このうち、てんかんの発作を抑える治療薬の「カルバマゼピン」と「バルプロ酸ナトリウム」の患者への影響について「日本てんかん学会」が会員の医師を対象にアンケートを行い、先月3日までに全国から576件の回答が寄せられました。
具体的な対応について複数回答で尋ねたところ、 ▼54%が「新たに処方する患者には別の薬を選んでいる」 ▼36%が「1度に処方する日数を短くしている」 ▼26%が「処方の中止やほかの薬への切り替えを試みている」と回答しました。 さらに、「実際に処方を断ったり調整したりした」と回答した医師が、 ▼カルバマゼピンで11% ▼バルプロ酸ナトリウムで20%ありました。 患者への影響については、自由記述で、 「薬を切り替えたあとに病状が不安定になった」 「発作がコントロールできなくなった」とする回答もあったということです。
特に相談が多いのが、主な抗てんかん薬の1つ、「バルプロ酸ナトリウム」の先発医薬品で、どうしても確保できずに同じ有効成分の別の薬に処方を変更せざるをえないこともあるということです。 金中直輔院長は、「病状が安定しているときに急に別の薬に変えると有効成分が同じでも発作を誘発することがあり、懸念しています。患者さんの負担になりますが、何軒もの薬局を回ってなるべく探してもらうようにしています」と話しています。
薬の処方を断ることも…
別の薬に変更も発作の懸念
患者「不安でしかたがない」
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中には薬を切り替えたあとに、「患者の病状が不安定になった」とする報告もあり、学会では一刻も早い供給の回復を求めています。