きょうから地域ちいき拡大かくだい 緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん 各地かくちの対応たいおうは

緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの対象たいしょう地域ちいきに追加ついかされたことを受うけて、千葉ちば県けんは2日にち、ことし県内けんないで開設かいせつされていた11の海水浴かいすいよく場じょうすべてを閉鎖へいさしました。

このうち、館山たてやま市しでは先月せんげつ22日にちから開設かいせつされていた市内しないの4つの海水浴かいすいよく場じょうが閉鎖へいさされ、市内しないで最もっとも広ひろい北条ほうじょう海水浴かいすいよく場じょうでは隣接りんせつする駐車ちゅうしゃ場じょうの入り口いりくちに、県けんの職員しょくいんがバリケードを並ならべ、閉鎖へいさを知しらせる案内あんないを設置せっちしていました。

また、例年れいねん、海水浴かいすいよくなどのため多おおくの観光かんこう客きゃくが訪おとずれる陸続りくつづきの無人島むじんとう、沖ノ島おきのしまでは、島しまそのものへの立ち入たちいりを禁止きんしすることになり、市しの職員しょくいんが島しまに通つうじる道みちに鉄てつパイプを組くんだバリケードを設置せっちしていました。

館山たてやま市し観光かんこうみなと課かの獅子しし田た正臣まさおみ係長かかりちょうは「公共こうきょうの駐車ちゅうしゃ場じょうも閉鎖へいさしており、感染かんせん防止ぼうしのため緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの間まは海水浴かいすいよく場じょうに来くるのは控ひかえていただきたいと思おもいます」と話はなしていました。

感染かんせんの急きゅう拡大かくだいが続つづく中なか、全国ぜんこく知事ちじ会かいはお盆おぼんの帰省きせいも含ふくめ夏休なつやすみ中ちゅうの都道とどう府県ふけんをまたぐ旅行りょこうや移動いどうの原則げんそく中止ちゅうしか延期えんきを強つよく呼よびかけることなどを国くにに求もとめることにしています。

こうした中なか、主おもに団体だんたい旅行りょこうなどを取り扱とりあつかう東京とうきょう・杉並すぎなみ区くの旅行りょこう会社かいしゃ「飛鳥あすか旅行りょこう」では、最もっとも売り上うりあげが伸のびる夏休なつやすみの予約よやくが例年れいねんの1割わり程度ていどと、去年きょねんに引き続ひきつづき大幅おおはばに少すくなくなっています。

店舗てんぽの棚たなにはこの時期じき、海外かいがい旅行りょこうのパンフレットが並ならべられますが、ことしは空そらの状態じょうたいで、わずかにあった国内こくない旅行りょこうの予約よやくにもキャンセルが出でているということです。

感染かんせんが拡大かくだいするなか、窓口まどぐちを訪おとずれた客きゃくにも積極せっきょく的てきに旅行りょこうを勧すすめられない状況じょうきょうが続つづいているということで、東京とうきょう都と旅行りょこう業ぎょう協会きょうかいの会長かいちょうで「飛鳥あすか旅行りょこう」の村山むらやま吉三郎よしさぶろう社長しゃちょうは「旅行りょこうを勧すすめたいのに勧すすめられないという非常ひじょうに厳きびしい状況じょうきょうです。夏休なつやすみが1番ばんの繁忙はんぼう期きですが去年きょねんに続つづいて厳きびしい状況じょうきょうで、旅行りょこう自体じたいがタブーになってきた雰囲気ふんいきも感かんじます。旅行りょこうを楽たのしめる社会しゃかいになるにはまず、感染かんせん者しゃ数すうを抑おさえることが必要ひつようだと感かんじます」と話はなしていました。

東京とうきょう 小金井こがねい市しにある学生がくせい寮りょう「松濤しょうとう学舎がくしゃ」では、佐賀さが県けんと福岡ふくおか県けん出身しゅっしんの男子だんし大学生だいがくせい34人にんが親元おやもとを離はなれて暮くらしています。

