オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州の沿岸部で海岸の浸食が急激に進み、海を見下ろす豪邸が崩落の危機に陥っています。退避した住民らは、当局の対応に強い不信感を示しています。
シドニー北郊ワンベラル海岸の断崖の上に、40軒余りの邸宅が並びます。このところ何日も続いた高波で、崖の表面が崩れ始めました。先週撮影された映像には、建物に届きそうな高さまで打ち付ける波や、壊れた階段が映っています。
週末には庭が冠水したり、玄関やバルコニーが崩れたりした家もありました。当局は数十軒が危険な状態にあると判断しました。住民に対し、2時間以内に荷物をまとめて引き潮の間に退避するよう指示しました。
今年3月に発表された研究結果によると、オーストラリアでは2100年までに、海岸線の砂浜の約50%に相当する約1万1400キロが消失する恐れがあります。
同国の地球科学関連当局は、気候変動の影響による浸食の進展で、海岸付近にある3万9000棟近くの建物にリスクがあると公表しています。