兵庫ひょうご 斎藤さいとう知事ちじ 知事ちじ選せんで支援しえんのPR会社かいしゃへの支払しはらい内訳うちわけ明あきらかに

兵庫ひょうご県知事けんちじ選挙せんきょで再選さいせんした斎藤さいとう知事ちじの陣営じんえいのSNS運用うんようについて兵庫ひょうご県けん西宮にしのみや市しのPR会社かいしゃの代表だいひょうが11月つき20日にちに戦略せんりゃくの立案りつあんを行おこなったなどとする記事きじをウェブサイトに投稿とうこうしたことをめぐり、選挙せんきょ運動うんどうの対価たいかとして報酬ほうしゅうを支払しはらうことを禁止きんしした公職こうしょく選挙せんきょ法ほうに違反いはんしているのではないかとの指摘してきが出でています。

これに対にたいし、斎藤さいとう知事ちじは法律ほうりつで認みとめられているポスター制作せいさくなどの費用ひようとしておよそ70万まん円えんをPR会社かいしゃに支払しはらったとしたうえで「SNSの運用うんようは自分じぶんや斎藤さいとう事務所じむしょが主体しゅたい的てきにやっていた」などとして、違法いほう性せいを否定ひていする認識にんしきを示しめしています。

そして、26日にち、PR会社かいしゃに支払しはらった金額きんがくの内訳うちわけについて斎藤さいとう知事ちじの代理人だいりにんの弁護士べんごしが取材しゅざいに応おうじ

▽公約こうやくのスライド制作せいさくが30万まん円えん

▽チラシのデザイン制作せいさくが15万まん円えん

▽メインビジュアルの企画きかく・制作せいさくが10万まん円えん

▽ポスターデザイン制作せいさくが5万まん円えん

▽選挙せんきょ公報こうほうデザイン制作せいさくが5万まん円えんと説明せつめいしました。

PR会社かいしゃには消費しょうひ税ぜいを含ふくめて合あわせて71万まん5000円えんを11月つき4日にちに支払しはらったとしています。

また、PR会社かいしゃとの間まで正式せいしきな契約けいやく書しょを交かわしていないものの、会社かいしゃからの請求せいきゅう書しょは存在そんざいするとしています。

そのうえで広報こうほう戦略せんりゃく業務ぎょうむを発注はっちゅうした事実じじつはないとしています。

斎藤さいとう知事ちじ「法令ほうれい抵触ていしょくはないと認識にんしき」

斎藤さいとう知事ちじは記者きしゃ団だんに対にたいし「県民けんみんに心配しんぱいをかけていることは申し訳もうしわけない。PR会社かいしゃにはポスターの制作せいさくなどをお願おねがいし、支払しはらいをした。公職こうしょく選挙せんきょ法ほうなど法令ほうれいに抵触ていしょくすることはないと認識にんしきしている」と述のべ、改あらためて違法いほう性せいを否定ひていする認識にんしきを示しめしました。

そしてPR会社かいしゃについては、支援しえん者しゃを通をとおして紹介しょうかいしてもらったとしたうえで、この会社かいしゃの代表だいひょうについては「活躍かつやくしている人ひとなので知しっていたが、親したしくしていたわけではない」と述のべました。

専門せんもん家か「物的ぶってき証拠しょうこを示しめして説明せつめいが望のぞましい」

公職こうしょく選挙せんきょ法ほうに詳くわしい元もと検事けんじの亀井かめい正貴まさたか 弁護士べんごしは、PR会社かいしゃの代表だいひょうがウェブサイト上じょうに投稿とうこうした記事きじについて、「内容ないようが全部ぜんぶ本当ほんとうだとしたら、SNSの管理かんりや運営うんえいを行おこなっている可能かのう性せいがあり、選挙せんきょ運動うんどうになる。そこに対にたいしてお金おかねを支払しはらうと買収ばいしゅう罪ざいが成立せいりつする」と指摘してきしています。

