米べい軍ぐん関係かんけい者しゃの性せい暴力ぼうりょく事件じけん相次あいつぐ 海兵かいへい隊たい兵士へいしも 性的せいてき暴行ぼうこうで起訴きそ

沖縄おきなわ県けんではアメリカ空軍くうぐんの兵士へいしが少女しょうじょに性的せいてき暴行ぼうこうをしたとして起訴きそされていたことが明あきらかになったばかりで、アメリカ軍ぐん関係かんけい者しゃによる性せい暴力ぼうりょく事件じけんが相次あいついで発覚はっかくする事態じたいに抗議こうぎや反発はんぱつの声こえがさらに強つよまるとみられます。

沖縄おきなわ県けんや捜査そうさ関係かんけい者しゃによりますと先月せんげつ、アメリカ海兵かいへい隊たいに所属しょぞくする21歳さいの上等じょうとう兵へいが沖縄おきなわ県内けんないで成人せいじん女性じょせいに性的せいてき暴行ぼうこうをしようとしてけがをさせた疑うたがいで逮捕たいほされ、今月こんげつ17日にち、那覇なは地方ちほう検察庁けんさつちょうが起訴きそしていたことがわかりました。

女性じょせいは抵抗ていこうし、上等じょうとう兵へいはその場ばから立ち去たちさっていましたが通報つうほうを受うけた警察けいさつが見みつけ、アメリカ軍ぐん基地きちの外そとで逮捕たいほしたということです。

県内けんないではアメリカ空軍くうぐんの兵士へいしが、去年きょねん12月つき、面識めんしきのない16歳さい未満みまんの少女しょうじょをわいせつ目的もくてきで自宅じたくに連れ込つれこみ性的せいてき暴行ぼうこうをした罪つみで起訴きそされていたことが今月こんげつ25日にちに明あきらかになったばかりで、沖縄おきなわ県けんが「基地きちと隣り合となりあわせの生活せいかつを余儀よぎなくされている県民けんみんに不安ふあんを与あたえるものだ」などと、県けんに連絡れんらくがなかったことを含ふくめてアメリカ軍ぐん側がわに抗議こうぎしました。

全国ぜんこくのおよそ7割わりのアメリカ軍ぐん専用せんよう施設しせつが集中しゅうちゅうする沖縄おきなわ県けんでは、アメリカ軍ぐん関係かんけい者しゃによる事件じけんが繰り返くりかえし起おきていて、性せい暴力ぼうりょく事件じけんが相次あいついで発覚はっかくする事態じたいに抗議こうぎや反発はんぱつの声こえがさらに強つよまるとみられます。

県けんに28日にち朝あさまで連絡れんらくなく

沖縄おきなわ県けんによりますと、28日にちに明あきらかになったアメリカ海兵かいへい隊たいの上等じょうとう兵へいによる性的せいてき暴行ぼうこう事件じけんについて、28日にち午前ごぜん10時じごろに沖縄おきなわ防衛ぼうえい局きょくからメールで概要がいようが伝つたえられるまで、県けんには連絡れんらくがなかったということです。

この事件じけんについては28日にち朝あさ、地元じもと紙しが報ほうじていて、県けんによりますと、沖縄おきなわ防衛ぼうえい局きょくから28日にち午前ごぜん6時じごろ、「事件じけんについて情報じょうほう収集しゅうしゅうをしている」という内容ないようのメールが届とどいたということです。

そして、およそ4時間じかん後ごの午前ごぜん10時じごろ再ふたたびメールが届とどいて、事件じけんの概要がいようが伝つたえられたということです。

また、県けんから外務省がいむしょう沖縄おきなわ事務所じむしょと県警けんけい察さっ本部ほんぶに対にたいし、午前ごぜん8時じ10分ふんごろに事件じけんについてメールで問い合といあわせましたが、午後ごご1時じ現在げんざい、返答へんとうはないということです。

アメリカ空軍くうぐんの兵士へいしが少女しょうじょに性的せいてき暴行ぼうこうをしたなどとして、ことし3月つきに起訴きそされた事件じけんでは、沖縄おきなわ県けんへの連絡れんらくが起訴きそから3か月かげつ近ちかくたった6月つき25日にちになったことについて、県けんが27日にちにアメリカ軍ぐんに抗議こうぎしたほか、外務省がいむしょうなどに通報つうほう体制たいせいの見直みなおしを求もとめることを検討けんとうする考かんがえを示しめしていました。

