キャッシュレス決済けっさい限定げんていバス 秋あき以降いこう 全国ぜんこく約やく10路線ろせんで実証じっしょう運行うんこうへ

路線ろせんバスでは現在げんざい、現金げんきんによる支払しはらいと交通こうつう系けいICカードなどを使つかったキャッシュレス決済けっさいとが混在こんざいしています。

ただ、人口じんこう減少げんしょうや運転うんてん手しゅの人手ひとで不足ふそくでバス会社かいしゃの経営けいえい環境かんきょうが厳きびしくなる中なか、業界ぎょうかい団体だんたいからは、現金げんきんの管理かんりに手間てまがかかり、新しん紙幣しへいの発行はっこうを控ひかえて運賃うんちん箱ばこを切り替きりかえるコストもかさむなどとして、キャッシュレス決済けっさいに限定げんていした運行うんこうを認みとめるよう要望ようぼうが出でていました。

これを受うけて国土こくど交通こうつう省しょうは、7月つきにもバスの運行うんこうルールを定さだめた「運送うんそう約款やっかん」を改あらため、運賃うんちんの支払しはらいを原則げんそくとして、現金げんきんではなくキャッシュレス決済けっさいに限定げんていしたバスの運行うんこうを認みとめることにしています。

一方いっぽうで、利用りよう者しゃの利便りべん性せいなどを確認かくにんする必要ひつようがあるとして、関係かんけい者しゃによりますとバス会社かいしゃを公募こうぼしてこの秋あき以降いこう、全国ぜんこくおよそ10の路線ろせんで実証じっしょう的てきな運行うんこうを行おこなう方針ほうしんです。

国土こくど交通こうつう省しょうは、キャッシュレス決済けっさいに限定げんていした場合ばあいのバス会社かいしゃの負担ふたんの変化へんかや利用りよう者しゃへの影響えいきょうなどを検証けんしょうし、本格ほんかく的てきな実施じっしにつなげたい考かんがえです。

バス業界ぎょうかいは新しん紙幣しへいの対応たいおうに苦慮くりょ

またバス業界ぎょうかいは20年ねんぶりとなる新あらたな紙幣しへいが発行はっこうされるのを前まえに、対応たいおうに苦慮くりょしています。

新しん紙幣しへいに対応たいおうするには運賃うんちん箱ばこや両替りょうがえ機きを入れ替いれかえる必要ひつようがありますが、業界ぎょうかい団体だんたいによりますと更新こうしんには1台だい100万まん円えんから200万まん円えんほど、かかるといいます。

松山まつやま市しを中心ちゅうしんにバスを運行うんこうする「伊予いよ鉄てつバス」では、路線ろせんバスや市街しがい地ちと空港くうこうを結むすぶバスなど、およそ200台だいのバスを所有しょゆうしているため、すべてを入れ替いれかえるとおよそ2億おく円えんのコストがかかります。

燃料ねんりょう高だかや人手ひとで不足ふそくなどを背景はいけいに経営けいえいが厳きびしい中なかで負担ふたんが大おおきいとして、来月らいげつ3日にちの新しん紙幣しへい発行はっこうのタイミングではほとんどの車両しゃりょうで運賃うんちん箱ばこを入れ替いれかえることはせず、今後こんご、徐々じょじょに更新こうしんしていくということです。

一方いっぽう、現金げんきんについても車両しゃりょうに設置せっちされた機械きかいで両替りょうがえできない高額こうがく紙幣しへいへの対応たいおうや日々ひびの集金しゅうきんが運転うんてん手しゅの負担ふたんになっているほか、乗客じょうきゃくの乗り降のりおりをスムーズにするためとしてキャッシュレス化かを優先ゆうせんさせて進すすめていくとしています。

日本にっぽんバス協会きょうかい会長かいちょう「新しん紙幣しへいきっかけにキャッシュレス化かしたい」

日本にっぽんバス協会きょうかいの会長かいちょうを務つとめ、松山まつやま市しを中心ちゅうしんに路線ろせんバスを運行うんこうする「伊予いよ鉄てつバス」の清水しみず一郎いちろう社長しゃちょうは、運賃うんちん箱ばこなどを新しん紙幣しへい対応たいおうのものに切り替きりかえるのは負担ふたんが大おおきいとしてバス業界ぎょうかいとしてはキャッシュレス化かを優先ゆうせんして推進すいしんしていく考かんがえを示しめしています。

清水しみず社長しゃちょうはNHKの取材しゅざいに対にたいして「燃料ねんりょう高だかや人手ひとで不足ふそくなど業界ぎょうかいが厳きびしい状況じょうきょうにある中なか、運賃うんちん箱ばこを入れ替いれかえると1台だい200万まん円えんほどかかることもあり、コスト面めんで大おおきな負担ふたんだ。支払しはらわれた現金げんきんを集あつめるのも運転うんてん手しゅの業務ぎょうむだが、バスを降おりる時ときに1万まん円えん札さつしかないと降おりる人ひとの行列ぎょうれつになり運転うんてんに集中しゅうちゅうしている運転うんてん手しゅにとってストレスで人手ひとで不足ふそくの中なかで負担ふたんとなっている」として新しん紙幣しへいへの対応たいおうや現金げんきんの取り扱とりあつかいは負担ふたんが大おおきいと述のべました。

その上うえで「バス業界ぎょうかいとしては新しん紙幣しへい発行はっこうをきっかけに、完全かんぜんなキャッシュレス化かを目指めざしていきたい。毎日まいにち皆みなさんに利用りようしてもらう公共こうきょう交通こうつうなので現金げんきんではなくキャッシュレスにした方ほうが便利べんりで快適かいてきに使つかいやすくなると思おもう」と述のべました。