斎藤さいとう知事ちじは

▽SNSの運営うんえいは斎藤さいとう事務所じむしょが主体しゅたい的てきに行いっていたとか

▽PR会社かいしゃの代表だいひょうはボランティアとして個人こじんで参加さんかしたと認識にんしきしている

などと説明せつめいしています。

公職こうしょく選挙せんきょ法ほうではインターネットを利用りようした選挙せんきょ運動うんどうを行おこなった者ものに、対価たいかとして報酬ほうしゅうを支払しはらうことを禁止きんししていて、亀井かめい弁護士べんごしは「立候補りっこうほの準備じゅんび行為こういを報酬ほうしゅうをもらって行おこない、選挙せんきょ運動うんどうはボランティアで行おこなうと事前じぜんに話はなしを切り分きりわけていれば問題もんだいがない。ただし、選挙せんきょ運動うんどうも含ふくむ対価たいかになると買収ばいしゅう罪ざいに該当がいとうする可能かのう性せいが出でてくる。この場合ばあい、事前じぜんの協議きょうぎの内容ないようによって、違法いほうかどうかが決きまる」と述のべました。

そのうえで、「知事ちじとPR会社かいしゃの間まで、LINEやメールで見積みつもりのようなものを提示ていじしているのであれば、それも証拠しょうこになってくる。物的ぶってき証拠しょうこを示しめしたうえで説明せつめいすることが望のぞましいと思おもうし、自分じぶんは悪わるくないということを立証りっしょうできる可能かのう性せいもある」と話はなしています。

一方いっぽう、代表だいひょう個人こじんとしてだけでなく、会社かいしゃとして関かかわっていた場合ばあいには別べつの問題もんだいが出でてくると指摘してきしています。

代表だいひょうは記事きじの中なかで、2021年ねんから2023年ねんにかけて、兵庫ひょうご県けんの有識者ゆうしきしゃ会議かいぎの委員いいんなどに就任しゅうにんしたと記しるしています。

公職こうしょく選挙せんきょ法ほうは選挙せんきょが行おこなわれる自治体じちたいと、請負うけおいなど特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやくを結むすんでいる場合ばあいは、選挙せんきょに関にかんする寄付きふをしてはならないと定さだめていて、亀井かめい弁護士べんごしは県けんと会社かいしゃの契約けいやくがこれにあたるのかが焦点しょうてんだとしています。

そのうえで、代表だいひょうの会社かいしゃが無償むしょうで選挙せんきょ運動うんどうに関かかわった場合ばあいは、その分ぶんの働はたらきが寄付きふと見みなされる可能かのう性せいがあるとして、従業じゅうぎょう員いんが関かかわっているかどうかなども、今後こんごのポイントになると指摘してきしています。

PR会社かいしゃ代表だいひょうの記事きじとは

兵庫ひょうご県けん西宮にしのみや市しのPR会社かいしゃの代表だいひょうがウェブサイトに記事きじを投稿とうこうしたのは、兵庫ひょうご県知事けんちじ選挙せんきょの3日にち後ごの11月つき20日にちでした。

内容ないようは再選さいせんした斎藤さいとう知事ちじの陣営じんえいのSNS運用うんように関にかんするもので、代表だいひょうははじめに「広報こうほう全般ぜんぱんを任まかせていただいた立場たちばとして、まとめを残のこしておきたいと思おもいます」としたうえで、当時とうじの提案ていあん資料しりょうの一部いちぶを公開こうかいしています。

「兵庫ひょうご県知事けんちじ選挙せんきょに向むけた広報こうほう戦略せんりゃくのご提案ていあん」というタイトルの表紙ひょうしとみられる画像がぞうや、「SNS運用うんよう方針ほうしん」というイラスト付つきの資料しりょうの画像がぞうです。

また、現在げんざいは削除さくじょされていますが、投稿とうこうされた当初とうしょは、10月つき1日にちから投票とうひょう日びまでを3つの期間きかんに分わけ、期間きかんごとのターゲットや配信はいしん内容ないようなどを一覧いちらん表ひょうにまとめた「SNS運用うんようフェーズ」という資料しりょうの一部いちぶも公開こうかいされていました。

