今年度こんねんどの補正ほせい予算よさん案あんを閣議かくぎ決定けってい 赤字あかじ国債こくさいの追加ついか発行はっこうも

この中なかでは、台風たいふう19号ごうなど一連いちれんの災害さいがいからの復旧ふっきゅう・復興ふっこうや「国土こくど強靭きょうじん化か」に向むけた河川かせんの堤防ていぼうなどのインフラ強化きょうかに２に兆ちょう3086億おく円えんを計上けいじょうしました。

また、高齢こうれいドライバーによる交通こうつう事故じこを防ふせぐため、自動じどうブレーキを備そなえた車くるまの購入こうにゅうに対にたいする補助ほじょなどに1139億おく円えん、小中こなか学生がくせいに１いち人にん１いち台だいのパソコンやタブレットを配備はいびすることを目指めざす事業じぎょうなどに2318億おく円えんを盛り込もりこみました。

この結果けっか、追加ついかの歳出さいしゅつは一般いっぱん会計かいけいで４よん兆ちょう4722億おく円えんとなります。

そのための財源ざいげんは、公共こうきょう事業じぎょうなどに使い道つかいみちを限かぎった建設けんせつ国債こくさいを２に兆ちょう1917億おく円えん発行はっこうするなどして捻出ねんしゅつします。

一方いっぽう、今年度こんねんどの税収ぜいしゅうの見込みこみは米べい中ちゅうの貿易ぼうえき摩擦まさつの影響えいきょうなどで法人ほうじん税ぜいの税収ぜいしゅうが減へっていることから当初とうしょより２に兆ちょう3150億おく円えん引き下ひきさげ、財源ざいげん不足ふそくを補おぎなうため赤字あかじ国債こくさいを２に兆ちょう2297億おく円えん発行はっこうします。

年度ねんどの途中とちゅうで赤字あかじ国債こくさいを追加ついか発行はっこうするのは３さん年ねんぶりです。

政府せいふはこの補正ほせい予算よさん案あんを年明としあけの通常つうじょう国会こっかいに提出ていしゅつすることにしています。

今年度こんねんどの補正ほせい予算よさん案あんに計上けいじょうされた主おもな項目こうもくです。

１いち災害さいがいからの復旧ふっきゅう・復興ふっこう

新あらたな経済けいざい対策たいさくのうち、台風たいふう19号ごうなど一連いちれんの災害さいがいからの復旧ふっきゅう・復興ふっこう、国民こくみんの安全あんぜん・安心あんしんの確保かくほには、２に兆ちょう3086億おく円えんが計上けいじょうされました。

この中なかには防災ぼうさい・減げん災わざわいと「国土こくど強靭きょうじん化か」に向むけて、▽河川かせんの堤防ていぼうのかさ上あげや、川底かわぞこを掘削くっさくして水位すいいの上昇じょうしょうを防ふせぐなどの治水ちすい対策たいさくに2437億おく円えん、▽市街しがい地ちの浸水しんすい被害ひがいを防ふせぐため、雨水あまみずをためておく施設しせつの整備せいびに673億おく円えんが盛り込もりこまれています。

また、▽台風たいふう15号ごうにより千葉ちば県けんで大だい規模きぼな停電ていでんが発生はっせいしたことを踏ふまえて、市街しがい地ちの緊急きんきゅう輸送ゆそう道路どうろなどで電線でんせんを地中ちちゅうに埋うめる「無む電柱でんちゅう化か」の加速かそくに205億おく円えん。

▽台風たいふう19号ごうによる豪雨ごうう災害さいがいで出でた廃棄はいき物ぶつの処理しょりなどにおよそ535億おく円えん、▽災害さいがいに強つよい処理しょり施設しせつの整備せいびに480億おく円えん余あまりを計上けいじょうしました。

▽東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの発生はっせいから再さい来年らいねん３月さんがつで10年ねんになることを踏ふまえ、被災ひさい地ちでのインフラ整備せいびなどの費用ひよう、およそ2700億おく円えんを盛り込もりこみました。

一方いっぽう、▽大だい規模きぼな火災かさいで主要しゅような建物たてものが全焼ぜんしょうした那覇なは市しの首くび里さと城じょうの復元ふくげんに向むけたがれきの撤去てっきょなどに８はち億おく円えんを計上けいじょうしました。