沖縄おきなわ県けん 玉城たまき知事ちじ「本当ほんとうに怒いかり心頭しんとうだ」

沖縄おきなわ県内けんないで5月つきにアメリカ海兵かいへい隊たいの兵士へいしが女性じょせいに性的せいてき暴行ぼうこうをしようとしてけがをさせていたことについて、沖縄おきなわ県けんの玉城たまき知事ちじは、28日にち午前ごぜん9時じ前まえに登庁とうちょうした際さい、報道ほうどう各社かくしゃの取材しゅざいに対にたいし、険けわしい表情ひょうじょうで「担当たんとう部局ぶきょくから外務省がいむしょう沖縄おきなわ事務所じむしょや沖縄おきなわ防衛ぼうえい局きょくに問い合といあわせをさせている」と述のべ、足早あしばやにエレベーターに乗り込のりこみました。

また、28日にち午前ごぜん10時じごろ報道ほうどう各社かくしゃの取材しゅざいに応おうじ、険けわしい表情ひょうじょうで「ことばにならない。本当ほんとうに怒いかり心頭しんとうだ」と述のべました。

そのうえで、アメリカ軍ぐんによる事件じけん・事故じこが起おきた際さいの県けんへの通報つうほう体制たいせいについて「連絡れんらく体制たいせいを再さい整備せいびしないといけない」などと述のべました。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかん「駐ちゅう日にち大使たいしに綱紀こうき粛正しゅくせいと再発さいはつ防止ぼうしの徹底てってい 申し入もうしいれた」

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「このような事案じあんが発生はっせいしたことは極きわめて遺憾いかんだ。去年きょねん12月つきに発生はっせいしたアメリカ空軍くうぐん兵へいによる事案じあんに続つづきアメリカ兵へいによるものとみられる性せい犯罪はんざいが発生はっせいしたことを重おもく見みて、外務省がいむしょうの岡野おかの事務じむ次官じかんからエマニュエル駐ちゅう日にち大使たいしに対にたいし遺憾いかんの意いを伝達でんたつするとともに、綱紀こうき粛正しゅくせいと再発さいはつ防止ぼうしの徹底てっていを申し入もうしいれた。アメリカ側がわも本件ほんけんは極きわめて重おもく受け止うけとめている」と述のべました。

そのうえで「アメリカ軍人ぐんじんなどによる事件じけん・事故じこは地元じもとに大おおきな不安ふあんを与あたえるもので、あってはならない。今後こんごもアメリカ側がわに対にたいしさまざまな機会きかいに事件じけん・事故じこの防止ぼうしを徹底てっていするよう求もとめていく」と述のべました。

木原きはら防衛ぼうえい相しょう「在日ざいにち米まい軍ぐん司令しれい官かんに綱紀こうき粛正しゅくせい 再発さいはつ防止ぼうし申し入もうしいれた」

木原きはら防衛ぼうえい大臣だいじんは、閣議かくぎの後のちの記者きしゃ会見かいけんで「地方ちほう協力きょうりょく局長きょくちょうから在日ざいにち米まい軍ぐん司令しれい官かんに対にたいし遺憾いかんの意いを伝達でんたつするとともに、綱紀こうき粛正しゅくせいおよび再発さいはつ防止ぼうしの徹底てっていについて申し入もうしいれた。アメリカ軍人ぐんじんなどによる事件じけん事故じこは、地元じもとに大おおきな不安ふあんを与あたえるもので、あってはならない。防衛ぼうえい省しょうとしてはアメリカ側がわに対にたいし、あらゆる機会きかいに、事件じけん事故じこの防止ぼうしの徹底てっていを求もとめていく」と述のべました。