この資料しりょうのあとには、斎藤さいとう知事ちじに提案ていあんを説明せつめいした時ときの状況じょうきょうについて「ご本人ほんにんは私わたしの提案ていあんを真剣しんけんに聞きいてくださり、広報こうほう全般ぜんぱんを任まかせていただくことになりました」という記述きじゅつがありましたが、これも現在げんざいは削除さくじょされています。

現在げんざい公開こうかいされている記事きじではこのほか、プロフィール撮影さつえい、コピー・メインビジュアルの一新いっしん、SNSアカウント立たち上あげ、ポスター・チラシ・選挙せんきょ公報こうほう・政策せいさくスライド、それにSNS運用うんようの合あわせて5つの項目こうもくを立たて、それぞれの内容ないようについて紹介しょうかいしています。

このうちSNS運用うんようの項目こうもくでは、斎藤さいとう陣営じんえいが公式こうしきに情報じょうほうを発信はっしんしていた4つのアカウントについて「期間きかん中ちゅう全ぜん神経しんけいを研ぎ澄とぎすましながら管理かんり・監修かんしゅうできるアカウント数すうはこの4つが限界げんかいでした」としています。

また、「私わたしが監修かんしゅう者しゃとして、運用うんよう戦略せんりゃく立案りつあん、アカウントの立たち上あげ、プロフィール作成さくせい、コンテンツ企画きかく、文章ぶんしょうフォーマット設計せっけい、情報じょうほう選定せんてい、校正こうせい・推敲すいこうフローの確立かくりつ、ファクトチェック体制たいせいの強化きょうか、プライバシーへの配慮はいりょなどを責任せきにんを持もって行おこない、信頼しんらいできる少数しょうすう精鋭せいえいのチームで協力きょうりょくしながら運用うんようしていました」と説明せつめいしています。

さらに、写真しゃしんや動画どうがの撮影さつえいについても「私わたし自身じしんも現場げんばに出でて撮影さつえいやライブ配信はいしんを行おこなうこともありました」としています。

そして、選挙せんきょを終おえた感想かんそうとして「質しつ・量りょう・スピード全すべてが求もとめられ、食たべる暇ひまも寝ねる暇ひまもない程ほどでした」としたうえで、「そのような仕事しごとを、東京とうきょうの大手おおて代理だいり店てんではなく、兵庫ひょうご県けんにある会社かいしゃが手掛てがけたということもアピールしておきたいです」と記しるしていました。

斎藤さいとう知事ちじ側がわの主張しゅちょうは

PR会社かいしゃの代表だいひょうが投稿とうこうした記事きじの内容ないようをめぐり、公職こうしょく選挙せんきょ法ほうに違反いはんしているのではないかとの指摘してきが出でていることについて、斎藤さいとう知事ちじは25日にち記者きしゃ団だんに対にたいし、PR会社かいしゃには法律ほうりつで認みとめられているポスター制作せいさくなどの費用ひようとして70万まん円えんほどを支払しはらったと説明せつめいしました。

そのうえで、「SNSなどについてはあくまで斎藤さいとう事務所じむしょなどが主体しゅたい的てきにやっていた。PR会社かいしゃの代表だいひょうはボランティアとして個人こじんで参加さんかされたと認識にんしきしている。公職こうしょく選挙せんきょ法ほうに違反いはんするような事実じじつはない」と述のべ、違法いほう性せいを否定ひていする認識にんしきを示しめしています。

また、斎藤さいとう知事ちじの代理人だいりにんの弁護士べんごしはこれまでに、知事ちじが選挙せんきょの準備じゅんび行為こういとしての写真しゃしん撮影さつえいやポスター作製さくせいなどの打ち合うちあわせのため、ことし9月つきにPR会社かいしゃのオフィスを訪問ほうもんしたことを明あきらかにしています。

その際さいに「広報こうほうやSNSの活用かつようについての説明せつめいを受うけた」とする一方いっぽう、「SNS戦略せんりゃくの企画きかく立案りつあんなどについて依頼いらいをしたというのは事実じじつではない」としています。また、PR会社かいしゃとの間まで正式せいしきな契約けいやく書しょは交かわしていないものの、ポスター制作せいさくなどに関にかんする会社かいしゃからの請求せいきゅう書しょは存在そんざいするとしたうえで、「公職こうしょく選挙せんきょ法ほうに抵触ていしょくする事実じじつはない」としています。

