トランプ前ぜん大統領だいとうりょうの刑事けいじ責任せきにん 米べい最高裁さいこうさい「免責めんせき」判断はんだん “歴史れきし的てき”

アメリカの連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょは1日にち、議会ぎかい乱入らんにゅう事件じけんをめぐり起訴きそされたトランプ前ぜん大統領だいとうりょうについて「大統領だいとうりょう在任ざいにん中ちゅうの公務こうむとしての行動こうどうは免責めんせきされる」としたうえで、起訴きその対象たいしょうとなったトランプ氏しの行動こうどうが公務こうむにあたるかどうかを下級かきゅう審しんで判断はんだんすべきだとして、審理しんりを差し戻さしもどしました。

最高さいこう裁判所さいばんしょはこれまで退任たいにん後ごの大統領だいとうりょうの刑事けいじ事件じけんをめぐる免責めんせき特権とっけんについて判断はんだんを示しめしたことはなく、アメリカのメディアは在任ざいにん中ちゅうの公務こうむについての免責めんせきを明確めいかくに認みとめた歴史れきし的てきな判断はんだんだと伝つたえています。

今回こんかいの判断はんだんでは9人にんの判事はんじのうち、保守ほしゅ派はとされる判事はんじ6人にんが支持しじした一方いっぽうでリベラル派はとされる判事はんじ3人にんは反対はんたいし、このうちソトマヨール判事はんじは「多数たすう派はの理屈りくつによれば大統領だいとうりょうは法ほうの上うえに立たつ王おうになった」などと反発はんぱつしています。

連邦れんぽう最高裁さいこうさいの判断はんだんを受うけて、バイデン大統領だいとうりょうはホワイトハウスで緊急きんきゅうの演説えんぜつを行おこない「今回こんかいの判断はんだんは大統領だいとうりょうができることに事実じじつ上じょう、制限せいげんがないことをほぼ確実かくじつに意味いみするもので、危険きけんな前例ぜんれいだ。大統領だいとうりょうの権限けんげんが法律ほうりつで制約せいやくされなくなる」などと批判ひはんしました。

一方いっぽう、トランプ氏しは「われわれの憲法けんぽうと民主みんしゅ主義しゅぎにとって大おおきな勝利しょうりだ」とする声明せいめいを発表はっぴょうするなど、野党やとう・共和党きょうわとう側がわからは歓迎かんげいする声こえが上あがっていて、与野党よやとうで受け止うけとめが分わかれています。