寮りょうでは去年きょねん、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで夏休なつやすみに帰省きせいする学生がくせいはわずかでしたが、この夏なつは6割わり余あまりが帰省きせいを予定よていしていたといいます。

しかし感染かんせんが急きゅう拡大かくだいするなか、帰省きせいの中止ちゅうしや延期えんきを検討けんとうする学生がくせいも出でています。

寮りょうでは寮母りょうぼが、全国ぜんこく知事ちじ会かいで夏休なつやすみ中ちゅうの都道とどう府県ふけんをまたぐ移動いどうの原則げんそく中止ちゅうしや延期えんきを呼よびかけるよう国こくに求もとめる提言ていげんがまとめられたことを、学生がくせいに説明せつめいしました。

説明せつめいを受うけた大学だいがく2年生ねんせいの上野うえの陽ひ心しんさん（20）は、地元じもとの福岡ふくおかに帰省きせいするため2週間しゅうかん前まえに航空こうくう券けんを購入こうにゅうしていましたが、現在げんざいは帰省きせいするかどうか迷まよっているといいます。

50代だいの両親りょうしんはワクチン接種せっしゅが済すんでおらず、31日にちには、父ちちから

▽帰省きせいする場合ばあいは2週間しゅうかん前まえから行動こうどうに気きをつけ、

▽PCR検査けんさを受うけるよう、連絡れんらくがあったということです。

上野うえのさんは「学生がくせいの長期ちょうき休やすみの正月しょうがつやお盆おぼんに帰省きせいの自粛じしゅくを求もとめられていて、家いえに帰かえる機会きかいが減へっている。感染かんせん予防よぼうをして帰省きせいしても『東京とうきょうから帰かえってきた』と厳きびしい目めで見みられると思おもうので帰省きせいしづらいです」と話はなしていました。

一方いっぽう、4年生ねんせいの小野おの赳たけしさん（22）は、感染かんせん拡大かくだいを受うけて帰省きせいの時期じきを決きめかねています。

小野おのさんは、「感染かんせん状況じょうきょうを見みて、帰省きせいを中止ちゅうしするよう求もとめる呼よびかけが行おこなわれていることは理解りかいできる」とした一方いっぽうで、「オリンピックが開催かいさいされて盛り上もりあがっているのを見みると心こころの中なかでは納得なっとくできないし、ダブルスタンダードだと感かんじます」と話はなしていました。

経営けいえいする木村きむらるいさんは、営業えいぎょうが再開さいかいできる時ときに備そなえて休業きゅうぎょう期間きかん中ちゅうに感染かんせん防止ぼうし策さくを徹底てっていしたいと考かんがえていて、店みせの依頼いらいを受うけて松戸まつど市しから派遣はけんされた専門せんもん家かが換気かんきの状況じょうきょうを調査ちょうさしていました。

専門せんもん家かは空気くうきの流ながれを調しらべる装置そうちなどを使つかって1時間じかんあたりの換気かんき量りょうが十分じゅうぶんか調しらべ、木村きむらさんに、空気くうきの入り口いりくちを確保かくほするため窓まどを開あけておくことなどをアドバイスしていました。

一方いっぽう、木村きむらさんは感染かんせんが急速きゅうそくに拡大かくだいし緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出だされるなか、いつ営業えいぎょうを再開さいかいできるのか不安ふあんを募つのらせていて、「お酒さけが出だせないとなると営業えいぎょうがままならないので休業きゅうぎょうせざるをえない。緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんはしかたないと思おもいつつ、いつまで続つづくのか、宣言せんげんが解除かいじょされたあとに客足きゃくあしが戻もどるか不安ふあんです。それまでに新あたらしく換気扇かんきせんを設置せっちして対策たいさくを強化きょうかしたいです」と話はなしていました。

