ただ、今回なぜ大リーグの開幕戦が日本で行われることになったのでしょうか?そのねらいを解説動画でお伝えします。
【動画解説】大リーグが開幕 なぜ日本で?(2分51秒)
18日 おはよう日本で放送
※データ放送ではご覧いただけません
2年続けてアジアで開幕する大リーグ
大リーグは去年の韓国・ソウルに続き、2年続けてアジアで開幕を迎えます。
背景には、大リーグ機構が野球人気の拡大を目指して「国際化」を急ぐ流れとともに、日本市場へのかつてない期待の高まりがあります。
市場規模でNFLやNBAに遅れ 海外での公式戦開催に力
アメリカの経済誌、「フォーブス」が去年発表した世界のスポーツチームの資産価値のランキングでは、上位50チームの中にNFL=アメリカプロフットボールリーグが29チーム、NBA=アメリカプロバスケットボールが12チーム入ったのに対し、大リーグの球団は、4位のヤンキース(1兆1100億円)、24位のドジャース(8000億円)、45位のレッドソックス(6600億円)のわずか3チームでした。
資産価値が最も高いのはNFLのダラス・カウボーイズ(1兆4900億円)で、9年連続でトップです。
市場の規模は大リーグも右肩上がりで成長を続けているものの、去年の調査からはカブスとジャイアンツが外れて上位50チームに占める大リーグの球団数はこれまでで最も少なくなり、NFLやNBAに遅れをとっているのが現状です。そこで大リーグ機構は市場拡大のために「国際化」を大きなテーマに掲げていて、力を入れているのがアジアをはじめとした海外での公式戦の開催です。
日本市場への高い期待
日本での開幕シリーズは2000年のカブス対メッツ以降、何度も開催されていて今回が6年ぶり6回目ですが、去年は韓国、メキシコ、そして野球人気が高くないイギリスでも公式戦が開催されました。来年はメキシコやイギリス、プエルトリコでそれぞれ試合が行われる予定です。
海外での試合開催は大リーグ機構が選手会との交渉で取り決め、人気の高いチームや、今回のドジャースとカブスのようにその土地にゆかりのある選手が所属しているチームが派遣されるケースが一般的です。こうした特別なシリーズは放映権もレギュラーシーズンとは別枠で販売されるため、放映権収入を一括で管理している大リーグ機構にとっても大きな収入源の1つとなり、新たなスポンサーも集まります。
大リーグ機構は、今回の東京での開幕シリーズであわせて22社とスポンサー契約を結んだと発表していて、金額の規模は去年の韓国での開幕シリーズの2.4倍とこれまでの海外開催で史上最高だということです。
また、屈指の人気チームどうしのドジャースとヤンキースが対戦した去年のワールドシリーズは、日本からの1試合の平均視聴者数が1210万人と過去最多を更新しました。アメリカ国内が1580万人だったためほぼそれに匹敵する数字で、大リーグ機構にとっては改めて日本の市場が持つポテンシャルの高さを知る結果となりました。
3月18日のシーズン開幕は大リーグ史上最も早い開催で、派遣されるチームは早期の調整や長時間の移動など負担を強いられます。
また、今回の開幕シリーズはロサンゼルスでは午前3時の試合開始となりドジャースとカブスという人気チームどうしの対戦ながらアメリカからの視聴者は多くを見込めません。
しかし、そうしたマイナス面を差し引いても、日本市場への高い期待を背景に大リーグ機構にとっては開催のメリットが数多くあるシリーズとなっています。