35歳の菅野投手は今シーズン、15勝3敗、防御率1.67、勝率8割3分3厘の成績で最多勝と最高勝率の二冠に輝き、自身3回目のMVP=最優秀選手を受賞しました。
シーズン終了後は海外を含めたFAの権利を行使して大リーグへの移籍を目指していましたが、16日、オリオールズが菅野投手との契約に合意したと球団の公式SNSで発表しました。
アメリカのスポーツ専門チャンネル「ESPN」など複数のメディアは、菅野投手の契約は1年で1300万ドル、日本円でおよそ20億円と伝えています。
オリオールズはアメリカ東部のメリーランド州ボルティモアに本拠地を置くアメリカンリーグ東部地区の球団で、日本選手では上原浩治さんや、大リーグでの出場はなかったものの和田毅さんが所属し、昨シーズンは藤浪晋太郎投手もプレーしました。
今シーズンは91勝71敗でヤンキースに次いで地区2位となり、2年連続のプレーオフ進出を果たしましたが、ロイヤルズにワイルドカードシリーズで敗れていました。
菅野智之投手とは
菅野智之投手は神奈川県出身の35歳。
キレのあるストレートと多彩な変化球をコントロールよく投げ込むプロ野球を代表するピッチャーで巨人の通算12年間で276試合に登板し、136勝74敗、防御率2.43の成績を残しています。
これまでに最多勝や最優秀防御率など数々のタイトルを獲得しているほか、先発完投型のピッチャーに贈られる「沢村賞」も2017年と2018年の2年連続で受賞しています。
昨シーズンは右ひじのけがの影響もあり、プロに入って最も少ない4勝と苦しみましたが、今シーズンは15勝3敗の成績をマークしてチームの4年ぶりのリーグ優勝の原動力となりました。
また、最多勝と最高勝率のタイトルも獲得し、今シーズンのMVP=最優秀選手にも選ばれ、見事な復活を果たしました。
菅野投手は4年前、2020年のシーズン終了後にも巨人の生え抜き選手としては初めてポスティングシステムを利用して大リーグへの移籍を目指しましたが、そのときは交渉がまとまらず巨人に残留していました。
そして復活を果たした今シーズン、当時、大リーグに行けなかった時の悔しさを胸に海外を含めたFAの権利を行使し、大リーグ移籍を目指していました。
球団「オリオールズ」とは
オリオールズはメリーランド州ボルティモアに本拠地を置くアメリカンリーグ東部地区の球団です。
これまでに7回のリーグ優勝と3回のワールドシリーズ制覇を果たし、2632試合連続出場の大リーグ記録を持ち、歴代15位の通算3184本のヒットを打ったカル・リプケンさんなどがプレーしました。
ただ、ワールドシリーズを制覇したのは1983年が最後で、そこから40年以上、遠ざかっています。
昨シーズンは101勝61敗の成績で9年ぶりの地区優勝を果たし、今シーズンも91勝71敗でヤンキースに次ぐ地区2位となり2年連続でプレーオフに進出しました。
しかし、プレーオフのワイルドカードシリーズでロイヤルズに2連敗で敗れ、地区シリーズには進めませんでした。
中心選手は今シーズンホームラン37本、92打点をマークした23歳のショート、ガナー・ヘンダーソン選手で、有望な若手選手がそろっています。
その一方で、先発投手陣は今シーズンチームトップの15勝を挙げたコービン・バーンズ投手がシーズン終了後にFAとなり移籍が有力視されていて、補強が課題となっていました。
日本選手では上原浩治さんが2009年の大リーグデビューから2011年途中までプレーしたほか、和田毅さんが2012年から2シーズン所属しました。
ただ、和田さんは左ひじの手術を受けるなど、大リーグでの登板はありませんでした。
そして昨シーズンはシーズン途中で藤浪晋太郎投手が移籍し、リリーフとして30試合に投げて2勝0敗、防御率4.85をマークしていました。