公職こうしょく選挙せんきょ法ほうと総務そうむ省しょうの見解けんかい

公職こうしょく選挙せんきょ法ほうではインターネットを利用りようした選挙せんきょ運動うんどうを行おこなった者ものに、その対価たいかとして報酬ほうしゅうを支払しはらうことを禁止きんししています。

総務そうむ省しょうはホームページで「一般いっぱん論ろんとして、業者ぎょうしゃが主体しゅたい的てき・裁量さいりょう的てきに選挙せんきょ運動うんどうの企画きかく立案りつあんを行おこなう場合ばあいには、その業者ぎょうしゃへの報酬ほうしゅうの支払しはらいは買収ばいしゅうとなるおそれが高たかいと考かんがえられる」などとしています。

一方いっぽう、「機械きかい的てきに候補こうほ者しゃへのひぼう中傷ちゅうしょうを監視かんしする場合ばあい、あるいはひぼう中傷ちゅうしょうの内容ないようを単たんに否定ひていする書き込かきこみを行おこなう場合ばあいには、直ただちに買収ばいしゅうとはならないものと考かんがえられる」としています。

兵庫ひょうご県けんの選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいには、PR会社かいしゃの代表だいひょうがウェブサイトに投稿とうこうした記事きじを見みた人ひとたちから、内容ないようが事実じじつであれば違法いほうではないかという指摘してきが複数ふくすう寄よせられているということです。

立たつ民みん 小川おがわ幹事かんじ長ちょう「想定そうていされてないことが起おき 議論ぎろんする必要ひつよう」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの小川おがわ幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ会見かいけんで「ネットが選挙せんきょ運動うんどうの主役しゅやくに躍り出おどりでつつあり、大手おおてメディアも含ふくめてある種たねの脅威きょういと感かんじているのではないか。表現ひょうげんの自由じゆうは民主みんしゅ主義しゅぎの根幹こんかんに関かかわることで、法律ほうりつによる規制きせいやルール化かの議論ぎろんは極きわめて抑制よくせい的てきであるべきだが、ポスターの掲示けいじ枠わくを売うったり、人ひとを当選とうせんさせるために立候補りっこうほして発言はつげん権けんを得えるといった、想定そうていされていないことが起おきており、議論ぎろんする必要ひつようがある」と述のべました。

維新いしん 藤田ふじた幹事かんじ長ちょう「言論げんろん空間くうかんの規制きせいには抑制よくせい的てきであるべき」

日本にっぽん維新いしんの会かいの藤田ふじた幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし「短みじかい選挙せんきょ期間きかん中ちゅうに流布るふされたデマなどをなかなか打ち消うちけせないもどかしさはあり、対応たいおうは考かんがえないといけないが、多おおくの人ひとに主張しゅちょうを知しってもらえるツールでもある。単純たんじゅんな切り分きりわけはできず、非常ひじょうに難むずかしいが、SNSなどの言論げんろん空間くうかんの規制きせいには抑制よくせい的てきであるべきだ」と述のべました。

共産きょうさん 小池こいけ書記しょき局長きょくちょう「政党せいとう間かんでよく協議きょうぎしていくべき課題かだい」

共産きょうさん党とうの小池こいけ書記しょき局長きょくちょうは記者きしゃ会見かいけんで「大だい原則げんそくで言いえば、選挙せんきょ期間きかん中ちゅうの言論げんろん活動かつどうへの法的ほうてきな規制きせいには慎重しんちょうであるべきだが、事実じじつと全まったく異ことなる情報じょうほうが出でてきているのが実態じったいで、公職こうしょく選挙せんきょ法ほうに違反いはんしているようなやり方やりかたもあったのではないかという指摘してきもされている。選挙せんきょ期間きかん中ちゅうのSNSのあり方ありかたは政党せいとう間かんでよく協議きょうぎしていくべき課題かだいではないか」と述のべました。