政府は、Jアラート=全国瞬時警報システムで、午後11時15分新たに情報を発信し「先ほどのミサイルは午後10時55分ごろ、太平洋へ通過したものとみられます。避難の呼びかけを解除します。不審な物には決して近寄らず直ちに警察や消防などに連絡して下さい」と伝えました。北朝鮮は、22日午前0時から来月1日の午前0時までの間に「人工衛星」を打ち上げると通報していました。現在、防衛省が情報収集と分析を進めています。
松野官房長官「沖縄県上空を太平洋へと通過と推定」
松野官房長官は臨時の記者会見で「北朝鮮は21日、22時43分頃 北朝鮮北西部沿岸地域のトンチャンリ地区から南方向に、弾道ミサイル技術を使用した発射を強行した。詳細は分析中だが、発射された1発は沖縄県上空を太平洋へと通過したと推定される」と述べました。
また、松野官房長官は「これまでの度重なるミサイル発射を含め、一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり、このような発射は衛星打ち上げを目的とするものであっても、関連する国連安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題だ」と述べました。
その上で「特に、発射について繰り返し中止を求めてきたにもかかわらず、今般、北朝鮮が行った発射は、航空機や船舶はもとより、住民の安全確保の観点からも極めて問題のある行為だ。北朝鮮に対して厳重に抗議し、最も強い表現で非難した」と述べました。
政府 エムネット「避難の呼びかけ解除」
政府は、エムネット=緊急情報ネットワークシステムで午後11時16分新たに情報を発信し、「ミサイルは午後10時52分ごろ、沖縄県からなる地域の上空を飛しょうし、太平洋へ通過したものとみられます。避難の呼びかけを解除します。なお、ミサイルの破壊措置の実施はありません。不審な物を発見した場合には、決して近寄らず、直ちに警察、消防、または海上保安庁に連絡して下さい。続報が入り次第、お知らせします」と伝えました。
北朝鮮は、22日午前0時から来月1日の午前0時までの間に、「人工衛星」を打ち上げると通報していました。防衛省が情報収集と分析を進めています。
防衛省関係者 “現時点で迎撃などの対応なし”
防衛省関係者によりますと、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものについて、現時点で迎撃などの対応はとっていないということです。
また、北朝鮮から発射されたものに関してこれまでのところ日本のEEZ=排他的経済水域の内側への落下物は確認されていないということです。防衛省が引き続き情報の収集を進めています。
自衛隊幹部「打ち上げ成功か現段階でわからない」
自衛隊幹部は記者団に対し、「衛星の打ち上げが成功したかどうかは現段階ではわからない。分析を進めている」と述べました。
北朝鮮発射「人工衛星」の打ち上げと見られる 防衛省関係者
防衛省関係者によりますと、北朝鮮から発射された弾道ミサイルの可能性があるものは「人工衛星」の打ち上げと見られるということです。
岸田首相 “必要な対応を適時適切に”指示
岸田総理大臣は午後10時53分ごろ、新たに▽上空を通過したと判断される地域に重点を置き、落下物などによる被害がないか速やかに確認すること、▽北朝鮮の今後の動向を含め、引き続き情報の収集・分析を徹底すること、▽アメリカや韓国など関係諸国と連携し、引き続き必要な対応を適時適切に行うことを指示しました。
政府 Jアラート 沖縄県を対象に情報発信
政府は、Jアラート=全国瞬時警報システムで、午後10時46分沖縄県を対象に情報を発信し「北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます。建物の中や地下に避難して下さい」と伝えました。
北朝鮮は、22日午前0時から来月1日の午前0時までの間に「人工衛星」を打ち上げると通報していました。現在、防衛省が情報収集と分析を進めています。
北朝鮮による発射について、政府がJアラートとエムネット=緊急情報ネットワークシステムで情報を発信したのは、「人工衛星」の打ち上げに失敗したことし8月24日以来、今回で10回目です。
第10管区海上保安本部が地域航行警報
鹿児島沖の東シナ海などを管轄する第10管区海上保安本部は、今回の情報を受けて、午後10時48分に地域航行警報を出しました。管内を航行する船舶に対し、落下物がある場合、近づかずに海上保安庁に通報するとともに今後の情報に注意するよう呼びかけています。また、午後11時時点で被害や落下物に関する報告は入っていないということです。
国土交通省 日本周辺の空域飛行の航空機に注意呼びかけ
北朝鮮がミサイルの可能性があるものを発射したという情報を受け、国土交通省は現在、日本周辺の空域を飛行している航空機に情報を伝えるとともに、注意を呼びかけています。また、航空機や空港などに被害がないか確認を進めています。
第11管区海上保安本部 船舶被害の情報なし(23:00)
沖縄県周辺の海域を管轄する第11管区海上保安本部によりますと、21日午後11時半現在、船舶の被害の情報は入っていないということです。情報収集を行っているということです。
また沖縄県警察本部によりますと、午後11時現在、被害の情報は入っていないということです。
那覇 防災無線のスピーカーから自動音声
21日午後10時45分すぎ、那覇市おもろまちのNHK沖縄放送局の近くに設置されている防災無線のスピーカーからは、北朝鮮からミサイルが発射されたという内容の自動音声が流れました。局内からは、外を出歩く人の姿はほとんど見られませんでした。
政府 国家安全保障会議の閣僚会合を開く方向で調整
政府は、北朝鮮による今回の発射を受けて、岸田総理大臣や上川外務大臣ら関係閣僚が出席して、22日午前0時すぎにNSC=国家安全保障会議の閣僚会合を開く方向で調整を進めています。
安全の確認をはじめ、これまでの情報を分析するとともに今後の対応などを協議するものとみられます。
政府は、総理大臣官邸に設置している北朝鮮情勢に関する官邸対策室で情報を集約するとともに、緊急参集チームのメンバーを総理大臣官邸に集め、今後の対応を協議することにしています。
韓国軍 北朝鮮が軍事偵察衛星と主張するものを発射と発表
韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が軍事偵察衛星と主張するものを南に向けて発射したと、21日午後10時47分ごろに発表しました。
北朝鮮メディア これまでのところ打ち上げ伝えず
北朝鮮国営の朝鮮中央テレビはすでに21日の放送を終えているほか、朝鮮中央通信もこれまでのところ軍事偵察衛星の打ち上げについては一切伝えていません。北朝鮮は21日、打ち上げの予告期間を日本側に通報しましたが、国内向けには知らされていません。