東京のベンチャー企業「スペースワン」が開発した全長およそ18メートルの固体燃料式の小型ロケット「カイロス2号機」は、18日午前11時に和歌山県串本町にある発射場から打ち上げられました。
ロケットには5つの小型衛星が搭載されていて、打ち上げから50分余りあとに高度500キロ付近ですべての衛星を切り離し、予定の軌道に投入する予定でしたが、上昇中にトラブルが発生し、打ち上げは失敗しました。
企業によりますと、ロケットの1段目やフェアリングと呼ばれる人工衛星のカバーを分離したということですが、ミッション困難と判断し、飛行中断の措置を行ったということです。
初号機はことし3月、打ち上げの直後に爆発し、失敗していて、開発した企業は原因を究明した上で対策を講じていました。軌道への投入に成功すれば、民間企業単独の打ち上げとしては国内で初めてとなるはずでした。
打ち上げの失敗はことし3月の初号機に続いて2回連続で、企業は午後2時から記者会見を開き、詳しい状況を説明する予定です。
串本町の見学場「経過見られただけでも」「次回に期待」
和歌山県串本町のロケットの発射場からおよそ2キロ離れた田原海水浴場の見学場では、打ち上げ10秒前からカウンドダウンが始まり、ロケットの打ちあがる様子が見えると、見学場は歓声と拍手に包まれました。
しかし、飛行中断の措置が取られたというアナウンスが流されると、見学場に集まった人たちからは落胆の声が聞かれました。
これまでに5回見学に訪れているという大阪・枚方市の70代の男性は「5回目でやっと打ち上げが見られて最高だった。『ゴー』っという音が迫力があり、すごかったです」と話していました。
三重県鈴鹿市から訪れた4歳の男の子は「うまくいったと思ったけれど、ダメだったと聞いて悔しいです。次に向けて頑張ってほしいです」と話していました。
男の子の40代の母親は「すごく残念ですが、打ち上がるところは見られたので、次回に期待したいです」と話していました。
大阪・堺市の30代の女性は「この経験がこれからにつながると思うので、きょうはその経過を見られただけでもいいのかなと思います。また見守っていきたいです」と話していました。