日本にっぽん型がた雇用こようシステムの見直みなおし明確めいかくに 経団連けいだんれんが春闘しゅんとうに向むけ指針ししん

今回こんかいの指針ししんは、新卒しんそつ一括いっかつ採用さいようや終身しゅうしん雇用こよう、それに年功ねんこう型がた賃金ちんぎんなど、戦後せんご、長ながく続つづいてきた日本にっぽん型がた雇用こようシステムの見直みなおしを明確めいかくに打ち出うちだしたのが特徴とくちょうです。

指針ししんでは、日本にっぽん型がた雇用こようシステムについて長期ちょうき的てきな人材じんざい育成いくせいや計画けいかく的てきな採用さいようなどでメリットがあったとする一方いっぽう、企業きぎょう活動かつどうのグローバル化かやデジタル化かなど経営けいえい環境かんきょうが変化へんかする中なかで、「必かならずしも時代じだいに合あわないケースが増ふえている」と指摘してきしました。

そのうえで、海外かいがいの優秀ゆうしゅうな人材じんざいや意欲いよくのある若手わかて社員しゃいんを確保かくほするためにも、中途ちゅうと採用さいようや通年つうねん採用さいようの拡大かくだいや、年齢ねんれいや勤続きんぞく年数ねんすうではなく仕事しごとの成果せいかをより重視じゅうしした昇給しょうきゅう制度せいどを検討けんとうするよう呼よびかけています。

また今回こんかいの指針ししんでは、基本きほん給きゅうを引き上ひきあげるベースアップを「選択肢せんたくしとなり得える」として、賃上ちんあげに前向まえむきな姿勢しせいを示しめしました。ただ、引き上ひきあげにあたっては、一律いちりつに行おこなうのではなく、業務ぎょうむの内容ないようや成果せいかに応おうじて重点的じゅうてんてきに配分はいぶんする方法ほうほうも検討けんとうすべきだとしています。

ことしの春闘しゅんとうは、今月こんげつ28日にちに行おこなわれる予定よていの経団連けいだんれんと連合れんごうとのトップ会談かいだんで事実じじつ上じょうスタートしますが、賃金ちんぎんの水準すいじゅんだけでなく、雇用こよう制度せいどそのものをどう見直みなおすかを巡めぐっても労使ろうし間かんで議論ぎろんが交かわされることになりそうです。

大橋おおはし副ふく会長かいちょう「今いままでの流ながれだけでは難むずかしく」

日本にっぽん型がた雇用こようシステムについて経団連けいだんれんの大橋おおはし副ふく会長かいちょうは記者きしゃ会見かいけんで、「春はるの定期ていき採用さいようや、定年ていねんまでの長期ちょうき雇用こよう、年功ねんこう序列じょれつ的てきな賃金ちんぎん体系たいけいは日本にっぽんの成長せいちょうを支ささえてきたし、海外かいがいに比くらべて若年じゃくねん労働ろうどう者しゃの雇用こよう率りつが高たかいという意味いみでも、いい制度せいどであることは間違まちがいない。その一方いっぽうで、デジタル化かやグローバル化かが進すすみ、業界ぎょうかいと業界ぎょうかい、業種ぎょうしゅと業種ぎょうしゅの境目さかいめがどんどん無なくなり、変化へんかが激はげしくなっている中なかでは今いままでの流ながれだけでは難むずかしくなってきているのも事実じじつだ」と指摘してきしました。

そのうえで大橋おおはし副ふく会長かいちょうは「雇用こようシステムの見直みなおしは、今回こんかいの春闘しゅんとうだけでなく年間ねんかんを通をつうじて、労使ろうしで議論ぎろんする項目こうもくだ」と述のべ労使ろうし間かんで継続けいぞくして議論ぎろんすべきだという認識にんしきを示しめしました。