自宅などでの
孤立出産を
防ぐため、
病院だけに
身元を
明かす「
内密出産制度」を
独自に
導入した
熊本市の
慈恵病院が「
誰にも
知られず
出産したい」という
臨月の
女性を
保護していることを、29
日、
記者会見で
明らかにしました。
病院は生まれてくる子どもの戸籍が作れない可能性があると指摘したうえで、行政機関に早急な対応を求めています。
熊本市の「慈恵病院」は、親が育てられない赤ちゃんを匿名で受け入れるいわゆる「赤ちゃんポスト」を全国で唯一設けています。
さらに、自宅などでの孤立出産を防ぐため、病院だけに身元を明かし子どもがあとから親を知ることができる「内密出産制度」をおととし独自に導入しました。
一方、熊本市は「法令に抵触する可能性がある」として、病院に実施を控えるよう求めてきました。
こうした
中、
病院が29
日会見を
開き、
蓮田健院長が「
誰にも
知られず
出産したい」という
臨月の
女性を
保護していることを
明らかにしました。
病院では身元を明かすよう説得を試みているということですが、女性は行政などに自分の身元を明かすことを拒否していて、出産予定日が迫っているため誰にも身元を明かさない匿名出産になる可能性があるということです。
病院はこのままの状態で出産を迎えると子どもの戸籍が作れないなど法的な支援を得られない可能性があると指摘して、早急に体制を整える必要があるため、市に対し病院と協議する場を設けるよう要望書を提出したということです。
慈恵病院の蓮田健院長は「2週間も身元を明かさないケースはこれまでになく、匿名出産になる可能性もある。市には早急に対応してほしい」と述べました。