米ニューヨーク発、仏パリ行きのデルタ航空機に潜り込んで密航したロシア人女性が4日に米国へ戻り、逮捕された。米連邦捜査局(FBI)が発表した。
捜査当局者らによると、女性は密航の罪で起訴される見通し。有罪となれば最大で禁錮5年の刑を科される。検察によると、5日に初出廷が予定されている。
女性を乗せた便はパリのシャルル・ドゴール空港を出発し、4日午後5時にニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に到着した。同乗していたCNNスタッフによると、本人は終始落ち着いた様子で指示に従っていた。
空港では十数人以上の捜査当局者が待ち受けた。女性はほかの乗客が全員降りるまで、機内にとどまっていた。その後、仏治安当局者らの誘導で別のデルタ航空機に乗り換えた。両側から治安当局者に囲まれ、静かに座っていた。時々、前方の座席に頭を乗せて床を見つめたり、目を閉じて音楽に耳を傾けたりする様子がみられた。
女性の送還は当初、先月30日に計画されたが、本人が搭乗後に大声を上げ始めたため中止。3日にはデルタ航空が女性を乗せて飛ぶことを拒否し、取りやめになっていた。デルタ側の言い分は明らかでない。
パリの空港当局者によれば、女性は57歳のロシア人。ペンシルベニア州フィラデルフィア周辺に住んでいたとの記録があるが、いつから米国にいたのかは分かっていない。
デルタ航空は4日夜の声明で「通常の手順からの逸脱」が根本原因だと述べたが、女性がパリ行きの便にどうやって乗り込んだのかについては、具体的に言及しなかった。