一方、ロシア各地の当局によりますと、2日、ウクライナと国境を接する西部のクルスク州でビルなどが複数の無人機の攻撃を受けたほか、ブリャンスク州では2つの村がウクライナ軍の砲撃を受けたとしています。
また西部ベルゴロド州の知事は、1日から2日にかけてウクライナ側から激しい砲撃が繰り返され、2人が死亡したほか複数のけが人が出ていると発表し、プーチン政権に反対するロシア人などの義勇兵を名乗る2つの組織が関与を主張しています。
その上で、こうした事態をあらゆる手段を講じて阻止するよう治安機関のFSB=連邦保安庁の長官や内相に指示するなど、危機感を募らせていることをうかがわせています。 イギリス国防省は2日「ロシア軍は自国の国境地域か、ウクライナ占領地域か、どちらの防衛を強化するかという深刻なジレンマに直面している」と分析しています。
ゼレンスキー大統領は1日、自身のSNSでロシアによる攻撃を非難した上で「市民がシェルターに来たのに閉鎖されているようなことは二度と起きてはならない」と述べました。 そして「シェルターが24時間確実に利用できるようにすることは、地方当局の明確な義務だ。もし現場で義務が果たされないのであれば、それを罰するのが法執行機関の直接的な責任だ」としてシェルターの管理態勢を強化する考えを示しました。 シェルターは、ウクライナ国内の宿泊施設や店舗、学校などに設けられていて地元メディアは1日、キーウ市当局の話として市内には強度や安全性などが確認されているシェルターはおよそ3500か所あると伝えています。
アメリカ、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は2日、首都ワシントンのシンクタンクのイベントで講演しました。 サリバン補佐官は、ロシアが核軍縮条約「新START」の履行を一方的に停止したことや、中国が核戦力を増強していることなどを挙げ「冷戦後に構築された核体制に入ったひびは大きく、深い。人々を核の脅威から守るために新たな戦略が求められる時代に突入した」と述べました。 そして「アメリカとしては、核戦力の数を増やす必要はない」と述べ、競合国との軍拡競争ではなく、核兵器の近代化や最先端の通常兵器の開発を通じて効果的に抑止力を維持していくことができると説明しました。 さらに核兵器の管理を巡って「われわれはロシアや中国のそれぞれと無条件で協議に臨む用意がある」と述べ両国に対して対話を呼びかけました。 また、サリバン補佐官は、核兵器の管理をめぐる透明性を向上させるため、アメリカ、ロシア、中国にイギリスとフランスを加えた核を保有する5か国で協議する必要性を強調しました。
プーチン大統領 “あらゆる手段で阻止を”
ゼレンスキー大統領 シェルターの常時利用を示す
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