ある医者から聞いた話だが、薬物依存の患者に、本物そっくりの薬を渡すと症状が落ち着くことがあるという。その後、「薬がなくても大丈夫」と説明すると、薬から離れるきっかけになるというのだ。これは治療の一環として行われるそうである。 こんなことができるのは、患者が、にせの薬を「本物の薬」と思いこむことで効果が現れる「プラセボ効果」が存在するからだ。 昔から、珍しい植物とか、動物の骨とかが難病に効くという話がよくある。成分からすると効くはずのないものが長く薬として使われた背景には、プラセボ効果があるとみられる。