店みせでは2日にち、早速さっそく、看板かんばんやメニューを張り替はりかえるなど、オープンに向むけた模様替もようがえの作業さぎょうが行おこなわれました。

居酒屋いざかやチェーンを経営けいえいする伸和のぶかずホールディングスの中山なかやま洋輔ようすけ 取締役とりしまりやく営業えいぎょう本部ほんぶ長ちょうは、「酒さけの提供ていきょう停止ていしは今月こんげつ末まつまでとされているが、長引ながびく可能かのう性せいもあり何なにか手てを打うたなくては経営けいえいは厳きびしくなる。この状況じょうきょうをプラスに捉とらえて、新あたらしいことでなんとか成功せいこうさせたい」と話はなしていました。

店みせでは今後こんご、テイクアウトメニューの充実じゅうじつなども図はかって、感染かんせん対策たいさくを講こうじながら客きゃくを呼び込よびこんでいきたいとしています。

緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの対象たいしょう地域ちいきとなった埼玉さいたま県けんの大野おおの知事ちじは、新型しんがたコロナウイルスワクチンの大だい規模きぼ接種せっしゅ会場かいじょうを視察しさつしたあと取材しゅざいに応おうじ、「新あらたな陽性ようせい者しゃの数かずが週しゅうに5000人にんを超こえる感染かんせん状況じょうきょうで、2倍ばいに増ふえるペースもとても速はやく、今いままで経験けいけんしたことがないレベルだ。医療いりょう関係かんけい全体ぜんたいが極きわめて厳きびしい状況じょうきょうだ」と述のべました。

そのうえで「県けんの対応たいおうをデルタ株かぶの感染かんせんのペースが上回うわまわっている。感染かんせん防止ぼうし対策たいさくの徹底てっていと人ひと流りゅうの抑制よくせいにご協力きょうりょくをお願おねがいしたい」と呼よびかけました。

また、千葉ちば県けんの熊谷くまがい知事ちじは、感染かんせん状況じょうきょうと医療いりょう提供ていきょう体制たいせいについて「東京とうきょうに近ちかい地域ちいきがものすごい感染かんせん状況じょうきょうになっているうえ、東京とうきょう由来ゆらいではなく県内けんないでの感染かんせん爆発ばくはつが進すすんでいる。医療いりょう提供ていきょう体制たいせいを維持いじできるよう対応たいおうしていきたい」と述のべました。

そのうえで緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんについては「1回かいぐらいいいのではないかと考かんがえ感染かんせんしている事例じれいが多おおい。ふだん生活せいかつをともにしない人ひとと行動こうどうや会話かいわをできるかぎり少すくなくすることが、感染かんせんを食い止くいとめて医療いりょう提供ていきょう体制たいせいを維持いじすることにつながる。行動こうどうが制限せいげんされることは心苦こころぐるしいが、最終さいしゅう的てきに助たすかる命いのちが助たすからないという局面きょくめんにならないようにするために、わがこととして感染かんせん防止ぼうしの観点かんてんから1つ1つ行動こうどうの見直みなおしをしてほしい」と感染かんせん防止ぼうし策さくの徹底てっていと協力きょうりょくを呼よびかけました。

また、大阪おおさか府ふの吉村よしむら知事ちじは「宣言せんげんについて『またか』とか『効果こうかがないのではないか』と思おもう人ひとも多おおいかもしれないが、『デルタ株かぶ』は今いままでになく感染かんせん力りょくが強つよい。第だい5の感染かんせん拡大かくだいの山やまをできるだけ抑おさえて、医療いりょうのひっ迫ひっぱくを防ふせぐために、協力きょうりょくをお願おねがいしたい」と述のべ、感染かんせん対策たいさくへの理解りかいと協力きょうりょくを改あらためて求もとめました。

お盆おぼんの帰省きせいなどをめぐって、「不要ふよう不急ふきゅうの帰省きせいや旅行りょこうは極力きょくりょく、控ひかえてほしいが、どうしても、という場合ばあいは、PCR検査けんさを受うけるなどの対策たいさくをとるとともに、家族かぞくとよく話し合はなしあって判断はんだんをしていただきたい」と述のべました。