「au PAY」被害相次ぐ不正利用疑いで容疑者逮捕組織的犯行か - Easy News

KDDIのスマホ決済けっさいサービス「au PAY」のアカウントの情報じょうほうが盗ぬすまれ、商品しょうひんの購入こうにゅうに悪用あくようされる被害ひがいが各地かくちで相次あいついでいます。

京都きょうとでは8日にち「au PAY」を不正ふせい利用りようした疑うたがいで中国ちゅうごく籍せきの容疑ようぎ者しゃが逮捕たいほされ、警察けいさつは組織そしき的てきな犯行はんこうとみて捜査そうさしています。

捜査そうさ関係かんけい者しゃによりますと、ことし4月つき、京都きょうと府ふ八幡やはた市しのコンビニエンスストアで、スマホ決済けっさいサービス「au PAY」を不正ふせいに使つかった男おとこに加熱かねつ式しきたばこのカートリッジ10箱はこ5800円えん相当そうとうがだまし取だましとられる被害ひがいがありました。

男おとこが店みせで示しめした決済けっさい用ようのQRコードは京都きょうと府内ふないに住すむ60代だいの男性だんせいのアカウントのものでした。

この男性だんせいは「au PAY」を装よそおって送おくりつけられたメールから偽にせサイトに誘導ゆうどうされ、IDとパスワードなどを盗ぬすみ取とられていたということです。

何者なにものかがこの情報じょうほうなどをもとにログインした別べつの端末たんまつで、決済けっさい用ようのQRコード画面がめんを表示ひょうじさせたうえ、スクリーンショットで撮影さつえいして店みせの近ちかくで待機たいきしていた男おとこに送おくり、すぐに商品しょうひんを購入こうにゅうするよう指示しじしたとみられています。

警察けいさつは店みせで商品しょうひんを買かったとみられる24歳さいの中国ちゅうごく籍せきの容疑ようぎ者しゃを8日にち、詐欺さぎの疑うたがいで逮捕たいほし、組織そしき的てきな犯行はんこうとみて捜査そうさを進すすめています。

警察けいさつによりますと京都きょうと府内ふないではことし3月つきから5月末げつまつにかけて「au PAY」の不正ふせい利用りように関にかんする相談そうだんが177件けん寄よせられ、急増きゅうぞうしていて全国ぜんこく各地かくちでも同様どうようの被害ひがいが相次あいついでいるということで、警察けいさつは、利用りよう者しゃにはメールのリンクから安易あんいにパスワードを入力にゅうりょくしないように注意ちゅういを呼よびかけています。

被害ひがいにあった男性だんせい「巧妙こうみょうなメールで入力にゅうりょくしてしまった」

今回こんかいの事件じけんで、不正ふせい利用りようの被害ひがいにあった京都きょうと府内ふないに住すむ60代だいの男性だんせいがNHKの取材しゅざいに応おうじました。

男性だんせいによりますと、ことし4月つき、スマートフォンの機種きしゅ変更へんこうをした数すう日にち後ごに、au PAYを装よそおったメールがスマホに届とどいたということです。

メールには「本人ほんにん確認かくにんを完了かんりょうしてください」という内容ないようとウェブサイトへのリンクが記載きさいされていて、そのサイトを開ひらくと、本物ほんものそっくりのログイン画面がめんが表示ひょうじされたといいます。

ただ、送信そうしん元もとのメールアドレスには「au」や「KDDI」の記載きさいはなく「フリーメール」が使つかわれていました。

男性だんせいは機種きしゅ変更へんこうに必要ひつような手続てつづきのひとつと思い込おもいこみ、IDとパスワードを入力にゅうりょくし、その後そのご、スマホに届とどいたほかの端末たんまつからのログインの承認しょうにんを求もとめる2段階だんかい認証にんしょうの通知つうちも許可きょかしてしまったということです。

そのおよそ3時間じかん後ご、京都きょうと府内ふないの自宅じたくから離はなれたコンビニエンスストアで、5800円えんの決済けっさいが行おこなわれたという身みに覚おぼえのない利用りよう確認かくにんメールが届とどき、被害ひがいに気きづきました。

男性だんせいはすぐに運営うんえい会社かいしゃに連絡れんらくしてアカウントを停止ていししましたが、勝手かってに使つかわれた代金だいきんは返金へんきんされていないということです。

男性だんせいは「まさか自分じぶんが被害ひがいにあうとは思おもいませんでした。時間じかんに余裕よゆうがない時ときで、本当ほんとうに巧妙こうみょうなメールで入力にゅうりょくしてしまいましたが、相手あいてのメールアドレスなどに不審ふしんな点てんがないかチェックする必要ひつようがあったと思おもっています。キャッシュレス決済けっさいが身近みぢかになってきている分ぶん、悪意あくいを持もつ人ひとから狙ねらわれやすくなっていると思おもうので、改あらためて気きをつけたい」と話はなしていました。

急増きゅうぞうする不正ふせい利用りよう

京都きょうと府警ふけい察さっ本部ほんぶによりますと「au PAY」の不正ふせい利用りようはことし3月つき以降いこう、急増きゅうぞうしていて「身みに覚おぼえのない買い物かいものをされた」などの相談そうだんが5月つき末まつまでに177件けん寄よせられているということです。

先月せんげつには、今回こんかいと同おなじ手口てぐちで加熱かねつ式しきたばこをだまし取だましとったとして、愛知あいち県けんで中国ちゅうごく籍せきの被告ひこく2人にんが逮捕たいほ起訴きそされていて、被害ひがいは全国ぜんこくに広ひろがっています。

いずれもメールで偽にせのウェブサイトに誘導ゆうどうしてIDとパスワードを盗ぬすみ取とる「フィッシング詐欺さぎ」と呼よばれる手口てぐちが使つかわれたとみられています。

QR決済けっさいサービスでふだん使つかっていない端末たんまつが使つかわれた場合ばあい、本人ほんにんのスマートフォンにログインの承認しょうにんを求もとめる2段階だんかい認証にんしょうの通知つうちが届とどきますが、利用りよう者しゃ側がわがそれも誤あやまって許可きょかするケースが多おおいということです。

商品しょうひんを購入こうにゅうする際さいに表示ひょうじされるQRコードの決済けっさい画面がめんは、有効ゆうこう時間じかんを5分ふんに設定せっていするなどの対策たいさくも取とられていますが、今回こんかいの手口てぐちでは、決済けっさい画面がめんをスクリーンショットで撮影さつえいするなどして、コンビニの近ちかくにいる「買かい子こ」役やくに送おくり、5分ふん以内いないに商品しょうひんを購入こうにゅうしていたとみられています。

サイバー犯罪はんざいに詳くわしい神戸こうべ大学だいがく大学院だいがくいんの森井もりい昌克まさよし教授きょうじゅは「QRコード決済けっさいは簡単かんたんで便利べんりということで急速きゅうそくに利用りようが広ひろがっているが、銀行ぎんこう引き落ひきおとしなどいろいろなサービスとつながっていると、被害ひがい金額きんがくが大おおきくなるおそれもある。2段階だんかい認証にんしょうなどの安全あんぜん対策たいさくもあまり厳きびしくすると便利べんりさと両立りょうりつしないため、普及ふきゅう期きの今いまはそのバランスを模索もさくしている状況じょうきょうだ。身みに覚おぼえのないログイン通知つうちについては、認証にんしょうしないように注意ちゅういするなど、利用りよう者しゃは常つねに狙ねらわれているという危機きき意識いしきを持もって情報じょうほうを守まもることが大切たいせつだ」と話はなしていました。