせい確率かくりつが今回こんかい発表はっぴょうされた確率かくりつよりも高たかい可能かのう性せいがあるとされる領域りょういきもあります。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいによりますと、８はち年ねん前まえの巨大きょだい地震じしん以降いこう、東北とうほくや関東かんとうの沖合おきあいでは、大おおきな地震じしんを伴ともなわずにプレートの境目さかいめがずれ動うごくことによって「余よ効こう変動へんどう」と呼よばれる地殻ちかく変動へんどうが続つづいている領域りょういきがあります。

一方いっぽうで「余よ効こう変動へんどう」が止とまるなど、プレートの境目さかいめがほとんど動うごいていない領域りょういきも存在そんざいしていることが地震じしん後ごの研究けんきゅうで分わかったということです。

この２ふたつの領域りょういきが隣接りんせつする場所ばしょは、ちぎれるような力ちからが働はたらいて「ひずみ」がたまりやすくなり、震災しんさい前まえよりもマグニチュード７ななクラスの地震じしんが発生はっせいしやすくなっている可能かのう性せいがあるとされました。

「青森あおもり県けん東方とうほう沖おきおよび岩手いわて県けん沖おき北部ほくぶ」と「宮城みやぎ県けん沖おき」「福島ふくしま県けん沖おき」それに「茨城いばらき県けん沖おき」がこの領域りょういきにあたり、地震じしん発生はっせいの確率かくりつは今回こんかい公表こうひょうされた数値すうちより高たかい可能かのう性せいもあるということです。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは「８はち年ねん前まえの地震じしんにより、一部いちぶの領域りょういきでは、大おおきな地震じしんがより起おきやすい状態じょうたいになっている。津波つなみを伴ともなう地震じしんが起おきる可能かのう性せいは高たかく、備そなえを進すすめてほしい」としています。