一方いっぽう、申し入もうしいれの時期じきについては、アメリカ側がわや捜査そうさ機関きかんとの関係かんけいがあるとして、明あきらかにしませんでした。

県民けんみんから怒いかりや不安ふあん 訴うったえる声こえ

28日にち明あきらかになったアメリカ海兵かいへい隊たいの上等じょうとう兵へいによる性的せいてき暴行ぼうこう事件じけんについて、県民けんみんからは怒いかりや不安ふあんを訴うったえる声こえのほか、事件じけんが起おきた際さいは県民けんみんに知しらせてほしいという意見いけんが相次あいついで聞きかれました。

このうち、那覇なは市しの60代だいの女性じょせいは「ショックすぎてことばが出でず、怒いかりと絶望ぜつぼう感かんがあります。事件じけんが起おきたら国くには県けんにきちんと伝つたえるべきだと思おもうので、迅速じんそくに報告ほうこくしてほしい」と話はなしていました。

今帰仁なきじん村むらの40代だいの男性だんせいは、「事件じけんは絶対ぜったいにあってはならないです。アメリカがよき隣人りんじんであるなら、早はやく知しらせてほしい。報告ほうこくされた時期じきに何なにか意図いとがあるのかなと思おもってしまうので、沖縄おきなわ県民けんみんと真摯しんし（しんし）に向き合むきあってほしい」と話はなしていました。

那覇なは市しの50代だいの女性じょせいは「何なん度ども同おなじことが繰り返くりかえされているのでもうこういうニュースを見みたくないです。もっと沖縄おきなわ県民けんみんが声こえを上あげないといけないのかなとは思おもいますが政府せいふやアメリカ軍ぐんにはなかなか声こえは届とどかないなと思おもいます」と話はなしていました。

生後せいご1か月かげつの赤あかちゃんを連つれた那覇なは市しの30代だいの母親ははおやは「まただなと思おもいます。昔むかしから事件じけんはずっとあって、それが今いまも続つづいていることはショックです。この現実げんじつは変かわらないから、子こどもには自分じぶんの身みは自分じぶんで守まもるように教おしえるしかないと思おもいます。県民けんみんには知しる権利けんりがあると思おもうので、包み隠つつみかくさず報告ほうこくしてほしい。それを知しって私わたしたちがどうするかというのは、一いち人にん一いち人にんの受け取うけとり方かたがあると思おもうし、今後こんごの生活せいかつにも関かかわってくると思おもうので、ちゃんと知しっておきたい」と話はなしていました。

防衛ぼうえい省しょう“性せい暴力ぼうりょく事件じけん 政府せいふ内ないでの情報じょうほう伝達でんたつで把握はあく”

アメリカ軍ぐんの兵士へいしによる去年きょねん12月つきと先月せんげつの性せい暴力ぼうりょく事件じけんについて、防衛ぼうえい省しょうは政府せいふ内ないでの情報じょうほう伝達でんたつによって把握はあくしたとしています。

情報じょうほう伝達でんたつを受うけた時期じきは、捜査そうさの内容ないように関かかわるため明あきらかにできないとしています。

沖縄おきなわ県けんに対にたいしては、「捜査そうさ機関きかんの判断はんだんを踏ふまえて、公表こうひょうできるとされた範囲はんいで情報じょうほう提供ていきょうを行おこなっている」としていますが、いずれも報道ほうどうに出でるなどして事件じけんが明あきらかになったあとだということです。

それ以前いぜんに情報じょうほう提供ていきょうを行おこなっていなかった理由りゆうについては「捜査そうさ機関きかんの判断はんだんによる」としていて、防衛ぼうえい省しょうとしての対応たいおうに問題もんだいはなかったとしています。

一方いっぽう、防衛ぼうえい省しょうはそれぞれの事件じけんについて、地方ちほう協力きょうりょく局長きょくちょうから在日ざいにちアメリカ軍ぐん司令しれい官かんに対にたいして、再発さいはつ防止ぼうし策さくを徹底てっていするよう申し入もうしいれを行おこなったとしています。

ただ、再発さいはつ防止ぼうし策さくの具体ぐたい的てきな内容ないようはアメリカ側がわに委ゆだねるとして防衛ぼうえい省しょうとしては示しめしておらず、申し入もうしいれをした時期じきについてもアメリカ側がわや捜査そうさ機関きかんとの関係かんけいがあるとして、明あきらかにしていません。