米航空大手ボーイングは31日、新たな最高経営責任者(CEO)にケリー・オルトバーグ氏を指名すると明らかにした。ボーイングに対しては航空機の安全性や品質に対して厳しい目が向けられており、収益を確保するのに十分な機体を製造できなかったことなどから、2024年4~6月期の決算は14億ドル(約2100億円)の巨額赤字を計上した。
オルトバーグ氏は今月8日にCEOに就任する。オルトバーグ氏は部品製造などを手がける米ロックウェル・コリンズでもCEOを務めた経歴を持つ。
オルトバーグ氏は声明で、「この象徴的な会社に加わることができ、大変光栄であり恐縮している」と述べた。オルトバーグ氏は、ボーイングについて、業界のリーダーであり先駆者として豊かな歴史を保持していると指摘。17万人の献身的な従業員とともに、安全性と品質を第一に、その伝統を引き継ぐと約束すると力を込めた。
オルトバーグ氏は、19年以降黒字を計上していないボーイングの問題を解決するので手一杯となりそうだ。ボーイングは、航空機の安全性と品質に関する問題を解決したと規制当局に納得してもらうまで、黒字化は難しい。
ボーイングは737MAXによる18年10月と19年3月の2度の事故について設計上の欠陥を認めている。2度の事故で計346人が死亡した。ボーイングは最近になって、旅客機の墜落事故をめぐり、型式証明の手続きで連邦航空局(FAA)を欺いたとして罪を認めてもいた。