米朝が公式な協議を行ったのはことし6月の首脳会談以降、初めてとみられ、北朝鮮の非核化に向けて具体的な進展が得られるかが焦点です。北朝鮮は、スウェーデンの首都ストックホルムでアメリカと、4日に予備接触を、5日、実務担当者の協議を行うとしていて、4日、ストックホルム郊外の施設で米朝双方の代表団が協議を行ったことをNHKの取材班が確認しました。
米朝のあいだでは、6月にトランプ大統領とキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が3回目の首脳会談を行った際、2、3週間以内に協議を再開させることで一致したものの、アメリカが完全な非核化を求めたのに対し、北朝鮮は段階的な措置に応じて見返りが必要だと主張し、協議を開けない状態が続いていました。
アメリカ政府で北朝鮮問題を担当するビーガン特別代表もすでにストックホルムに入っていて、4日はスウェーデン外務省を訪れ、協議に向けて意見を交わしたものとみられます。
5日には、ビーガン特別代表と、北朝鮮のキム・ミョンギル首席代表による実務者協議が、ことし2月以来、7か月ぶりに行われる見通しです。
協議を前にアメリカのトランプ大統領は4日、ホワイトハウスで記者団に対し、「北朝鮮はわれわれと会いたがっている。何かをしたいのだ」と述べ、協議の進展に期待を示しました。
北朝鮮は、協議が停滞する間、弾道ミサイルの発射実験を繰り返し行うなどアメリカに揺さぶりをかけていて、北朝鮮の非核化に向けて具体的な進展が得られるかが焦点です。
米朝協議が行われる施設は
北朝鮮とアメリカの代表団が協議を行ったストックホルム郊外の施設の周辺では、4日午前、10台余りの警察車両や多くの警察官が警戒にあたる姿が見られました。
敷地内にある建物の入り口からはガラス越しに、北朝鮮の旗とアメリカの星条旗が並んで置かれているのが確認でき、施設のスタッフは、NHKに対し、午前中に双方の代表団が会議を行っていたと話していました。
施設があるのは、ストックホルムの中心部から車で15分ほどの、緑が多く、海に面した閑静な場所で、5日の実務者協議も同じ施設で行われるとみられます。