去年10月31日に起きた首里城の火災では「正殿」を含む6棟が全焼し、警察と消防は出火原因について、電気系統のトラブルの可能性が高いものの、特定はできないと結論づけています。
火災から1年となった31日、首里城では早朝に消防や城の警備員などおよそ70人が参加して消火訓練が行われ、火災の反省に基づいて初期消火の手順や連携を確認し合っていました。
31日からは恒例の首里城祭が開催されるなどさまざまなイベントが行われていて、地元の人や観光客が大勢訪れてかつて正殿があった場所などを写真に収めていました。
子どもと訪れた、近くに住む40代の女性は「首里城は沖縄の象徴で、県民のよりどころになる建物だと思うので、元の姿を早く取り戻してほしいです」と話していました。
また首里城のガイドを行っている80代の男性は、「早く再建してもらい、世界の首里城であることを多くの人にわかってもらえるよう、ガイド活動も続けていきたい」と話していました。
国は6年後の2026年までの再建を目指す計画で、火災から1年の節目となる31日は人々が再建への思いを寄せる一日となりそうです。
復興を願い「シーサー」を作る催しも
首里城の復興を願い焼け落ちた赤瓦の破片を使って沖縄の魔よけの獅子、「シーサー」を作る催しが行われました。
催しは首里城近くで開かれ、親子連れなどおよそ20人がシーサー作りに挑戦しました。
参加した人たちは、赤瓦の破片を石灰などで作られたさまざまな表情のシーサーに仕上げていました。
材料に使われた赤瓦は、火災で全焼した「寄満」という文化財を保管していた建物に使われていたものだということです。
近くに住む7歳の男の子は、「瓦どうしをくっつけるのが大変だった。
まだたくさん作りたいです」と話していました。
父親の44歳の男性は、「小さい頃から首里城を見てきたので、火災が起きたときはショックでしたが、きょう作ったシーサーにも火災で焦げた跡が残った瓦が使われているので火災の記憶を子どもたちにも伝えるきっかけにしていきたい」と話していました。