２に経済けいざいの下した振ふれリスク対応たいおう

経済けいざいの下した振ふれリスクに備そなえるための対策たいさくには、9173億おく円えんが計上けいじょうされました。

この中なかで、▽中小ちゅうしょう・小しょう規模きぼ事業じぎょう者しゃの生産せいさん性せいの向上こうじょうに向むけて、革新かくしん的てきな製品せいひんやサービスを開発かいはつするための設備せつび投資とうしや、最低さいてい賃金ちんぎんの引き上ひきあげに向むけた支援しえんなどに3847億おく円えん。

▽日にち米べいの貿易ぼうえき協定きょうていを踏ふまえ、和牛わぎゅうの増産ぞうさんに向むけた支援しえんの拡充かくじゅうや農林のうりん水産すいさん業ぎょうの輸出ゆしゅつ拡大かくだいに向むけた施設しせつ整備せいびの補助ほじょなどに3428億おく円えんを計上けいじょうしました。

また、▽いわゆる「就職しゅうしょく氷河期ひょうがき世代せだい」の支援しえんを強化きょうかするため86億おく円えんを計上けいじょうしました。

３さんオリパラ後ごを見据みすえた景気けいき活性かっせい化か策さく

東京とうきょうオリンピック・パラリンピック後ごを見据みすえた景気けいき活性かっせい化か策さくには１いち兆ちょう771億おく円えんが計上けいじょうされました。

この中なかでは▽10月つきから始はじまったキャッシュレス決済けっさいのポイント還元かんげん制度せいどで、想定そうていを上回うわまわるペースで利用りようが増ふえていることから、還元かんげんするポイントの原資げんしなどとして1497億おく円えん。

▽高齢こうれいドライバーによる交通こうつう事故じこを防ふせぐため、自動じどうブレーキを備そなえた車くるまの購入こうにゅうに最大さいだい10万まん円えんの補助ほじょ金きんを出だす制度せいどなどに1139億おく円えんを盛り込もりこみました。

また▽令りょう和わ５ご年度ねんどまでに小しょう中学生ちゅうがくせいに１いち人にん１いち台だいのパソコンやタブレットを配備はいびすることを目指めざす事業じぎょうなどに2318億おく円えん。

▽高速こうそく・大だい容量ようりょうの通信つうしん規格きかく、５ごＧぎがのさらに次つぎの世代せだいにあたる「ポスト５ごＧぎが」の技術ぎじゅつ開発かいはつを支援しえんする基金ききんを設もうけるため1100億おく円えんを盛り込もりこみました。

さらに、▽ことし日本にっぽんで開催かいさいされたラグビーワールドカップをきっかけに、子こどもや地域ちいきの人ひとたちがラグビーをプレーできる施設しせつを増ふやすため、自治体じちたいのスポーツ施設しせつの新築しんちくや改修かいしゅうを補助ほじょする費用ひようとして20億おく円えん、▽首くび里さと城じょうの火災かさいを踏ふまえて、国宝こくほうや重要じゅうよう文化財ぶんかざいの防火ぼうか・防災ぼうさい対策たいさくを進すすめるため58億おく円えんを計上けいじょうしました。

その他そのた経費けいひ

このほか、経済けいざい対策たいさく以外いがいでは、▽幼児ようじ教育きょういくと保育ほいくの無償むしょう化かをめぐって、保育ほいく所しょの利用りよう者しゃが想定そうていより多おおかったことなどから今年度こんねんど予算よさんに計上けいじょうした経費けいひが不足ふそくするため、392億おく円えんを追加ついかで計上けいじょうしました。

菅かん官房かんぼう長官ちょうかん「経済けいざい成長せいちょうと財政ざいせい健全けんぜん化かの両立りょうりつを」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは、臨時りんじ閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで、今年度こんねんどの補正ほせい予算よさん案あんで、赤字あかじ国債こくさいを追加ついかで発行はっこうすることについて、「今回こんかいの赤字あかじ国債こくさいの発行はっこうは、海外かいがい経済けいざいの影響えいきょうによる税収ぜいしゅうの減少げんしょうを受うけたものだ。海外かいがい経済けいざいを要因よういんとする先行さきゆきリスクに対応たいおうするため、経済けいざい対策たいさくを策定さくていしたところだ。経済けいざい対策たいさくを着実ちゃくじつに実行じっこうすることにより、持続じぞく的てきな経済けいざい成長せいちょうを実現じつげんし、経済けいざい成長せいちょうと財政ざいせい健全けんぜん化かの両立りょうりつを図はかっていきたい」と述のべました。