ロシア “人々がパニックに” 招集令状のオンライン通知可能に - Easy News

ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは、今月こんげつ14日にち、兵役へいえき義務ぎむの招集しょうしゅう令状れいじょうについて、書面しょめんによる手渡てわたしから、オンラインによる通知つうちも可能かのうとする改正かいせい法案ほうあんに署名しょめいし成立せいりつさせました。

招集しょうしゅう令状れいじょうは、政府せいふのポータルサイトに登録とうろくした個人こじんのアカウントに通知つうちされる仕組しくみで、本人ほんにんが通知つうちを開ひらいていなくても届とどいた時点じてんで効力こうりょくが発生はっせいするということです。

招集しょうしゅう令状れいじょうが届とどくと、ロシアからの出国しゅっこくが禁止きんしされるほか、通知つうちから20日にち以内いないに招集しょうしゅうに応おうじなければ、自動車じどうしゃの運転うんてんや不動産ふどうさんの登録とうろく、それに銀行ぎんこうなどからの融資ゆうしを受うけることができなくなるなど、生活せいかつする上うえでさまざまな制約せいやくを受うけるということです。

ロシアの国営こくえい通信つうしん社しゃは、今月こんげつ20日にち、プーチン大統領だいとうりょうの出身しゅっしん地ちサンクトペテルブルクで試験しけん運用うんようが始はじまったと伝つたえ、携帯けいたい電話でんわのショートメッセージで招集しょうしゅう令状れいじょうを送おくる方法ほうほうも検討けんとうされているとしています。

プーチン政権せいけんは去年きょねん9月つき、予備よび役やくの動員どういんに踏み切ふみきり、ロシア国内こくないでは、招集しょうしゅう令状れいじょうの受け取うけとりを拒こばんだり、国外こくがいに脱出だっしゅつしたりする市民しみんも相次あいついでいて、今回こんかいの法ほう改正かいせいは、政権せいけん側がわが招集しょうしゅう逃のがれを抑え込おさえこもうとしているという見方みかたがでています。

ロシア兵へい支援しえんのNGO「人々ひとびとはパニックに陥おちいっている」

ロシア兵へいなどの人権じんけん保護ほごに取り組とりくむNGO「徴集ちょうしゅう兵へいの学校がっこう」の代表だいひょうで、現在げんざいは、ロシア国外こくがいで活動かつどうを続つづけるアレクセイ・タバロフ氏しはNHKのオンラインインタビューに対にたいし、招集しょうしゅう令状れいじょうがオンラインで通知つうちされることが可能かのうになったことについて、「令状れいじょうを受うけ渡わたす原則げんそくが厳格げんかく化かされた。人々ひとびとはパニックに陥おちいっている」と述のべました。

その理由りゆうについて、タバロフ氏しは「人々ひとびとにとってロシアから出国しゅっこく禁止きんしになることが恐おそろしく、『鉄てつのカーテンが下おりてもう終おわりだ。どこにも行いけなくなる』と考かんがえているからだ。また、国民こくみんは、すぐに招集しょうしゅうされ、ウクライナへ派遣はけんされると考かんがえていて、軍ぐんから逃のがれることも隠かくれることもできなくなるという雰囲気ふんいきが作つくられた」と指摘してきしました。

また、タバロフ氏しは「国民こくみんは動員どういんに否定ひてい的てきだったため、政権せいけんは、動員どういんから契約けいやくによる兵士へいし募集ぼしゅうという、異ことなるパッケージで包み込つつみこんだ。しかし、これは動員どういんのようなものだ」と述のべました。

その上うえで政権せいけん側がわは、高額こうがくな報酬ほうしゅうを掲かかげてロシアの地方ちほうで兵士へいしを募集ぼしゅうするほか、徴集ちょうしゅうされた若者わかものに対にたいし、軍ぐんが圧力あつりょくを強つよめてウクライナの戦地せんちに行いくよう新あらたな契約けいやくを結むすばせる可能かのう性せいがあると懸念けねんを示しめしました。

一方いっぽう、来月らいげつ9日にちの第だい2次じ世界せかい大戦たいせんの戦勝せんしょう記念きねん日びにあわせて各地かくちで行おこなわれてきた「不滅ふめつの連隊れんたい」と呼よばれる市民しみんの行進こうしんがことしは見送みおくられることについて、タバロフ氏しは「プーチン政権せいけんは、ウクライナの戦争せんそうで犠牲ぎせいになった兵士へいしの遺影いえいを持もった人々ひとびとが路上ろじょうに出でてくることを懸念けねんしている。反戦はんせん運動うんどうにつながる制御せいぎょできない激はげしい怒いかりを呼び起よびおこす可能かのう性せいもある」と述のべ、政権せいけん側がわが戦争せんそうをめぐる国内こくない世論せろんに神経しんけいをとがらせているという見方みかたを示しめしました。