起業家のイーロン・マスク氏が所有するSNSのX(旧ツイッター)が10日午前、相次ぐ通信障害に見舞われた。同氏はサイバー攻撃との見方を示し、IPアドレスからウクライナが発生源だと主張した。マスク氏は10日午後、FOXビジネスのインタビューに答え、「何が起きたのか、正確なことは分からない」「だがXのシステムのダウンを狙った大規模なサイバー攻撃があった。IPアドレスから、ウクライナの地域を発生源とするものだ」と述べた。マスク氏はそれ以上の詳細を明らかにしなかった。ウクライナ政府と関連があると認識しているのかどうかについても言及はなかった。通信障害の追跡サイト、ダウンディテクターによると、今回の障害は米東部時間午前6時前後に発生。2万538人から不具合の報告が寄せられた。午前10時には4万人近いユーザーが不具合を報告した。報告は午後2時前後から、午後を通じて減少した。ダウンディテクターによれば、不具合は世界規模で発生していたとみられる。マスク氏は午後4時台放送のFOXビジネスのインタビュー中、システムが復旧していることを示唆した。ダウンディテクターのデータは自己報告のため、通信障害の規模を完全に反映しているわけではない。CNNはXに連絡を取っているが、同社は通常メディアからの問い合わせに応じない。マスク氏は10日午後の早い時間帯にXへ投稿。サイバー攻撃には「大規模で組織的な集団か国、もしくはその両方が絡んでいる」との見解を示したものの、攻撃の動機については確認しなかった。また、人々が同氏や同氏の運営するプラットフォームを沈黙させようとしていると示唆するX上の投稿に対し、「イエス」と返信した。現状でサービスの遮断について、それが標的を絞ったものだったのかどうかを含め、詳しいところは何も分かっていない。